FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:目立った買い材料はないものの底堅い展開

前週末の米国株式市場で主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、朝方は幅広い業種で買い優勢となった。目立出った買い材料はないものの、NYダウ先物が堅調推移する一方、上海総合指数、ハンセン指数など中国株式市場が高くなっていることが下支え要因になった。しかし、月末安のアノマリーが意識されるため、上値を追う積極的に追う動きは見られなかった。一時280円高となる場面もあったが、主力銘柄に利益確定や戻り待ちの売りが出て、上げ幅を縮めた。結局、前営業日比148円高の2万7789円で終了した。13日以来の約半月ぶりの高値となった。

 

東京外国為替市場:月末に絡むドル売りで上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末に絡むドル売り・円買いフローが持ち込まれ、109.70円付近まで下落した。27日にジャクソンホールで行われたパウエル米FRB議長の講演で、早期の利上げに慎重な姿勢が示されたこともドルの重石となった。ただ、今晩の米国株価動向を見極めたい雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドル押し目買いが入り、109.80円付近へ戻した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、1009.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合うと展開になった。ユーロ/ドルは、米FRB議長のハト派な講演内容を手がかりとしたユーロ買い・ドル売りが一巡すると1.1800ドル前後でこう着相場となった。

 

中国は価格高騰対策で金属備蓄を放出

中国政府は27日、金属価格の高騰を抑制するため、合計15万トンの国家戦略金属備蓄を来月1日の公開入札を通じて売却すると発表した。入札は3回目である。銅3万トン、亜鉛5万トン、アルミニウム7万トンを売却する。国家備蓄の放出は異例である。これまでに合計27万トンの銅、亜鉛、アルミニウムが放出された。前回7月29日の入札では、アルミ9万トンなど、合計17万トンの金属が売却されている。

 

今週のトルコの注目イベント:8月消費者物価指数(CPI)に注目

明日31日発表される7月貿易収支は、赤字幅が43億ドルまで拡大することが見込まれている。予想通りであれば月間ベースの赤字が40億ドル超えは今年3回目となり、リラの買いづらさが意識される可能性がある。また、9月1日には4-6月期国内総生産(GDP、前年比)が発表され、昨年コロナ禍との比較ですが+21.0%と大幅な成長拡大が予想されている。トルコは7月からコロナ規制の多くを緩和させており、本来ならば次の四半期も成長が見込まれている。ただ、緩和後に新規のコロナ感染者数が急増、山火事や洪水などの大規模な自然災害などで、7-9月期GDPの雲行きが怪しくなってきている。最終的には3日発表の8月トルコ消費者物価指数(CPI)を見極めることになる。8月消費者物価指数は前回の前月比+1.80%や前年比+18.95%を下回ると予想されている。前月比では+1%を割り込むと見られているが、前年比では依然として+18%台で高止まりする見通しである。予想からどの程度の振れ幅となるか、次回のトルコ中銀・金融政策決定会合に影響するため、大きな注目を集める。

【今週の予定】
・30日 トルコ祝日(戦勝記念日)
・31日 7月トルコ貿易収支(前回 28.5億ドルの赤字)
・1日 4-6月期トルコGDP(前年比、前回 +7.0%)
・1日 8月トルコ製造業PMI(前回 54.0)
・3日 8月トルコ消費者物価指数(CPI、前回 前月比 +1.80%:前年比 +18.95%)

 

南アの雇用改善見通せずランドの重石に

南ア雇用が全く改善の兆しを見せていない。先週発表された4-6月期南ア失業率は前回32.6%から34.4%へと悪化し、2008年の計測以来最悪の結果となった。若年層(15-24歳)失業率も63.2%から63.3%と過去最高を記録した。また、就活を諦めた失業者を含めた拡大失業率は43.2%から44.4%まで増加していた。南アフリカの経済指標では30日に月次財政収支、31日に7月のマネーサプライや貿易収支などが発表される。また、8月スタンダード銀行PMI、ABSA製造業PMIなども発表されますが、いずれの指標でも市場を動かすのは難しいのではないかと思われる。

 

アフガン情勢には要警戒:突発的な衝突やテロ報道には注意

アフガニスタン情勢には引き続き警戒したい。昨日は懸念されていた自爆テロ行為が起こったことで、一時米株などが軟調な動きとなった。バーンズ米中央情報局(CIA)長官とタリバンの共同創設者でナンバー2のガニ・バラダル氏との会談が物別れに終わったことで、数日前から米英独などの国防関係者がテロ行為の可能性が高まっていることを執拗に警告していた。英国防相は新たなテロの可能性が高まっていると発言しているように、再びカブールでのテロが起こるかもしれないことで、アフガン情勢には要警戒となる。

 

大型ハリケーン『アイダ』が米上陸:石油ターミナルの出荷停止

米気象当局によると、ハリケーン『アイダ』は5段階のうち2番目に強い『カテゴリー4』に発達し、ルイジアナ州南部のフォーチョン港近くに上陸した。最大風速67メートルの強力なハリケーンで、米国の主要石油ターミナルの操業に影響が出ている。全米最大の民間運営原油ターミナル、ルイジアナ・オフショア・ポート(LOOP)はハリケーン予想進路に基づき、操業地域に影響が出る懸念があることから、出荷を停止した。ルイジアナ南部の他のいくつかの港とミシシッピ州の複数の港も閉鎖された。規制当局によると、29日時点で、石油各社はメキシコ湾岸の原油生産量の95%超に当たる日量174万バレルの生産を一時停止した。メキシコ湾の沖合は、米国の原油供給量の17%を占めている。

 

米7月コアPCEは価格指数はサプライズなく:消費支出は鈍化傾向

米商務省が発表した7月個人所得は前月比+1.1%となった。伸びは6月+0.2%から予想以上に拡大し、過去最大の伸びを記録した3月来で最大になった。7月個人消費支出(PCE)は前月比+0.3%となり、伸びは6月+1.1%から予想以上に鈍化した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目しているコアPCE価格指数は前年比+3.6%と、予想通り、1991年5月以降ほぼ30年ぶり高水準となった6月と同水準を維持した。

 

米8月ミシガン大消費者信頼感指数確報値は予想下回る

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は70.3となった。速報値70.2から上方修正されたが、予想は下回った。FRBがインフレ期待指数として注視している同指数の1年期待インフレ率確報値は4.6%。速報値から修正なく、7月4.7%から低下した。5-10年期待インフレ率確報値は2.9%と、速報値3.0%から下方修正され5月3.0%から低下した。長期期待インフレが抑制されていることが示された。

 

欧米市場イベント

○16:00   8月スイスKOF景気先行指数(予想:125.9)
○18:00   8月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:118.0)
○18:00   8月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲5.3)
○21:00   8月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比3.9%)
○21:30   4-6月期カナダ経常収支
○23:00   7月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%/前年比▲8.5%)
○インド(クリシュナ神生誕日)、トルコ(戦勝記念日)、英国(サマーバンクホリデー)、休場

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