FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:底堅い展開となったことで買い戻し

日経平均はNYダウ安の流れを引き継ぎ、反落スタートした。朝方から景気敏感株を中心に売りが先行した。また、香港ハンセン指数や上海総合指数などのアジア株が下げ幅を拡大したことが重石となり、上値を追う展開にはならなかった。日経平均は11ヵ月連続月末安となっており、市場では8月も継続するかに関心が寄せられた。相場の下値が堅いとみた投資家が値ごろ感のある銘柄を物色した。また、短期筋による買い戻しも入り、相場を押し上げた。結局、前営業日比300円高の2万8089円と7月15日以来、およそ1ヵ月半ぶりの高値となった。

 

東京外国為替市場:終日108円台を中心とした狭いレンジ相場

ドル/円は、本邦輸出勢などからドル売り・円買いが持ち込まれ、109.83円付近まで下落した。米長期金利が小幅に低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ただ、前日につけた安値109.70円が視野入りすると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、109.85円前後で取引された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.80円台を中心とした狭いレンジの取引が続いた。3日に発表される8月米雇用統計を前に、様子見ムードも広がった。ユーロ/ドルは、月末に絡むユーロ買い・ドル売りフローが持ち込まれ、1.1825ドル付近へ上昇した。

 

トルコが国際社会でプレゼンス上昇できるか

米軍がアフガニスタンを撤退し、同国を掌握したイスラム原理主義勢力・タリバンはカブール国際空港の運営支援をトルコやカタールに要請している。エルドアン・トルコ大統領は自前の治安部隊なしでは協力が難しいと述べ、やや後ろ向きの姿勢を示していたが、一部のトルコメディアによれば運営に向けた話し合いが進んでいる。トルコがアフガニスタンと北大西洋条約機構(NATO)の橋渡し役となれば、国際社会におけるトルコのプレゼンス上昇に繋がるだろう。なお、本日はトルコの7月貿易収支が発表され、赤字幅が43億ドルまで拡大することが見込まれている。予想通りであれば月間ベースの赤字が40億ドル超えは今年3回目となってしまい、リラの買いづらさに繋がってしまうかもしれない。

 

南ア大統領は3日に国会で『復興計画』の質疑応答

8月米雇用統計と同じ3日に、南アからもラマポーザ南ア大統領が『復興計画』の進捗状況を国会で発表することが、週末の29日に大統領府からアナウンスされた。雇用計画、インフラ投資、および国有企業の再編などについて説明をした後に、大統領は質疑応答を受ける予定になっている。南ア国内外ともに3日が今週の最大注目日となりそうである。

 

6週連続の米国株買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの31日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は23~27日の1週間に米国株を15億3700万ドル買い越した。6週連続の買い越しとなる。この週は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が27日の講演で年内の量的緩和(QE)の縮小を示唆し、市場の想定内の内容だったことでS&P500指数が1.52%高となって2週ぶりに上げて史上最高値を更新した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が3億9200万ドルの売り越しで、3週ぶりの売り越し。機関投資家は2億8700万ドルの買い越しで、3週ぶりの買い越しだった。個人投資家は7億5700万ドルの売り越しで4週連続の売り越し、企業の自社株買いは24憶ドルで、3週連続の20億ドルを上回って活況だった。傾向としてはS&P500指数が史上最高値を更新する中、全体としては5週ぶりの買越額の大きさを記録したが、上場投資信託(ETF)買い/個別株売りの展開だった。

 

ヘッジファンドの株式ネットロングは減少傾向

ジェフリーズは29日付リポートで、米国の機関投資家が四半期ごとに投資先明細を開示する報告書『フォーム13』をもとにヘッジファンドのポジションを調査したところ、株式のネットロングは136.2%と2014年以来の水準まで低下したとの分析結果を取りまとめた。長期的成長が見込める株式へのオーバーウエートは先月の15.6%から8.4%まで低下し、20年9月水準となったとも指摘した。リポートでは夏に向けてポジションを縮小する動きが見られたとの見方が示されている。一方で、米5大IT企業であるFAANG(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)のウエートは23.6%と線g熱の21.7%から上昇したとも推計している。個別銘柄ではアップル、テスラ、エヌビディアのウエート上昇が目立ったとも指摘している。

 

テーパリングの時期探る上で注目される米8月雇用統計

米8月非農業部門雇用者数の予想は、前月比76万人程度の増加だが、最少予想が前月比+50万人程度、最大予想が前月比+102万人程度となっており、予断を許さない状況が続いている。非農業部門雇用者数が予想を上回る増加幅だった場合、7月8月の堅調な雇用情勢を受けて、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内のテーパリングが協議されて時期が公表される可能性が高まる。しかし、新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大の影響で予想を下回った場合は、年内のテーパリング開始の可能性が低下することになる。

 

米FRBがハト派姿勢を保つことは難しい:BofAセキュリティーズ

Bof Aセキュリティーズは30日付リポートで、航空株アナリストがインド型(デルタ型)拡大による弱さを受けて、予約が安定しているとみる一方で、欧州連合(EU)における証拠から、米国におけるデルタ型の影響がピークに達している可能性があると推測していると指摘した。ワシントン大学のIHME新型コロナウイルスモデルでは、米国が現在、新規感染のピークレベル2週間過ぎていることを示唆しているという。次の米FOMCの日である9月22日までに、新規感染ピークから約30%減少すると予測され、『労働市場と新型コロナの状況の両方が急速に改善していることを考えると、米FRBがハト派姿勢を保つことは難しい課題になるだろう』との見解を示した。

 

米国市場では8月CB消費者信頼感指数:予想は124.0

7月実績は、129.1で高水準を維持していた。8月については、新型コロナウイルス変異株の感染拡大が警戒されていること、インフレ懸念は消えていないことから、信頼感指数は7月実績を下回る見込み。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比0.10%)
○15:45   7月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   7月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.9%)
○15:45   8月仏CPI速報値(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:00   7月トルコ貿易収支(予想:43.0億ドルの赤字)
○16:55   8月独雇用統計(予想:失業率5.6%/失業者数変化▲4.0万人)
○17:30   7月英消費者信用残高(予想:4.4億ポンド)
○17:30   7月英マネーサプライM4
○18:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、講演
○18:00   8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.7%)
○18:00   8月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.5%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   4-6月期インドGDP(予想:前年同期比20.0%)
○21:00   7月南アフリカ貿易収支(予想:450億ランドの黒字)
○21:30   6月カナダGDP(予想:前月比0.7%/前年比8.8%)
       4-6月期カナダGDP(予想:前期比2.5%)
○22:00   6月米住宅価格指数(予想:前月比1.9%)
       4-6月期米住宅価格指数
○22:00   6月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比18.5%)
○22:45   8月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:68.0)
○23:00   8月米消費者信頼感指数(予想:124.0)

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