FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:今晩のイベント控え下落寄り付き後はこう着相場

前日の米国株安を嫌気され、前日終値に対して窓開けして寄り付いた。しかし、その後は下げ幅を縮小して2万6000円台半ばでもみ合いが継続した。パウエル米FRB議長の講演を控え、一段と様子見姿勢が強まる展開になった。手掛かりとなっていたアジア株やNYダウ先物が底堅く推移したことも、日経平均株のこう着感を強めた。結局、前営業日比101円安の2万7641円反落して終了した。

 

東京外国為替市場:イベント控え110.00円を挟んでもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.00円を挟んでもみ合い相場となった。本日のスポット応当日は月末にあたり、仲値にかけて本邦実需勢の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後は、週末を引けた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、109.88円付近まで下落した。前日にアフガニスタンの首都カブール国際空港のゲート付近で自爆テロが発生し、地政学リスクが警戒されていることも円買いを誘った。ただ、ジャクソンホールで行われるパウエル米FRB議長の講演内容を見極めたとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルは買い戻す動きみ見られ、110.00円付近へ切り返した。ユーロ/ドルは、海外勢から月末に絡むユーロ買い・ドル売りフローが持ち込まれ、一時1.1765ドルまで値を上げた。

 

トルコの外貨準備高の増加で警戒がやや一服

カブール空港の爆発は過激派組織『イスラム国』(IS)が犯行声明を出し、バイデン米大統領はISに対し攻撃を命じた。アフガン撤退を開始したトルコ軍も米軍を支援することが予想される。新たなテロの可能性もあり、トルコも巻き込まれることが懸念される。ところで、トルコ中銀が週間データを発表し、20日時点の外貨準備高(グロス、金保有高を除く)が681.7億ドルと前週比1.2%増、年初来では36.4%増となったことが明らかになった。準備高規模は十分ではないが、中銀の外貨準備高枯渇への警戒感がやや一服していることもリラ相場の底堅さに繋がっている。

 

シンポジウムを控えてFRB要人がタカ派発言

昨日、ジャクソンホールシンポジウムを控えて、相次いで米連邦準備理事会(FRB)高官が年内の緩和縮小開始に必要性を主張したため金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。米カンザスシティー連銀のジョージ総裁はインタビューに答え、『デルタ株流行も昨年の状況に比べて経済への影響は限定的との見方で、テーパリングに踏み出す必要がある』と主張した。セントルイス連銀のブラード総裁も、『インフレが予想を上回り、FRBは金融緩和縮小を開始し、2022年第1四半期までに終了すべき』だとの考えを示した。また、『雇用指標は遅行指標であるとし、債券購入を終了することで、利上げの選択肢が広がる』としている。

 

ジャクソンホールシンポジウムでは『波乱なし』の見方も

ジャクソンシンホールポジウムが目前に迫り、米FRBのテーパリング観測を巡る市場の『熱』がやや冷めてきた。パウエル米FRB議長は同会議で27日に経済見通しについて講演するが、投資家はパウエル議長がわざわざ市場に波風を立てることは言わないとみている。実際にテーパリングが始まったも、『テーパ―タントラム』と呼ばれる2013年のような市場混乱は起きないとの見方も一部から出ている。

 

パウエル氏続投とブレイナード副議長で検討

バイデン米大統領のアドバイザーらは、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長2期目続投とブレイナードFRB理事の銀行監督担当の副議長起用を提言することを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。両氏を組み合わせれば、トランプ前大統領に指名されたパウエル氏続投に難色を示す民主党進歩派の不満を和らげられると踏んでいる。バイデン大統領はFRB人事にまだ踏み込んでおらず、秋までは決定は下されない見込みだと、同関係者は話した。ブレイナード氏はFRB議長候補でもあるが、クオールズ副議長(銀行監督担当)の後任として昇格すれば、パウエル氏の規制を巡る実績に懸念を抱く民主党進歩派の不安を和らげられる可能性がある。

 

米国市場ではPCEコア価格指数が公表:予想は前年比+3.6%

6月実績は前年比+3.5%だった。供給制約が物価を押し上げ、伸びは5月実績を上回った。7月については、外食、宿泊などのサービス価格が引き続き上昇するとみられている。さらに、昨年春以降積み上がっている家計の余剰貯蓄を考えると、コア価格指数が上振れる可能性は残されている。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独輸入物価指数(予想:前月比0.8%/前年比13.6%)
○15:45   8月仏消費者信頼感指数(予想:100)
○16:30   4-6月期スウェーデン国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.9%)
○20:00   7月メキシコ貿易収支(予想:0.33億ドルの黒字)
○21:30   7月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.1%)
○21:30   7月カナダ原料価格指数
○21:30   7月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       7月米個人所得(予想:前月比0.2%)
       7月米PCEデフレーター(予想:前年比4.1%)
       7月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.3%/前年比3.6%)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:70.7)
○23:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ジャクソンホール会議で経済見通しについて講演
○米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)

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