FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:次期政権による経済対策への期待から買い継続

日経平均株価は朝方に利益確定売りが先行して安く始まったが、その後は切り返しプラス圏に浮上し、徐々に上げ幅を拡大した。次期政権による経済対策への期待感が継続したほか、独通信大手のドイツテレコム株を取得すると発表したソフトバンクグループ株に買いが集まり、指数が押し上げられた。また、取引開始前に発表された4-6月期の国内総生産(GDP)改定値で設備投資が速報値から上方修正され、業績改善期待から設備投資関連銘柄を中心に製造業にも買いが広がった。結局、前営業日比265円高の3万018①円と終値ベースで4月5日以来、約5ヵ月ぶりに3万円台を回復した。信用評価損益率は3日申し込み時点でマイナス9.23%と、前の週のマイナス10.79%からマイナス幅が1.56ポイント縮小した。改善は2週連続となった。

 

東京外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル買い優勢

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.30円を挟んでもみ合いとなった。仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後に入ると、低下していた米長期金利の持ち直しを眺めたドル買い・円売りが入り、110.40円付近は上昇した。日経平均株価が底堅い動きになったことも、リスク選好の円売りが強まった。ユーロ/ドルは、明日の欧州中銀(ECB)理事会を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押され、1.18ドル台半ばから1.18ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

英中銀は来年利上げが必要になる可能性:ソーンダース政策委員

イングランド銀行(英中央銀行)のソーンダース政策委員は7日、英経済の成長が続き、高インフレが長引けば、来年利上げが必要になる可能性があるとの認識を示した。同氏は先月の金融政策委員会(MPC)で早期の資産買い入れ終了に賛成票を投じた。買い入れを継続すれば中期的なインフレ期待が高まる恐れがあると改めて主張した。ソーンダース氏は米会計ソフト大手インテュイットが主催するオンラインイベントで、『利上げの時期は経済見通しに左右される。景気回復が続きインフレが持続する兆候が見られれば、来年あたりに金利が上がると考えるのが妥当かもしれない』と語った。『これは約束ではなく、あくまで経済状況次第だ』とし、利上げ幅は比較的限られるとの見方を示した。

 

アリアンツのファンド巨額損失問題

ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は、保険大手アリアンツの米投資ファンドで巨額損失問題が昨年発生したことを受けて、同社の調査を開始した。事情を直接知る複数の関係者がロイターに明らかにした。アリアンツは、『ストラクチャード・アルファ・ファンド』を巡り、投資家から訴訟を起こされているほか、米司法省や米証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出している。

 

トルコの政府発表の中期計画:外国人投資家の反応に注意

トルコメディアは昨日、週末に政府が発表した新たな中期計画に関するエルドアン大統領の発言を伝えている。大統領は『計画は、偉大で強いトルコを築くための重要な一歩になると確信している』と述べ、『トルコ経済の年平均5.3パーセント成長、年平均117万人の雇用増、輸出額を3年後に2500億ドル以上』を見込んでいるとした。また、『国民所得を今年8000億ドル以上に、計画終了時に1兆ドルに引き上げる』ことも約束した。その他、経常赤字の縮小やインフレ引き下げなども中期計画には織り込まれており、もしトルコ政府の計画通りにいけば、まさしく今が長期的にみてリラの買い場なのかもしれない。しかしながら、期待通りに上手くいかないのが経済運営の難しいところである。トルコ政府の掲げた目標に対し、外国人投資家がどのような反応をみせるのか、暫くは見極める必要がある。

 

南アではロックダウのレベル緩和について検討

南ア国内のニュースとしては、昨日ラマポーザ南ア大統領が、全国コロナウイルス司令部(NCCC)と大統領調整評議会(PCC)との会談を行った。話し合い内容はロックダウンのレベル2の緩和についてで、早ければ本日にも緩和を発表するのではないかとされている。緩和された場合は、23時から翌4時までの夜間外出禁止令が修正され、集会の人数を屋内で50人から100人に、屋外で250人に増やすことになりそうである。また、オフサイトでのアルコール販売も月曜日から金曜日まで18時まで、オンサイトで22時まで許可される。なお、本日は7-9月期の南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数が発表される。

 

21年の米国経済成長予測を引き下げ:ゴールドマンサックス

ゴールドマンサックスのエコノミストは2021年の米国経済の成長予測を従来の6%から5.7%へ引き下げた。第4四半期のGDPは6.5%から5.5%へ引き下げた。年末の失業率も従来の4.1%から4.2%へ引き上げた。ただ、2022年度は4.5%から4.6%へ引き上げており、成長ペースが回復すると見ている。 新型コロナウイルスのデルタ株流行に加え、政府のパンデミック緊急刺激策の終了で米国経済の7割を占める消費を押し下げることになると指摘している。加えて、サプライチェーンの問題が長引くことも、景気に響くと見ている。政府が実施した大規模なパンデミック救済策の一環の失業者特別支援措置は6日に終了した。これにより約750万人が政府の支援を失う。延長に関しては、連邦政府は、各州に決定を委ねた。コロナワクチンの普及による経済活動の再開が下半期の力強い成長に繋がるとの期待は、新型コロナウイルス変異株の蔓延により不透明となってきた。各国中銀もパンデミック緊急策を解除する軌道上にあるものの、現状ではソフトテーパーに留まる可能性が強い。

 

米下院委員会で今週3.5兆ドルの予算決議案を審議

米下院委員会は今週、子育て支援などの福祉拡充に3兆5000億ドルの財政支出を目指す予算決議案を巡って審議する。下院歳入委員会は9、10日の作業部会で、メディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険制度)の支払い対象に歯科、眼科、聴覚関連給付を追加する案を検討する予定である。決議案には全労働者に対し、最長で12週間の有給の家族・医療休暇を提供する案も盛り込まれる見通しである。リチャード・ニール委員長は声明で『一部の労働者だけが有給休暇や育児、老後の蓄えといった恩恵にあずかるという考えに終止符を打ち、最終的にこうした支援を全米の職場に定着させるべきだと』訴えた。関係筋によると、予算決議案は各委員会で承認される可能性が高いものの、本会議での審議や可決に備え、法案の規模は縮小される公算で、最終的には2兆ドル程度に落ち着くもようである。

 

欧米市場のイベント

○15:45   7月仏貿易収支(予想:61.47億ユーロの赤字)
○15:45   7月仏経常収支
○19:00   7-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:49)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:00   8月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、ラムスデンBOE副総裁、テンレイロ英金融政策委員会(MPC)委員、講演
○9日01:00   8月ロシアCPI(予想:前月比0.1%)
○9日02:00   米財務省、10年債入札
○9日02:10   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○9日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○9日04:00   7月米消費者信用残高(予想:250.0億ドル)

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