FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好地合いが継続して底堅く推移

前日までの好地合いを継続し買い優勢で始まったものの、これまでの上昇が比較的早かったことで高値警戒感が生じ、中頃から伸び悩んでもみ合いに終始した。押し目買いも意欲もあり、崩れる気配は見られなった。市場では、高値警戒感があり上値を追うのは難しいが、テクニカル的には基調の強さも感じられるため下値も堅いとの声もあった。結局、前営業日比92円高の2万8543円と7月14日(2万8608円)以来、1ヵ月半ぶりの高値で終了した。海外投資家の8月第4週(23日~27日)では、45億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。一方、先物は3346億円の買い越しとなり、買い越しは2週ぶりになった。

 

東京外国為替市場:新規材料乏しく110円挟んで小動き

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸出勢などのドル売り・円買いが通常より多く持ち込まれ、109.88円付近まで値を下げた。日経平均株価が朝高後に伸び悩み、プラス圏から一時マイナス圏へ転じたこともリスク回避の円買いを誘った。しかし、前日の海外市場でつけた安値109.88円に接近すると下げは一服した。その後は、値ごろ感からのドルの押し目買いが入り、110.00円近辺へ値を戻した。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、110.00円を挟んで小動きに終始した。今晩発表される週間の米新規失業保険申請件数や米株価動向を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.184ドル前後で方向感の乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

OPECプラスの段階的な原油増産継続歓迎:米ホワイトハウス

米ホワイトハウスは1日、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する『OPECプラス』が原油生産の段階的な拡大継続を決定したことを歓迎すると表明した。その上で、景気回復支援に向けて一層の取り組みを求めていく考えを示した。
ホワイトハウスの報道官は『7月の増産合意と同様に、OPECが原油生産の段階的拡大を継続することを歓迎する』と表明した。『価格決定における競争市場の重要性や、回復支援に向けた一層の取り組みについて、OPECプラスのメンバーと引き続き接触していく』と述べた。

 

4-6月期トルコGDP伸び率は過去最大

昨日発表された4-6月期トルコGDPは前年比21.7%と四半期ベースの上昇幅としては過去最大を記録した。昨年のコロナ禍との比較であることは考慮しなければならないが、トルコ経済が回復基調だということは確かである。カブジュオール・トルコ中銀総裁は昨日、7-9月期も経済活動は活発化していると成長の継続に自信を示した。 また、GDPと同時に発表された8月トルコ製造業PMIも54.1と景況判断の分岐点となる50を3カ月連続で上回った。トルコでは7月以降、新型コロナウイルスの感染者数が急増したが製造業への影響はかなり限定的だった。

 

南アの景気悪化による治安の乱れなどが懸念

8月のABSA製造業PMIは7月の43.5ポイントから57.9ポイントへと急上昇した。これは7月末から、アルコールの解禁などをはじめロックダウンが緩和されたことが要因となっている。しかしながら、雇用指数は7月の47.6ポイントから8月は47.1ポイントに低下した。南ア鉄鋼技術産業連盟によると、製造業の雇用は2008年に記録された37.9%よりもさらに悪い35%に低下している。このこともあり、今後は再び南アの治安の乱れなどを懸念する声もある。

 

メキシコ中銀のインフレレポートでは上方修正

メキシコ銀行(中央銀行)がインフレレポートを公表した。10-12月期のインフレ見通しを従来の4.8%から5.7%へと上方修正した。また、レポートでは『2022年の初めまで5%を超えるインフレが続く』としている。さらに、今年のGDP成長率見通しも従来の6.0%から6.2%へと引き上げられた。今後については『成長のリスクは均衡、インフレリスクは上振れ方向』となった。ところで、ハリケーン『ノラ』はメキシコの西海岸に沿って北上した。『ノラ』は『カテゴリー1』と『アイダ』の『カテゴリー4』と比較すると勢力は大きくないものの、メキシコ西海岸のリゾート地などを直撃した。各地で洪水などが生じ、プエルトバジャルタの町では1人の死者が出たようである。また、ゲレロ州では6人の漁師が行方不明となっている。

 

3日の米8月雇用統計では好悪サプライズどちらもあり

先行指標の中で労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分は前月比+37.4万人と、7月+32.6万人から伸びが拡大も、予想のほぼ半分にとどまった。7月も同様に60万人超の増加が予想されていた中、32.6万人にとどまったが、雇用統計では、6月に続き90万人超の雇用の増加となった。パンデミックの影響で連邦・地方職員、教員などの季節的な調整が複雑になっていることが影響している可能性もある。このため、雇用は鈍化傾向にあるとはいえ8月の雇用統計でも、6月、7月同様100万人近くの雇用の増加というポジティブサプライズも不可能ではない。週次の失業保険申請件数も減少傾向にあり、40万を下回る水準を維持している。 一方で、全米の製造業動向を示す、ISM製造業の雇用は49と、再び活動の拡大と縮小の境目となる50を割り込んだ。昨年11月来で最低。各地区製造業の雇用も軒並み鈍化している。製造業は半導体不足が長引き、生産ができずに工場の操業停止をやむなくされる企業も少なくない。ゴールドマンサックスは新型コロナウイルスデルタ株流行による労働市場への影響が予想以上で非農業部門雇用者数の予想を従来の60万増から50万増に引き下げた。

 

市場の注目はテーパリングから利上げ時期に移行

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者は、資産購入のテーパリング(段階的縮小)を年内に開始する準備を進めているところで、今後は2018年以来となる利上げがいつになるのかに関心が移行する。6月に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の四半期経済予測の金利予測分布図(ドット・プロット)を見ると、22年の利上げ開始を見込んでいたのは18人中7人だったが、今月公表される最新予測ではこの人数が増える可能性もある。

 

欧米市場イベント

○15:30   8月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%)
○15:30   7月スイス小売売上高
○16:00   4-6月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比2.0%/前年比9.0%)
○18:00   7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.1%/前年比11.0%)
○20:30   8月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   7月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比0.3%)
○21:30   7月カナダ貿易収支(予想:14.0億カナダドルの黒字)
○21:30   4-6月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.4%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:34.5万件/277.5万人)
○21:30   7月米貿易収支(予想:710億ドルの赤字)
○23:00   7月米製造業新規受注(予想:前月比0.3%)
○3日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、討議に参加
○3日04:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ウェブセミナーに参加

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ