FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:終日上値の重い展開

朝方に安く始まった後、プラス圏に切り返したが上値は重く、前日終値を挟んだ動きとなった。米雇用統計の発表や国内の3連休を前にした週末で調整売りが出やすく、積極的にポジションをとる動きは限られた。また、新型コロナウイルスの感染状況の悪化は投資家心理の重荷となり、日経平均は下げる場面もあった。結局、前営業日比91円高の2万7820円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:本邦輸入勢からのドル買いで強含み

ドル/円は、日経平均株価の上昇を眺めたドル買い・円売りと三連休を控えて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが、仲値にかけて通常より多く持ち込まれたことで、109.88円付近まで上昇した。ただ、一転して日経平均株価が上げ幅を縮めたことから、これ以上上値を追う展開とはならなかった。仲値発表後は、日経平均株価やアジア主要株価を睨みながら109.80円台で小動きとなった。午後のドル/円は、週末要因と今晩発表される7月米雇用統計を控えて動意に乏しい展開となり、109.80円台を中心とする狭いレンジでの取引に終始した。ユーロ/ドルもドル/円と同様に7月米雇用統計待ちの姿勢から、1.1820ドル台で動意の薄い展開となった。

 

英中銀の早期の金融引き締め観測強まる

英中銀は金融政策決定会合で、政策金利を0.10%、債券購入プログラム規模を8950(国債8750/社債200)億ポンドに据え置くことを市場の予想通り決定した。ただ、債券購入プログラム規模の維持決定を巡り、7対1となり、ソーンダース委員が債券買い入れの減額を主張したため、若干タカ派に転じたとの見方が強まった。
英国経済は新型コロナウイルス変異株感染拡大で、経済活動再開が遅れた。しかし、ジョンソン政権のワクチンプログラムの推進が奏功し活動再開に拍車がかかっており、中銀も中期の経済見通しにおいて、より強い自信を表明した。需要が今年、来年に向けてさらに強まると見ている。金利ガイダンスも『中期的インフレを抑制させるためにいくらかの引き締めが必要である』に修正した。英中銀は現在2.5%近辺の消費者物価指数(CPI)が今年末ごろにインフレが4%まで上昇すると見ており、年末に向けて中銀がタカ派色を強めるとの見方が強まりつつある。2022年の第3四半期、第4四半期の利上げ予想が強いが、万が一、経済が予想以上に強まった場合、さらに前倒しで引き締めが行われることがリスクになり、ポンドの上昇につながりやすい。

 

南アの内閣改造の影響を見る展開

ムボウェニ南ア財務相は財政再建に対して厳しい態度で臨んでいたため、国外投資家からは一定の評価を得ていた。その反面で厳しい財政政策により、国内ではムボウェニ氏を敵視する勢力も多かったのも事実である。ラマポーザ南ア大統領は先月の暴動もあり、国民の怒りを鎮めるために財務相の辞任を受け入れたのかもしれない。新財務相にはアフリカ民族会議(ANC)の経済開発小委員会の委員長を長い間務めていたゴドンワナ氏が就任した。前財務相のように財政に対してどの程度厳格化できるかは未知数で、一部では昔ながらのANCの経済的思考が強いという見方も出ている。新財務相のスタンスを確かめる必要がある。

 

米労働市場の改善を示す結果

労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比-1.4万件の+38.5万件となった。予想の38.3万件を小幅上回ったものの2週連続の減少で40万件も下回った。前回分も40.0万件から39.9万件へ下方修正された。失業保険継続受給者数は293万人と、前回329.6万人から減少し、昨年パンデミックにより経済が封鎖された3月中旬以降初めて、300万人を下回った。労働市場の改善を示す結果を受けて米長期金利が上昇したことでドルが堅調に推移した。

 

パウエルFRB議長の後任候補:ブレイナード理事

民主党の急進左派から22年2月に任期を迎えるパウエルFRB議長の後任候補に金融規制論者のブレイナードFRB理事『昇格』説が浮上すると共に8月ジャクソンホール会合を契機としたパウエル議長『レイムダック』説がまことしやかに囁かれている。ジャクソンホール会合でパウエル再任説の雲行きが怪しくなれば、金融規制強化のブレイナード理事「議長昇格説」が米株「8月相場」を揺るがしかねない。

 

米国市場では7月雇用統計が公表

エコノミストの平均予想によると、失業率は6月の5.9%から5.7%に低下し、非農業部門雇用者数は87万人増と、5月の85万人増から伸びが拡大する見込み。労働市場の改善が示されると予想されている。一方で、先行指標の中で雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は前月比+33万人と、伸びは予想や6月分のほぼ半分にとどまったため、一部ではネガテイブサプライズに警戒感も強まり始めた。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比7.9%)
○15:45   6月仏貿易収支(予想:62.00億ユーロの赤字)
○15:45   6月仏経常収支
○21:30   7月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化17.75万人/失業率7.4%)
○21:30   7月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化87.0万人/失業率5.7%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.8%)
○23:00   7月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00   6月米卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○23:00   6月米卸売在庫(予想:前月比0.8%)
○7日01:00   7月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○7日04:00   6月米消費者信用残高(予想:230億ドル)

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