FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ウイルス感染拡大が警戒され上値の重い展開

新型コロナウイルスの感染拡大が警戒される中で、引き続き好決算銘柄が物色されている。朝方は売り優勢で始まったが、上海や香港株などアジア株式市場が堅調となったことが好感され、前場中盤から下げ渋る動きになった。結局、前営業日比57円安の2万7584円と続落して終了した。信用評価損益率は7月30日申し込み時点でマイナス10.03%と、前週のマイナス9.65%からマイナス幅が0.38ポイント悪化した。悪化は2週連続となった。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで一時109円割れ

ドル/円は、米国で感染力に強い新型コロナウイルス変異株の新規感染者が急増しているため、米景気の減速を警戒したドル売り・円買いが入り、108.93円付近まで下落した。日経平均株価のさえない動きも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、前日の海外市場でつけた安値108.88円に接近すると下げは一服した。その後は、国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、109.10円付近へ値を持ち直した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.05円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.1870ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場ではユーロ圏6月小売売上高を公表:予想:前月比+1.5%

非食品や自動車燃料の販売増加が寄与した。新型コロナウイルス感染対策の規制緩和を受けて個人消費はやや堅調となった。6月については、ユーロ圏経済の改善によって自動車燃料の需要は増える可能性があるため、前月比プラスとなる見込み。

 

トルコの消費者物価指数は予想上回る:利下げ見通しは後ずれ

7月トルコ消費者物価指数(CPI)は前月比/前年比ともに市場予想を上回り、特に前年比は18.95%と2019年4月以来の水準まで伸び率が加速した。インフレ指標の結果を受けて、一部の大手米銀行は、秋ごろからと予測していたトルコ利下げの見通しを後ずれさせている。カブジュオール・トルコ中銀総裁が先週『政策金利は物価動向を鑑みて決定される』と述べていたことで、中銀は引き締めスタンスを継続または強化しなければならないとの見方が強まったようである。エルドアン・トルコ大統領は現在、南西部の山火事への対応で忙しいため、金利や物価についての発言は伝わってきていない。ただ、大統領が利下げを望む考えに変わりはないはずであり、再び中銀のタカ派スタンスをけん制するようなことがあれば、実質金利マイナスへの警戒感が高まる。

 

南アランドは国内情勢よりも国外要因に影響を受けやすい

南アの経済情勢や政治などの動きに反応が鈍くなってきている。先月は投資会社の南アへの投資比率引き下げや暴動などで、南ア発のニュースで上下したが、今月は南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)も開かれないことで、南ア国外要因で右往左往することになる。

 

メキシコの製造業PMIは改善方向

7月のメキシコ製造業PMIは49.6となり、前月の48.8から改善を示した。これで17カ月連続で好不調の分水嶺とされる50.0を下回った格好となったが、昨年4月に35.0まで低下して以来、同国の製造業PMIは着実に改善基調を辿っており、来月には50台の回復も期待できる状況である。また、中国自動車メーカーのビッグ5の1つである長安汽車がメキシコ市場に参入することを発表した。直近4月に発表した昨年の決算では売上高はコロナ禍のなかでも前年比20%前後と好調な結果を残すなど、150年以上続く長い歴史がありながらも、現在も順調な経営を続けている企業である。昨年は様々な種類の自動車を200万台以上生産したが、同企業がメキシコでも生産を拡大させることでメキシコの自動車産業も活発化し、国内景気先行きには明るいニュースとなっている。

 

米労働市場の改善を示唆すると予想

米労働省はワシントンで6日に7月雇用統計の発表を予定している。市場エコノミストは非農業部門雇用者の増加や失業率の低下と、労働市場の改善を示唆すると予想している。企業主からは、適切な従業員の雇用が非常に困難になっているとの悲観的見解も目立っている。一方で、1000万人近くが依然失業中である。パンデミックによるサプライチェーンの混乱や政府のパンデミック救済策の一環の失業者特別支援策が労働者の雇用復帰を妨げていると見られている。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁はブログの中で、無数の要因が労働供給を妨げていると指摘している。その要因として、1、パンデミックの影響で、学校の再開が遅れ、一部オンライン授業が続いているため、女性の雇用復帰が遅れていること、2、人々の新型コロナ感染への脅威が根強いこと、3、失業者特別優遇措置、などを挙げた。

 

欧米市場イベント

○15:45   6月仏財政収支
○16:50   7月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:57.0)
○16:55   7月独サービス部門PMI改定値(予想:62.2)
○17:00   7月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:60.4)
○17:30   7月英サービス部門PMI改定値(予想:57.8)
○18:00   6月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比1.7%/前年比4.5%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:15   7月ADP全米雇用報告(予想:69.5万人)
○21:30   6月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比5.5%)
○22:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○22:45   7月米サービス部門PMI改定値(予想:59.8)
○22:45   7月米総合PMI改定値
○23:00   7月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:60.5)
○23:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○5日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:5.25%に引き上げ)
○英中銀金融政策委員会(MPC、5日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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