FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:先行感根強く押し目買いが優勢

経済正常化や国内政治の変化への期待を背景に先高観が根強く、押し目買いが優勢になった。市場では欧米比較での日本株の割安感が引き続き意識され、米国からの資金シフトが続いた。日本は明日から3連休となるが、日米株価の連動性が薄れているため、連休後の株安リスクはあまり警戒されなかった。NYダウ先物や香港ハンセン指数がプラス圏での推移となったことも下支えした。海運の上げが目立ち、空運や陸運なども上昇した。結局、前営業日比176円高の3万0500円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合う展開が継続

ドル/円は、三連休を控えた本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ109.92円付近までじり高となった。日経平均株価が上げ幅を拡大したことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、心理的節目の110.00円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いもみられ、109.85円付近まで下落した。午後は、手掛かり材料不足から積極的な売り買いは見られず、109.85円を挟んだ方向感を欠くもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1770ドルを挟んでこう着相場が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

6月末の家計金融資産は過去最高の1992兆円

日銀が発表した4~6月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産は6月末時点で前年同月比6.3%増の1992兆円だった。前年比の増加は5四半期連続で、残高は過去最高だった。新型コロナウイルスの感染拡大による消費活動の抑制で、現金や預金が積み上がったようだ。前年同期と比べて株式相場の水準が上昇し、株式や投資信託の残高を押し上げた。家計の金融資産の内訳をみると、現金・預金の残高は4.0%増の1072兆円とこれまでで最も多い。株式などは30.0%増の210兆円だった。投資信託は28.7%増の89兆円と過去最高となった。保家・年金・定型保証は1.5%増の538兆円だった。

 

中国不動産開発大手の経営危機に直面:デフォルトリスクに注意

中国不動産開発大手の中国恒大集団が経営危機に直面している。巨額の債務返済が滞り、経営不安から株価は低迷、投資家が本社に押し掛ける事態となった。危機が深刻化すれば業界全体に影響が広がり、中国の金融システムが動揺する恐れもある。恒大は多額の借り入れと積極的な開発用地の取得を通じて急成長。2020年の売上高は5070億元(約8兆6000億円)で、20万人の従業員を抱える。不動産以外の事業も展開しており、中国プロサッカークラブの広州FC(旧広州恒大)も傘下に持つ。ただ、高騰する住宅価格の抑制に向け、政府が不動産業界への融資を引き締めたことで、借り入れに依存した戦略は立ち行かなくなった。恒大の資金繰りは急速に悪化し、工事中断などの影響が表面化している。恒大の負債総額は今年6月末時点で1兆9670億元(約33兆4000億円)。うち2400億元の借入金が1年以内に返済期限を迎える。同社は8月末、不動産管理や電気自動車(EV)事業の売却などで資金繰り難は乗り切れると強調する一方、不調に終われば『デフォルト(債務不履行)につながる可能性がある』と警告した。

 

クレジットカード利用データ:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズは16日付リポートで、『クレジットカードとデビットカードの利用データを集計したところによると、9月11日までの7日間のカード利用総額は2年前と比べて17%、1年前と比べ18%増加した。これは、レイバーデーのタイミングによる(先週の)上昇からより大きな反転を予想していたため、前向きな驚きだった』と指摘。航空運賃の総カード支出は3週間安定しており、2年前と比べ約35%減だった。これは7月4日の週のピークから大きく減少しているが、『我々の見解では、一時的な停滞は良い第一歩である。データをより深く掘り下げ、航空券カードの利用状況を新規購入と払い戻しに分けると、新規購入が先週わずかに増加したことがわかる』とも指摘した。

 

23日のトルコ中銀・金融政策会合では利下げの予想も

来週23日にはトルコ中銀・金融政策決定会合が開かれます。カブジュオール・トルコ中銀総裁の『コア・インフレ率を重視する』という発言以降、早期利下げへの警戒感が高まっているが、これまでのところ『緩和協議は始まるが金利は据え置き』というのが大方の見方である。しかしながら昨日、国際金融協会(IIF)が来週会合で50ベーシスポイント(BP)の引き下げを予想していることが報じられた。今後も、主要なアナリスト予測には注意する必要がある。

 

メキシコでは莫大な盗電被害

国営メキシコ電力公社(CFE)は運営する配電ネットワークの総エネルギー損失が、今年の上半期に500億ペソ超に達したと明らかにした。失われたエネルギーのうち大半を占める(約70%)を占めるのが電力盗難、いわゆる『盗電』である。電気の違法接続やメーターの改ざんなどは主に貧困地域で目立っており、政府は最終的目標として盗電をCFEの総売上高の7.8%相当に減らすとしていた。しかし、今年の上半期に盗電で失われた損失はCFEの売上高の11.6%に達し、昨年同時期を超える結果になった。年度別で見ても2019年の11.0%、2020年の11.7%と徐々に上昇しており、政府による盗電対策は順調に進んではいない。なお、CFEは今後も契約を結んでいない不正電力ユーザーとの契約、耐用年数の終わりに達したメーター設備などへの投資で盗電を減らしていくとしている。

 

米上院共和党トップは債務上限引き上げの非協力を伝達

米上院共和党トップのマコネル院内総務がイエレン財務長官に対し、議会民主党は共和党の力を借りずに連邦債務の法的上限を独自に引き上げる必要があると改めて伝えていたことが分かった、と報じている。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.5%/前年比2.7%)
○15:00   8月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.8%/前年比2.5%)
○17:00   7月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比3.0%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.6%)
○18:00   7月ユーロ圏建設支出
○20:00   マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:72.0)
○大取と東商の先物・オプションの夜間取引停止

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