FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:寄り付き後は様子見ムード強く伸び悩み

前日の米国株式市場での上昇を好感し、200円超上昇して始まった。景気敏感株を中心に買いが先行した。ただ、寄り付き直後に高値をつけた後は伸び悩む展開になった。週末で手控えムードが強まったほか、7月から企業決算の発表を控えていることも様子見ムード姿勢を強めた。本日は5月の米個人消費支出(PCE)の発表を控えていることもあって、一方向に持ち高を傾ける動きは限られた。結局、前営業日比190円高の2万9066円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:短期筋のドル利食い売りで上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、110.99円付近まで上昇した。しかし、前日につけた約1年3ヵ月ぶりの高値111.11円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、本邦輸出勢などがドル売り・円買いに動き、110.85円付近へ軟化した。週末を控えた短期筋の利食い売りも観測された。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向を睨みながら、110.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩は米FRBが物価統計として重視している5月米個人消費支出(コアPCEデフレーター)の発表が予定されているため、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1940ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラは外貨準備高改善もリラの支えにならず

トルコ中銀は18日時点の外貨準備高を発表し、グロスでは前週から8.3%拡大したが、リラの支えとはならなかった。6月金融政策決定会合の議事要旨で、短期的にはインフレが乱高下すると指摘されたことが嫌気された。トルコ中銀は引き締めスタンスを継続しているが、エルドアン・トルコ大統領が主張していた『7、8月の金利引き下げ』を市場は危惧しているように見える。なお、24-25日にブリュッセルで開催される欧州連合(EU)首脳会議では、ロシアが主要議題であり、12月のようなトルコ制裁について時間がさかれることはなさそうである。また、欧州への難民流入を防ぐためトルコが多くのシリア難民を受け入れている件については、EUからトルコへの追加支援金が非公式ながら決定される。


 

メキシコ中銀の想定外の利上げ

メキシコ中銀が24日に金融政策決定会合を開き、政策金利を4.00%から4.25%へ引き上げることを決定した。利上げの理由について『インフレは一時的であると考えているものの、リスクをもたらす可能性がある。インフレを目標の3%前後に収れんするためには金融引き締めが必要と判断した』とある。インフレ高については6月までという従来の認識を維持しながらも、その後のインフレリスクについて懸念していることから予防策としての利上げだったことが窺われる。経済見通しについては『3月に大きく回復し、4月はペースが緩やかになった』と前回からの認識を維持したが、『今年の残りで強い回復が再開する』という文言が追加され、景気見通しには強気な見解を示した。 また、声明の最終段落である今後の金融政策については、『インフレが目標に収束するように必要な措置を講じる」と一言一句前回と変わらない表現をした。今回、サプライズ的な利上げを行ったにもかかわらず、景気見通し判断を引き上げ、今後の追加利上げについても否定しなかったことからも発表後も利上げ観測は後退しないままとなっている。

 

米インフラ計画前進で景気見通し改善

米国のバイデン大統領は超党派上院議員と、5790億ドル規模のインフラ計画を巡る骨子で合意したと発表した。国道、橋など、交通関連の整備に3120億ドルを費やす計画。市場では、大規模なインフラ計画が米国経済の回復にさらに拍車をかけると期待されている。ただ、具体的な内容は明らかになっていない。今後、どうのように資金を調達していくかでも合意が必要になる。共和党は、2017年の減税法案を修正しないことを合意の条件にしている。大統領はガソリン税や電気自動車の使用料などの引き上げをしないとしている。また、インフラ計画が年俸40万ドル以下の納税者の何ら負担とならないと強調した。共和党上院のマコーネル院内総務も新たな案を支持するかどうかを明らかにしていない。さらに、増税が必至となった場合は、今後の成長を抑制する可能性には懸念が残る。

 

FRBは銀行の自社株買いと配当金の制限解除へ

米連邦準備理事会(FRB)は24日、大手金融機関を対象に実施したストレステスト(健全性審査)の結果を公表した。銀行が十分な資本を保有していることが判明したため、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)を受け導入した自社株買いと配当金支払いの制限を30日付で解除する。今回のストレステストで、最も厳しいシナリオの下、大手金融機関23社が被る損失は合計4740億ドルになると試算した。こうした厳しい状況下でも、大手金融機関はFRBが要請する水準の倍以上の資本金を維持できることが分かった。この結果、FRBはパンデミックの初期に導入した自社株買いと配当金支払いの制限を解除する。

 

米国市場では5月PCE価格指数が公表

5月消費者物価コア指数は前年比+3.8%で市場予想を上回った。原材料価格の上昇や各種サービス価格は持ち直していることから、5月のPCEコア価格指数の上昇率は4月実績の前年比+3.1%を上回る可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○15:00   7月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲4.0)
○17:00   5月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比8.5%)
○19:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30   5月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
       5月米個人所得(予想:前月比▲2.5%)
       5月米PCEデフレーター(予想:前年比3.9%)
       5月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.6%/前年比3.4%)
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:86.5)
○23:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○26日00:35   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○26日02:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○26日04:00   ウイリアムズ米NY連銀総裁、講演
○スウェーデン(夏至祭)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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