FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く方向感の出ない展開

前日の米国株高の流れを引き継ぎ、景気敏感セクターを中心に買いが朝方先行した。ただ、今数米国で開かれる年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)を控える中で上値は重く、前場引けにかけて軟化した。高値警戒感から利益確定売りが先行、売り買いが拮抗した。結局、前営業日比7円安の2万7724円と3営業日ぶりに小反落して終了した。信用評価損率は20日申し込み時点でマイナス12.88%と、前の週のマイナス10.24%からマイナス幅が2.64ポイント悪化した。

 

東京外国為替市場:日経平均株価睨みの109円後半でのもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、109.87円付近まで上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドル買いにつながった。ただ、前日につけた高値109.88円付近に接近すると上げは一服した。その後は、日経平均株価の失速を眺めたドル売り・円買いに109.70円台へ押し戻された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.75円前後でもみ合い相場となった。全般に様子見ムードの強い展開だった。ユーロ/ドルは、1.1740ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラが13円台を維持出来るか注目

トルコが露製地対空ミサイルを追加購入するという関連報道に気を付けながら、13円台を維持できるかが注目される。トルコで新型コロナウイルス感染による死者数が増加傾向にあることも、リラの印象を悪くしている。7月前半は40人を割り込んでいた感染による1日あたりの死者数は、先週末から約3カ月ぶりの230人台にも達した。トルコの保健当局も焦りを隠せず、ワクチン接種を国民に必死に訴えている。

 

南アでは失業率悪化でランドの重石

昨日発表された4-6月期の失業率は、前回の32.6%から34.4%と悪化し、2008年の計測以来最悪の結果となった。若年層(15-24歳)失業率も63.2%から63.3%と過去最大を記録している。また、就活を諦めた失業者を含める拡大失業率は43.2%から44.4%まで増加している。新型コロナウイルスの感染が収まらず、暴動も7月には起きたことを考えると、南アの雇用不安は深刻なままで、ランドの重石になる。

 

メキシコでは感染動向の悪化が続きペソ相場の重石

メキシコ経済を巡っては、米国経済の堅調さが景気回復を促すとの期待がある一方、足下の米国では変異株により感染が再拡大するなかでメキシコにも『第3波』の動きが広がる。政府による積極的なワクチン接種の動きにも拘らずワクチン接種率は集団免疫獲得にほど遠く、政府が掲げる接種計画のハードルは高い。メキシコは感染者数に対して死亡者数の比率が突出するが、足下の感染再拡大による医療インフラのひっ迫を受けて死亡者数も拡大傾向を強めており、メキシコの感染動向は当面厳しい展開が続く可能性が高い。

 

ゴールドマンサックスはFRBによるテーパリング発表確率引き上げ

米連邦準備制度理事会(FRB)のシンポジウムは当初開催が予定されていたワイオミング州ジャクソンホールにあるティトンビレッジ 、 グランドティトン国立公園地域のコロナリスクが引き上げられたため、対面形式からビデオ形式に変更された。このため、FRBも新型コロナウイルのデルタ変異株流行が景気に与える影響を再び見直す必要性を認識し、パウエル議長が今週の会合で、金融緩和縮小の計画を発表するとの思惑が後退しつつある。 ただ、FRBが年内に金融緩和縮小を開始するとの市場での思惑も根強い。ゴールドマンサックスのエコノミストは11月の緩和縮小発表確率を当初の25%から45%まで引き上げた。一方、12月発表確率を当初の55%から35%へ引き下げた。現在の国債購入規模、月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)の購入月400億ドルそれぞれ増やす量的緩和(QE)を、各会合で米国債の購入を100億ドル、MBSの購入を50億、総額150億ドル規模縮小し、2022年の9月にテーパー終了を目指すと見ている。

 

米下院では予算決議案を可決:超党派インフラ法案は9月末までに採決

米下院は24日に社会福祉の拡充などを盛り込んだ3兆5000億ドルの予算決議案を賛成220、反対212で可決した。支持に回った野党共和党議員はいなかった。超党派による1兆ドル規模のインフラ投資法案については、9月27日までに採決を実施することで合意した。下院民主党は24日未明、予算決議案の採決を延期。ペロシ議長らが決議案の早期承認を求めたのに対し、党内の穏健派は、まず上院で可決された1兆ドル規模の超党派インフラ投資法案を先に採決するべきだと主張し、双方の折り合いがつかなかった。

 

★米国ではブレークスルー感染増加傾向

米ロサンゼルス郡で5月-7月25日までに確認された新型コロナウイルス感染者の25%が、ワクチン接種完了後に感染する『ブレークスルー感染』だったことが、米疾病対策センター(CDC)のデータから分かった。同時期には感染力の強いデルタ変異株が流行しており、3回目の追加接種(ブースター接種)が必要かどうかを判断する際の材料となる見通しである。同データによると、ロサンゼルス郡で新型コロナの感染が確認された年齢16歳以上の住民4万3000人強のうち、1万0895人(25.3%)がワクチン接種を完了、1431人(3.3%)が1回目の接種を終えていた。3万0801人(71.4%)はワクチン未接種者だった。同時に、新型コロナで入院したのはワクチン接種を完了していた人の3.2%、集中治療室(ICU)での治療は0.05%、呼吸器が必要となったのは0.25%にとどまり、ワクチンが重症化予防で効果があることが示された。

 

米新築住宅販売価格は過去最高を更新

24日に発表された7月の米新築一戸建て住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)は70万8,000戸と前月比1.0%増と4ヵ月ぶりにプラスとなった。地域別では、人口の多い南部が1.3%増、西部が14.4%増と全体を押し上げ、北東部、中西部は24.1%減、20.2%減と低調だった。一方、前年同月比では27.2%減となっており、前月比ではプラスだった南部、西部も前年同月比では28.4%減、11.9%減と米住宅市場の冷え込みが続いている。販売価格(中央値)は39万500どると過去最高値を更新した。住宅価格が高騰し消費者の手に届きにくいという状況が改善するとは考えにくい。

 

米国市場では7月耐久財受注が公表:予想は前月比-0.1%

6月実績は前月比+0.8%だった。コンピューター、電子機器、一次金属の受注は増加したが、半導体不足を背景に自動車・同部品の受注は減少した。7月については、サプライチェーンの障害や不足が原因で生産ペースは抑制されており、前月比マイナスとなるか旺盛がある。

 

欧米市場イベント

○17:00   8月独Ifo企業景況感指数(予想:100.4)
○17:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   4-6月期メキシコ国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比1.7%/前年同期比19.8%)
○21:30   7月米耐久財受注額(予想:前月比▲0.3%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○26日01:00   7月ロシア鉱工業生産(予想:前年比8.2%)
○26日02:00   米財務省、5年債入札

 

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