FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:朝高のあと徐々に伸び悩む展開

前日の米国株式市場の上昇を好感して、寄り付きから300円を超えてしっかりとなったものの、4連休を控えて次第に模様眺めとなり、徐々に伸び悩む展開になった。結局、前営業日比159円高の2万7548円と6日ぶりに反発して終了した。信用評価損率は16日申し込み時点でマイナス8.15%と、前の週のマイナス8.48%からマイナス幅が0.33ポイント縮小した。改善は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から109円台後半でもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、109.98円付近まで上昇した。ただ、心理的節目の110.00円に接近すると上げは一服した。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが入り、109.85円付近へ下落した。午後は、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、109.90円を挟んで方向感に乏しい値動きが続いた。4連休を控えていることもあり、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

22日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催

予想は、金融政策の現状維持とみられている。ECBは2%のインフレ率を設定し、一時的なオーバーシュートを容認している。ECBは現行の金融緩和策を長期間維持する可能性が高いとみられており、ラガルド総裁の会見では金融緩和策の早期縮小について否定的な見解が提示される見込みである。

 

23日欧州市場では7月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

市場予想は62.1で、参考となる6月実績は63.4だった。製造業の景況感は6月実績を下回る見込みだが、60超の高い水準を維持する可能性が高い。経済活動の拡大によってユーロ圏の景気回復は継続していることを示唆する数字になるとみられる。

 

スペインでコロナ感染者急増

スペインで19日、先週16日以降に確認された新型コロナウイルス感染者数が6万1628人と、大幅に増加したと発表された。多くの英国人観光客が休暇にスペインを訪れ、コロナ禍で打撃を受けた観光業界に希望が見えた矢先の発表だった。業界団体によると、英国が今月8日、ワクチン接種済みの帰国者に対する10日間の隔離義務を19日から撤廃すると発表して以来、スペインへの航空便予約が4倍に増加した。スペインのビーチにはワクチン接種済みの英国人観光客が押し寄せている。しかし、スペインでは感染者が増加し、一部地域で外出禁止措置が再度導入されている事態から、ドイツとフランスは国民にスペインへの渡航自粛を勧告している。

 

トルコへロシアからの観光客が流入:感染による先行き不透明感高まる

トルコ観光業にとって最優良顧客であるロシアは、6月下旬からトルコへの渡航を解禁した。夏のバカンスシーズンに入り、地中海側の人気観光都市には多くのロシア人が訪れているとの報道も見受けられる。トルコの主要産業であり、重要な外貨獲得手段でもある観光業の回復は、経済全体にとっても希望の光にみえる。ただ、良い面ばかりでもない。一部トルコメディアは、エーゲ海沿岸に位置するトルコ第3の都市イズミルの医療関係者の話として、ロシアからの観光客流入が新型コロナウイルス感染者数の増加に繋がっている可能性を報じている。特に世界的に広がっているデルタ株の広がりが目立つ。デルタ株感染の拡大が予想されるなか、トルコ政府の科学委員会メンバーの1人は、国内の新規感染者数増を抑え込むことは難しく、8月に感染ピークを再び迎えるとの見解を示した。トルコでも他国同様に感染による今後の先行き不透明感は高まりつつあり、景気回復の腰折れ懸念がリラの重しとなる。

 

南アでは6月の消費者物価指数(CPI)が公表

欧州前半に発表される6月南ア消費者物価指数(CPI)の結果には注意しておきたい。5月CPIは前年比で2018年以来となる5.2%まで伸びが加速し、南ア準備銀行(SARB)のインフレ・ターゲット(3-6%)中心値を上回った。6月分は前回から伸びがやや鈍化したが、中心値を再び上回る4.8%程度と予想されている。明日のSARB金融政策委員会(MPC)を控え、CPIが予想より上振れした場合は利上げ期待が高まるかもしれまない。ただし、CPI上昇による利上げ期待は、本来ならばランド/円の買い要因ではあるが、今回はどの程度反応できるか判断が難しいところである。先週の南アフリカ国内での暴動を見てもわかるように、同国では失業や貧困に喘いでいる中でのインフレ上昇は、決してポジティブとは言えない。

 

今後は米住宅着工件数が減少する可能性を示唆

商務省が発表した6月住宅着工件数は前月比+6.3%の164.3万戸と、予想159.0万戸を上回った。3月来で最高となった。一方、住宅着工件数の先行指標となる6月住宅建設許可件数は前月比-5.1%の159.8万戸と、5月168.3万戸から予想外に減少。昨年10月来で最小となり、今後、住宅着工件数が減少する可能性が示唆された。

 

23日の米国市場では7月マークイットサービス業PMIが公表

参考となる6月実績は64.6だった。ワクチン接種の普及によって対面型サービス業の企業活動を拡大しており、米国経済は正常化に向かいつつあることから、7月の指数は6月実績と同水準かわずかに上回る可能性がある。

 

欧米市場のイベント

○17:00   6月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比4.8%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:30   EIA週間在庫統計
○22日02:00   米財務省、20年債入札
○インド(イスラム教犠牲祭)、トルコ(犠牲祭)、休場

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