FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:中国恒大のデフォルトリスクへの警戒感から売り優勢

中国の不動産大手の『中国恒大集団』のデフォルトリスクへの警戒感から朝方に安く始まった後も下げ幅を広げ、3万円を割り込んだ。一方、値強い先行観を背景に押し目買いが下値をさせて安値圏で下げ渋り、もみ合いとなった。市場では、月末配当権利確定が意識されており、この権利取りを狙った買いが入った。結局、前営業日比660円安の2万9839円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上昇がドル下支え

ドル/円は、三連休明けとなる国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、109.60円まで上昇した。米長期金利が上昇したことも、ドル買いを誘った。午後に入ってもこの流れが続き、109.63円まで上昇した。ただ、前日のNY市場でつけた高値109.65円に接近すると上げは一服した。その後は、本日から開催される米FOMCを見極めたいとのムードが広がり、109.50円台を中心とした狭いレンジでもみ合い相場となった。

 

前週のドル買い比率は61.0%に低下

QUICKが21日に算出した17日時点のFX6社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は61.0%と前の週末から3.9ポイント低下した。前週の円相場は週末にかえて下落する場面が目立った。個人投資家は相場の流れに逆らう『逆張り』の傾向が強いため、円買い・ドル売りに持ち高を傾ける動きが活発だった。ユーロ/円取引の総建玉に占めるユーロ買いの比率は36.7%と5.3ポイント上昇した。ユーロ/ドルは取引のユーロ買い比率も34.3%と8.4ポイント上がった。ポンド/円取引のポンド買い比率は53.5%と7.4ポイント上昇した。

 

中国恒大集団はデフォルトリスクを意識して株価や11年ぶり安値

資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団の株価が20日、急落した。社債利払いの期日を控え、投資家の見方はますます厳しくなっている。現地時間20日正午までに株価は一時19%急落し、2010年5月以来、約11年ぶりの安値を付けた。中国恒大は、23日に22年3月償還債の8350万ドルの利払い、29日には24年3月償還債の4750万ドルの利払いが控える。いずれも30日以内に利払いを履行できなければ、デフォルト(債務不履行)となる。

 

23日のトルコ中銀の金融政策会合が最大の注目

23日に開かれるトルコ中銀・金融政策決定会合が最大の注目となる。カブジュオール中銀総裁が、政策決定において(鈍化傾向の)コア・インフレ率を重視するとの見解を示して以降、早期利下げへの警戒感が高まっている。今回の会合に対する大方の予想は今のところ、『緩和についての協議は始まるが、政策金利は19%で据え置き』とされている。しかしながら、少数派ではありますが『利下げの第一弾が実行される』との見方をする向きも出てきた。国際金融協会(IIF)は先週、23日会合でトルコ中銀が50ベーシスポイント(BP)の引き下げを決定するとの予想を出した。IIF見通しでは、緩和スタンスはその後も継続され、年末には政策金利が17%まで低下するとの見方である。

 

G20では南アが経済回復が最下位

英「エコノミスト」の調査部門でもあるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)による最新の経済予測が発表されました。 その結果でG20国の中で南アのみが、2022年までに新型コロナウイルス以前の水準に経済回復ができないという調査結果となった。この調査結果では2019年を100とした指数としているが、2022年に1位の中国は110台後半まで経済が成長すると予想している。2022年の経済成長は上述の中国が1位、続いてトルコ、インド、米国などが続き、アルゼンチンはほぼ2019年並み、そして南アが大幅に100を割り込んでいます。

 

ハリケーン「アイダ」の影響で来年まで産油量は大幅減:シェル

英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルは、ハリケーン『アイダ』の被害により来年初めにかけて同社の石油・ガス生産量が大幅に減少すると発表した。同社の米メキシコ湾岸での産油量は依然として約40%減少している。

 

米国株を2週連続で大幅買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの21日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は13~17日の1週間に米国株を40億8600万ドル買い越した。2週連続の大幅買い越しとなる。この週は17日の米クアドルブルウィッチングを向けて弱い展開で、S&P500指数が0.57%安で2週連続で上げた時だったが、フローは好調だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が11億800万ドルの売り越しで、4週連続の売り越し。機関投資家は25億5600万ドルの買い越しで、2週連続の買い越しだった。個人投資家は6億7900万ドルの売り越しで、7週連続の売り越し。企業の自社株買いは33億1700万ドルで好調だった。傾向としては20年12月以来、9ヵ月ぶりの高水準の流入額となり、企業の自社株買いもテクノロジーセクター注視に活況だった。自社株買いは前年同期比で77%増と新型頃まウイルスの感染拡大後に急減した状況から回復しているが、2019年の同じ時期と比べれば8%少ない。

 

米国オプション市場では短期の下落見通し

米国株はここ数カ月で最大のボラティリティーとなったが、オプション市場では一段の株価急落に備える動きがほとんど見られていない。少なくとも一部のオプショントレーダーは今回の急落が短命に終わると考えている模様である。投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は20日に27.5に上昇し、4カ月超ぶりの高値となった。資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団を巡る懸念が世界の経済成長に対する不安に拍車をかけ、S&P総合500種は2.5%安と1月27日以降で最大の下げとなった。ただ、オプション市場のアナリストによると、少なくとも現時点では投資家が一段の株価下落からポートフォリオを守る取引を行っているという兆候はほとんど見られないという。サスケハナ・フィナンシャル・グループのクリス・マーフィー氏は『今回の急落に混乱は見られず、多少は予想されたものであり、パニック的ではない』と指摘した。投資家のボラティリティーに対する期待を示す『VIXや期間構造、スキューなど全てにある程度のパニックが織り込まれていた』と述べた。また、JPモルガンのアナリストは『オーバーナイトで拡大した株価急落は主に流動性の低い環境下でのテクニカルな売りと、認識されたリスクに対する裁量トレーダーの過剰反応によるものだろう』とした上で、今回の急落は買いの好機とした。

 

米債務上限引き上げ巡り米与野党の攻防

米議会民主党指導部は20日、数日中に、連邦政府の運営資金を確実にし、連邦債務の上限適用を2022年の中間選挙以降まで凍結する法案の議会通過を目指すと表明した。しかし、共和党は債務上限引き上げに反対しており、与野党の攻防は必至だ。ペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は、連邦政府機関の閉鎖回避に向け、10月1日までに可決する必要があると強調した。上院歳出委員会のリーヒ委員長(民主党)は記者団に対し、上院で同法案を進めるためには賛成60票が必要で、共和党が反対する中、『どのような状況となるかは不確かだ』と語った。また、週末に行われた交渉で結論が出なかったと明らかにした。民主党は、債務上限引き上げについて超党派での合意を目指すべきと主張しており、シューマー氏は「これが民主党の債務というのは事実ではなく虚偽だ。民主・共和は共に発生した債務を支払う責任がある」と強調した。一方、上院共和党トップのマコネル院内総務は反対姿勢を改めて鮮明にした。共和党の支持を必要としない財政調整措置(リコンシリエーション)という手続きを通じ、民主党が3兆5000億ドル規模の歳出法案の成立を目指していることに言及し、『民主党は単独での行動を決定した。債務上限引き上げを巡り共和党からの協力は得られない』と述べた。

 

欧米市場イベント

○16:05   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○16:30   8月スウェーデン失業率
○21:30   4-6月期米経常収支(予想:1910億ドルの赤字)
○21:30   8月米住宅着工件数(予想:155.5万件、前月比1.0%)
          建設許可件数(予想:160.0万件、前月比▲1.8%)
○22日02:00   米財務省、20年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク)
○韓国(秋夕)、中国(中秋節)、休場

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