FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:経済対策への期待が強く買い優勢

政治面での変化を受けて投資家心理が改善、前週末に一変ぢた好地合いを引き継ぎ上値追いの展開となった。自民党総裁選の立候補予定者たちの経済対策への期待が引き続き強い。株価指数先物の買いが主導する形で、値がさの大型株を中心に上昇している。結局、前営業日比531円高の2万9659円と6日続伸して終了した。東証株価指数(TOPIX)も6日続伸し、1990年8月以来およそ31年ぶりの高値をつかた。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料乏しく109.80円前後でこう着相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、109.85円付近へじり高となった。日経平均株価の大幅高でリスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、3日に発表された8月米雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を大きく下回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期のテーパリングに慎重な姿勢を示すとの観測から、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、短期筋による利益確定などのドル売り・円買いも見られ、109.80円を挟んでもみ合いとなった。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、109.80円前後でこう着相場となった。本日は米国とカナダ市場がレーバーデーで休場となるため、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.18ドル台後半で方向感に乏しい値動きが続いた。

 

前週のFX概況はドル買い比率は7ヵ月ぶりの高さ

QUICKが算出した3日時点の外国為替証拠金(FX)6社合計(週間)の建玉状況によると、FX取引で円に対するドル買い比率は上昇した。『ドル・円』取引の総建玉に占めるドル買いの比率は66.4%と前の週末から12.8ポイント上昇した。2月12日時点以来、7ヵ月ぶりの高さだった。米国の緩和的な金融政策が長期化するとの見方から円高・ドル安が進み、短期売買の個人から相場の流れに逆らう『逆張り』の円売り・ドル買いが優勢になった。『ユーロ・円』取引の総建玉に占めるユーロ買い比率は28.%と10.4ポイント低下し、6月25日時点以来、3ヵ月ぶりの低さだった。逆張りの円買い・ユーロ売りが入った。『ユーロ・ドル』取引のユーロ買い比率も21.0%と13.0ポイント低下した。

 

独選挙では与党苦戦で左派政権誕生も

政界を引退するメルケル首相の後継政権を選択するドイツ連邦議会(下院)選挙は、26日に投開票される。メルケル氏の保守与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が苦戦する一方、長く同氏の影に隠れてきた中道左派・社民党が支持を伸ばし、同党中心の左派政権誕生の可能性が出てきた。第三極の緑の党も交え、『ポスト・メルケル』争いは混戦模様となっている。8月末から9月初めに実施された各世論調査で社民党は支持率が25%程度で、おおむね20%強だったCDU・CSUを上回った。最も早く結果が出たフォルザ社の調査を基準にすると、両党の形勢が逆転したのは、メルケル氏の首相就任2年目の2006年以来実に15年ぶり。緑の党もCDU・CSUを数ポイント差で追っている。

 

トルコでは好悪まちまちの材料

4-6月期トルコGDPは前年比+21%を超えて、四半期ベースの上昇幅としては過去最大を記録した。順調な経済成長を確認し、米ゴールドマン・サックスは21年成長予測を+7.5%から9.5%に引き上げるなど、トルコ経済の先行きを楽観視する見方が広がっている。ただし、懸念材料はやはりインフレの高騰である。8月トルコ消費者物価指数(CPI)は前年比で+19.25%と政策金利19.00%を超えた。エルドアン大統領の圧力のもと利上げがしづらい状況のなか、カブジュオール総裁が実質金利マイナスに対しどのような対応をするのか、今週から来週にかけて様々な憶測が飛び交いそうである。 他プラス材料としては、トルコ中銀の外貨準備高が持ち直し傾向にあること、地域的なライバルであるエジプトと外交関係改善の兆しがみられることなどが挙げられる。

 

南ア経済についてはポジティブな要素が見当たらず

米金利低下や商品価格の堅調な動きはランド/円を支える要因となっているが、南ア経済についてはあまりポジティブな要素が見当たらないことには注意しておきたいところである。7月末から、アルコールの解禁などをはじめ、ロックダウンが緩和されたこともあり、先週発表された8月のABSA製造業PMIは7月の43.5から57.9へと急上昇した。しかし、雇用指数は47.6ポイントから47.1ポイントに低下している。南ア鉄鋼技術産業連盟によると、製造業の雇用は2008年に記録された37.9%よりもさらに悪い35%に低下している。雇用不安が再び治安の乱れ(暴動等)につながるリスクを指摘する声も少なくないことを念頭に置いておく必要がある。

 

メキシコではエネルギー部門を刷新する法案を提出する予定

メキシコのロペスオブラドール大統領が6年任期の折り返しとなる今年、一般教書演説を行い、今月の議会でエネルギー部門を刷新する法案を提出する予定であると発表しました。以前より、電力の発電及び商業化における自由競争やオープンアクセスの原理を制限し、発電許可をメキシコ政府の計画指針に従わせることを目的として、大統領は政策を進めてきた。しかしながら、これに関しては国内および海外からも規制上の不確実性を高め、エネルギー分野における民間投資に打撃を与えるものと批判されてきた。国内外からの反発にもひるまず大統領が頑なに法案成立を進める意図は依然として理解されていないが、海外からのメキシコへの投資など、先行き不安を高める材料になることは確かである。

 

8月米雇用統計結果:労働市場には依然スラックが存続

労働省が発表した8月雇用統計で失業率は5.2%と、予想通り7月5.4%から低下しパンデミックで経済が封鎖した昨年3月以降で最低となった。非農業部門雇用者数は前月比+23.5万人となった。伸びは7月+105.3万人から予想以上に縮小した。一方、7月分は+94.3万人から+105.3万人へ上方修正した。6月分は93.8万人から96.2万人へ上方修正され、6月と7月の2カ月で13.4万人の上方修正となった。8月の雇用は学校や工場が夏季休暇中であり、例年弱い傾向がある。平均時給は前月比+0.6%。伸びは7月の+0.4%から予想外に拡大し4月来で最大した。前年比では+4.3%。伸びは7月+4.1%から予想以上に拡大し3月来で最大となった。不完全雇用率(U6)は8.8%と、7月9.2%から低下した。労働参加率は61.7%と、上昇予想に反し、7月と同水準となった。 労働市場には依然スラックが存続している。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独製造業新規受注(予想:前月比▲1.0%/前年同月比18.9%)
○17:30   8月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:56.9)
○20:10   マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○米国、カナダ(レーバーデー)、休場

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