FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ジャクソンホール会合控え様子見ムード強い展開

朝方は反発して始まったが、米金融政策の先行きを見通す上で重要視されるジャクソンホール会議を27日に控えて投資家の様子見姿勢が強まり、徐々に上げ幅を縮小した。中国株や香港株が小安く推移する中、日経平均もマイナス圏の値動きとなった。相場は次第にこう着感を強めた。結局、前営業日比17円高の2万7742円と小幅に反発して終了した。

 

東京外国為替市場:110円台を挟んでのもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢はなどのドル買い・円売りが先行し、110.11円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた高値110.12円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後、日経平均株価が朝高後に伸び悩むと、持ち高調整などのドル売り・円買いに109.95円付近へ押し戻された。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.90円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。27日のジャクソンホールで行われるパウエル米FRB議長の講演を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1765ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

総選挙投票日前のTOPIXの勝率は高い

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は26日付のリポートで『投票日前のTOPIXの勝率は高く、投票日から半年後も高い』と指摘した。リポートでは、1979年以降の衆議院総選挙(軽14回)では20営業日前から投票日にかけてTOPIXがポジティブとなった割合が92.9%と非常に高いといい、平均リターンもプラス2.5%を記録した。また、投票日から60営業日後のリターンがポジティブとなった割合は50%だったが、『120営業日後は57.1%とになった。平均リターンもプラス3.3%とになり、衆議院総選挙は中期的に株式市場にとってプラスとなることが多い』という。

 

海外投資家売買動向はまもなく転換点へ:野村証券レポート

25日付の日本株フローモニターのリポートで『海外投資家売買動向はまもなく転換点へ』と指摘した。リポートでは、海外投資家が6月5週から7月3週に合計で1兆5228億円を売り越したが、7月第4週から8月2週にかけて7502憶円を買い越したことについて『現物が買い越しに転じた要因の一つとして空売りの減少が挙げられる』と指摘した。空売り比率は依然高水準にあるとしながらも、『7月1週からピークアウト傾向にある。先物については、外資系証券会社のネット先物買い建玉が低水準であることに注目したい』とし、買い戻しが入りやすい状況と指摘した。その上で、『過去のパターンを参考にすると、9月半ば以降空売りが減少する可能性』としながら、総選挙をきっかけに海外投資家の日本株買いが強まる可能性があるともみていた。また、9月はパッシブファンドによる配当絡みの先物買いにも注目とも指摘した。

 

トルコリラは強含みも懸念材料も多いので注意

情勢が緊迫化するアフガニスタンへの対応を巡り、ブリンケン米国務長官とチャヴシュオール・トルコ外相は電話会談をした。そこでブリンケン長官はトルコが地域の重要なパートナーと強調した。なお、トルコ国防省は『様々な会談、現在の状況、条件を検討したうえで、アフガニスタンからトルコ軍が退避を開始した』と発表した。一時は、アフガンのカブール国際空港をトルコ軍が管理・保護するとの話もあったが、アフガンを掌握したタリバンの意向に沿ったようである。昨日はリラ高で推移したが、米長期金利が上昇傾向を強めてきており、今後は、けっして無視できない規模のトルコ対外債務負担がリラの重しとなってしまうかもしれない。また、原油価格の買い戻しも止まらず、石油を輸入に依存するトルコの通貨にとっては流出要因となる。また、一部の中東メディアが、トルコ高官の話しとして『ロシアと追加のミサイル購入契約を結ぶ準備など出来ていない』を伝えた。

 

南アの7月卸売物価指数が公表:ランドの上値の重い展開が継続

本日は南アの7月卸売物価指数(PPI)の発表があるが、ここ最近は南アの経済指標での反応が限られていることで、PPIも市場が動意づくのは難しいと思われる。本日は大きな動きは期待できないが、中長期的にはランド/円は上値が重く推移しそうである。一昨日発表された失業率の悪化や、電力不足懸念、治安不安など南アの好材料を探すのが難しい状況は変わらない。

 

アフガニスタンリスクの高まりに要警戒

アフガニスタンリスクの高まりは、ウィリアム・バーンズ米中央情報局(CIA)長官とタリバンの共同創設者でナンバー2のアブドゥル・ガニ・バラダル氏との会談が物別れに終わったことが大きな要因である。バイデン政権が『31日にアフガニスタンから撤退することを決定した』というよりも、『31日に撤退を余儀なくされた』ということが正しく、期限まで1週間を切った中でどの程度撤退が完了できるかが注目される。バイデン米大統領は一人でも米国人に危害が及んだ場合には、タリバンに報復することも示唆しており、今後1週間のアフガニスタン情勢が一つの山場となる。撤退を前に上述したような独国防相の懸念が現実化した場合には、為替市場もジャクソンホール待ちと悠長なことを言っていられなくなる。

 

米7月耐久財受注速報値は予想ほど悪化せず

商務省が発表した7月耐久財受注速報値は前月比-0.1%となった。伸びは6月+0.8%から4カ月ぶりのマイナスに再び落ち込んだものの、予想ほど悪化しなかった。変動の激しい輸送用機器除く耐久財受注速報値は前月比+0.7%。伸びは6月+0.6%から縮小予想に反して拡大し、4月来で最大となった。国内総生産(GDP)の算出に用いられる7月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値は前月比+1.0%と、伸びは6月+0.6%から予想以上に拡大した。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)改定値が公表:予想は前期比年率+6.6%

速報値は、前年同期比+6.5%だった。個人消費や企業の設備投資が成長に寄与したが、住宅投資は減少した。サブプライチェーンの制約に伴う在庫圧縮も成長率を抑制した。改定値では個人と企業設備投資はやや上方修正される可能性があるが、速報値からの修正は小幅にとどまる見込みである。

 

欧米市場イベント

○未定     8月月例経済報告
○15:00   9月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲0.7)
○15:45   8月仏企業景況感指数(予想:112)
○16:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:30   7月スウェーデン失業率
○17:00   7月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比7.7%)
○18:30   7月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比7.0%)
○20:00   7月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.10%)
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月22日分)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率6.7%)
       4-6月期米個人消費(改定値、予想:前期比年率12.2%)
       4-6月期米コアPCE(改定値、予想:前期比年率6.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:35.0万件/279.0万人)
○23:10   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○24:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○27日02:00   米財務省、7年債入札

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