FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:見送りムード強く小幅続落

前日の米国株式市場が上昇したことを受けて買い優勢で始まったものの、週末となって全体的に見送りムードが強まり一進一退になった。前日に通期業績見通しの上方修正をは票したリクルートホールディングスが大幅上昇し、時価総額で10兆円を超えるなど、好決算銘柄を物色する動きは続いた。また、企業決算が好調で売りポジションも取りにくく、一時的に日経平均がマイナスに転落しても、総じて底堅い展開となった。結局、前営業日比37円安の2万7977円と小幅続落して終了した。8月第1週の海外投資家は710億円の買い越しとなり、3週間ぶりの買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:市場参加者少なく110.40円前後でこう着

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、110.46円付近まで上昇した。しかし、前日の海外市場でつけた高値110.54円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、米長期金利低下を眺めたドル売りに110.30円台へ押し戻された。午後は、お盆休み中で市場参加者が通常より少なく、110.40円前後でこう着相場となった。110.50円には本日NYカットで期限を迎えるまとまったオプションが観測されているため、これも値動きを抑制させた。ユーロ/ドルは、1.174ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀は政策金利を据え置きと引き締めスタンスの維持

トルコ中銀の金融政策決定会合では、予想通り5会合連続となる政策金利19%で据え置きが決定された。中銀声明では『インフレレポートの予測に沿った大幅な物価低下が達成されるまで、現在の引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する』、『強力なディスインフレ効果を維持するため、政策金利は引き続きインフレ率を上回る水準に設定される』などと述べられた。 一部では、エルドアン大統領の利下げ要求を配慮して金融政策委員会がハト派に傾くのではないかとの思惑もあったが、インフレ抑制に向けた方針維持は好感された。イスタンブール株式市場の主要指数も2%超高と堅調なまま引けた。

 

南アでは電力不足の中で発電所が爆発:ランドにとってネガティブ材料

メドゥピ発電所の4号機での爆発が起こったことについて、国営電力会社エスコムのデルイターCEOは修復には2年かかると述べている。電力不足は南ア国内の大きな問題の一つであり、現在は市場のメイントピックではないものの、中長期的にみるとランドにとってもネガティブ材料となる。

 

パウエル米FRB議長再任に暗雲:再任には民主左派が難色

ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任の是非を巡り、民主党内で不協和音が生じている。ジョー・バイデン大統領の経済チームはおおむね再任を支持しているが、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)ら党内の有力左派議員が難色を示しており、議長交代につながる可能性がある。内情に詳しい関係筋が明らかにした。パウエル氏は、失業率改善を一段と重視する方向へとFRBを導いたとして、一部の民主党議員から高い評価を受けている。こうした動きはFRBが昨年、新型コロナウイルス禍に対して強力な対応策を講じたことと重なる。
だが、左派からは不満の声が漏れる。パウエル氏が2008年の金融危機後に導入された金融規制の緩和に傾いたためで、与党・民主党の政治路線により整合する人物を議長にすべきだとの立場である。

 

米7月PPIは2020年来で最大の伸び

米労働省が発表した7月生産者物価指数(PPI)は前月比+1.0%と、伸びが6月から鈍化予想に反し同水準を維持した。前年比では+7.8%と、6月から減速予想に反し、伸びが拡大し、統計方法が修正された2010年来で最大を記録。変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+1.0%と、6月から伸びの減速予想に反し、同水準となった。前年比では+6.2%と、6月から予想外に伸びが拡大し、2010年来で最大となった。

 

7月雇用統計結果を受けFRB高官の早期テーパリングの意見増加

強い7月雇用統計を受けて、FRB高官の早期の債券購入縮小を支持する意見が増えている。超タカ派で知られるカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は『異例なFRBの金融緩和を巻き戻す時がきた』としたほか、ダラス連銀のカプラン総裁は、もし、経済が予想通りに展開したら9月FOMCでテーパー計画を発表し、10月にテーパー開始をすべきだと主張している。一方、パウエル議長やクラリダ副議長は、政策の変更には実際の経済の進展を確認していく必要があると、見通しに基づいて、行動しない方針を度々確認している。今月末のジャクソンホールでのFRB年次会合でのパウエル議長の演説に注目が集まる。

 

米国市場では8月ミシガン大学消費者信頼感指数:予想:81.1

7月確報値は81.2で6月実績を下回ったが、速報値から上方修正された。8月については、ウイルス変異株の感染拡大が警戒されていることや、インフレ懸念は消えていないことから、7月実績と同水準か、わずかに下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独卸売物価指数(WPI)
○15:30   7月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.3%)
○15:45   7月仏CPI改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.2%)
○16:00   6月トルコ経常収支(予想:11.0億ドルの赤字)
○16:30   7月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
       コア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.6%)
○17:30   4-6月期香港域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲1.0%/前年同期比7.5%)
○18:00   6月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済108億ユーロの黒字)
○21:30   7月米輸入物価指数(予想:前月比0.6%)
○23:00   8月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:81.2)
○14日01:00   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比9.8%)

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