FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感から利益確定売りで上値の重い展開

日経平均は5日続伸で寄り付いた後は、前日まで4日続伸したことあり高値警戒感の強まりを受けた利益確定売りが広がり、上げ幅を縮小した。市場では、『米国、欧州での株高を背景に、日本株も上昇した。国内では依然としてデルタ株や医療体制ひっ迫への警戒感があるが、日本株の場合はグローバル比較での出遅れ感が意識され、買われる展開となっている。」との声が聞かれた。結局、前営業日比55円安の2万8015円と5営業日ぶりに下落して終了した。信用評価損益率は6日申し込み時点でマイナス11.01%と、前週のマイナス10.03%からマイナス幅が0.98ポイント悪化した。悪化は3週連続となった。

 

東京外国為替市場:全般110.40円付近でもみ合い相場

ドル/円は、前日に発表された7月米消費者物価指数(CPI)コア指数が予想を下回ったことで、持ち高調整などのドル売り・円買いが先行し、110.32円付近まで下落した。しかし、10日につけた110.29円が下値の目処として意識されると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、110.40円付近へ切り返した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら110.40円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台半ばで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国信用サイクルの転換が先行き減速を示唆

中国人民銀行11日発表の中国21年7月末時点の現預金総額(M2)の増加率は前年同月比+8.3%と事前予想(+8.7%)と6月末8.6%いずれも下回った。融資増加ピッチが前月(2兆1200億元)から鈍化し、銀行融資に企業の債券発行等を加えた7月『社会融資規模』は1兆600億元と増加したが、伸びは前月3兆6700億元から縮小、中国信用サイクルの転換が中国経済先行き減速を示唆している。

 

欧州市場ではユーロ圏6月鉱工業生産が公表:予想:前月比+0.4%

5月実績は前月比∸1.0%だった。食品や衣類など非耐久消費財の生産が減少したことが要因となった。6月については、5月に減少した反動が予想されるが、それでも増加に留まる見込みとなっている。

 

トルコの地域におけるプレゼンスが高まる

エルドアン大統領のインタビューでは、アフガニスタン情勢やイランやイラクからの不法移民について、またソーシャルメディアに対する監視体制などが述べられた。さらに、アフガニスタン和平のために、同国で勢力を拡大する反政府武装勢力タリバンのリーダーと話し合う用意があると述べた。米軍が今月末までにアフガニスタン撤収を進めるなか、北大西洋条約機構(NATO)同盟国であるトルコの地域におけるプレゼンスが高まっている。

 

南アランドは米金利や株式市場の動向次第の値動き

先週末こそは南アフリカ発のニュース(内閣改造で財務相が辞任)でランドは売られたが、先月の大規模な暴動以後を振り返ると、同国ニュースや経済指標で相場が動意づいたのは極僅かである。本日も南アからは主だった経済指標や政治的なイベントも予定されておらず、米金利や株式市場の動向を見極めながらの値動きになる。

 

米7月CPIの伸び鈍化でインフレに一服感

労働省が発表した7月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.5%となった。伸びは6月+0.9%から鈍化し、2月来で最小となった。前年比では+5.4%だった。伸びは縮小予想に反し6月と同水準を維持した。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ動向を判断する上で重要視している食品やエネルギーを除いたCPIコア指数は前月比+0.3%と、伸びは6月+0.9%から予想以上に鈍化し、3月来で最小となった。前年比では+4.3%と、予想通り、6月+4.5%から伸びが鈍化した。インフレが鎮静化し始めたとの見方に米国債相場は堅調となり、10年債利回りは1.37%から1.34%まで低下した。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.8%)
○15:00   4-6月期英GDP速報値(予想:前期比4.8%/前年比22.1%)
○15:00   6月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比9.4%)
○15:00   6月英製造業生産高(予想:前月比0.4%)
○15:00   6月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:91.00億ポンドの赤字/4.00億ポンドの黒字)
○16:00   6月トルコ鉱工業生産(予想:前月比2.1%)
○18:00   6月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比10.4%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:19.00%で据え置き)
○21:00   6月インド鉱工業生産(予想:前年同月比13.5%)
○21:30   7月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比7.3%)
       食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比5.6%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:37.5万件/288.0万人)
○13日02:00   米財務省、30年債入札
○13日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.50%に引き上げ)

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