FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好決算銘柄を中心に物色した買い優勢

日本株は寄り付きこそ日経平均株価はマイナスで始まったものの、好決算銘柄を中心に物色されて全般は切り返しに転じた。ただ、戻り売りが警戒されるなど上値は重く、保ち合い相場が続いた。また、NYダウ先物や上海株式市場の小高い推移が投資家心理の安心感につながった。結局、前営業日比144円高の2万7728円と3日ぶりに反発して終了した。7月第4週の海外投資家は579億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:新規手掛かり材料難から109円半ばでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価が堅調に推移していることがドル買い・円売りを誘い、109.61円付近まで小幅上昇した。さらに、本日は五・十日にあたり仲値前後にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、109.69円付近までじり高に推移した。その後も、緩やかなドル買い基調が続き、109.72円付近まで上値を伸ばした。午後は、新規手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.65円を中心とするもみ合い相場となり方向感を欠く展開となった。ユーロ/ドルは、1.1830ドル台で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

久しぶりにエルドアン・トルコ大統領が利下げ催促

先週水曜日にトルコ南西部で発生した山火事は、一部の地域では消火活動が追い付かず被害は拡大している。エーゲ海に面した火力発電所にも火の手は迫っており、周辺住民は避難を急いでいると報じられた。リゾート地での災害拡大は、回復が期待された観光業にとって大きなダメージとなり、リラの買い難さにも繋がる。ところで、昨日のNY終盤に、エルドアン・トルコ大統領が『金利が下がればインフレは緩やかになる』と発言したと伝わってきた。市場では『インフレ指標の上振れを受け、トルコ中銀がタカ派スタンスを強化するのではないか』との見方が出つつある中、久しぶりにエルドアン大統領がけん制してきた。大統領の金融政策への口出しは『中銀の独立性』を揺るがせることになり、当然ながらその国の通貨の重石になる。

 

南アでは内閣改造が話題:後任者次第では動意づく可能性も

南アの国内ニュース等での市場の反応は限られているが、南アでは内閣改造がもっぱらの話題になっている。現時点では新型コロナウイルス対策が失敗していることで保健相の交代や、暴動の責任追及もあり複数の閣僚交代の可能性があるのではと報じられている。もしムボウェニ南ア財務相が交代するようなことになった場合は、後任者次第ですがランド/円が動意づくこともあるかもしれないので、注意をしておきたいところである。

 

メキシコでは新規感染者数が増加

メキシコでは新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が1万8911人まで増加している(3日時点)。感染者の6割超がデルタ株ということもあり、さらに感染拡大が進む可能性もある。病床ひっ迫による医療崩壊が避けられていることから、メキシコ政府は行動制限などを行っていないが、今後の動向にも注目される。

 

6日に米7月雇用統計が公表:ネガティブサプライズに警戒

米国の労働省はワシントンで6日に最新7月雇用統計を発表する。先行指標の中で雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は前月比+33万人と、伸びは予想や6月分のほぼ半分にとどまった。パンデミックを受けて、雇用統計よりも労働市場の状況をより正確に反映しているとされる週次失業保険申請件数も再び40万件台に増えており、なかなか、失業者が減少しない。一方で、全米の製造業やサービス業動向を示す、ISM製造業・非製造業の雇用はそれぞれ、52.9、53.8と、6月に活動の拡大と縮小の境目である50を割り込んだのち、再び50台を回復していることはエコノミストの雇用改善予想を後押した。先行指標も強弱まちまちの結果で不透明感が広がる中、雇用統計のネガティブサプライズにも警戒される。

■市場予想:失業率:5.7%(6月5.9%)非農業部門雇用者数:前月比+87万人(+85万人)民間部門雇用者数:前月比+70.9万人(+66,2万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.9%(+0.3%、+3.6%)

 

FRB当局者での金融緩和縮小の見解は一致せず

米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は4日、米経済が新型コロナウイルス禍から驚異的なペースで回復していることを踏まえると、2023年に利上げが可能になる公算が大きいとの見方を示した。この日は、セントルイス地区連銀のブラード総裁とダラス地区連銀のカプラン総裁が、テーパリング(量的緩和の縮小)の早期着手を提唱。総合すると、FRBが予想より速いペースで景気支援を縮小させる公算があることが示された。クラリダ副議長はピーターソン国際経済研究所でのオンライン討論で『利上げに必要な条件は22年末までに満たされると確信している』と表明した。『23年に政策正常化を開始することは、こうした条件の下で、柔軟かつ新たな平均インフレ目標の枠組みと完全に一致する』と語った。FRBの政策を巡っては、ウォラー理事がこのほど、向こう2回分の雇用統計で自身の予想通りに雇用がそれぞれ80万─100万人増加すれば、FRBは10月までに量的緩和措の縮小に着手する可能性があると予想した。一方、ブレイナード理事は、緩和の縮小には国内労働市場の一段の改善が必要だと指摘した。パウエル議長は先週、利上げ検討には程遠いとの認識を示している。

 

米国市場では6月貿易収支が公表:予想:-714億ドルの赤字

5月実績は-712億ドルの赤字だった。米国経済の正常化に伴う輸入増加の影響で貿易赤字幅は拡大した。6月については輸出入額の増加が予想されているが、需要増加に備えて輸入額は5月実績を上回る可能性があるため、貿易赤字幅縮小の可能性は低いとみられる。

 

欧米イベント

○15:00   6月独製造業新規受注(予想:前月比1.9%/前年同月比22.9%)
○15:45   6月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.6%)
○17:30   7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:64.0)
○20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○20:00   MPC議事要旨
○20:30   7月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   6月カナダ貿易収支(予想:6.8億カナダドルの赤字)
○21:30   6月米貿易収支(予想:741億ドルの赤字)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:38.4万件/326.0万人)
○23:00   ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○6日01:00   7月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○6日05:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

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