★日経平均株価:手掛かり材料に欠ける中わずかに反発
前日の米国株式市場がまちまちとなり手掛かり材料に欠ける中、NYダウ先物上昇やドル/円が111円近辺の円安基調で推移したことが追い風となった。来月から4-6月期の企業決算を控え、一部企業では業績の上方修正が予想されるため、市場では投資家のセンチメントは悪くないとの声が聞かれた。ただ、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が増加傾向になっていることから、緊急事態宣言解除後のリバウンドと五輪前の感染拡大が警戒されており、上値を追いづらいとの声も聞かれた。結局、前営業日比0.34円高の2万8875円とほんのわずかに反発して終了した。6月第3週での海外投資家は、2週ぶりに1394億円の買い越しとなった。
★東京外国為替市場:本邦輸出勢からのドル売りオーダーで上値重い
ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられて一時111.11円まで上昇し、昨年3月以来の高値を付けた。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことも、リスク先行の円売りを誘った。ただ、高値警戒感から上値では利食い売りも見られ、111.00円を挟んだもみ合い相場となった。午後に入ると、東京市場では久しぶりの111円台ということもあり、本邦輸出勢などからドル売り・円買いが持ち込まれ、一時110.81円付近まで軟化した。英中銀金融政策委員会の結果発表を控えたポンド/円のポンド安・円高が波及した面もあった。ユーロ/ドルは1.19ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★海外投資家は2週連続で売り越し
財務省が24日発表した対外及び対内証券売買契約などの状況(週間、指定報告機関ベース)によると、海外投資家は13~19日に日本株を2週連続で売り越した。売越額は1915億円だった。16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表などを受け、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化に想定委所うに前向きとの見方から米国株が売られ、日本株にも売りが優勢になった。
★トルコ中銀の通貨スワップ設定協議の進展報道
報道によれば、外貨準備高不足に悩むトルコ中銀は、複数の中銀と通貨スワップ枠の設定に向けての協議を活発化させている。まずは、アゼルバイジャン中銀との通貨スワップ締結が間近としている。設定額などは明らかにされていない。またその他にもマレーシアや韓国などのアジア諸国の中銀や、ロシアや英国とも話し合いが進んでいるとされた。石油や天然ガスなどが主要輸出品であるアゼルバイジャンと近年、トルコは関係強化を進めている。同国との通貨スワップ締結となれば、エネルギーを輸入に頼るトルコにとって外貨不足を補う大きな助けとなる。ただそのスワップ規模が金融市場を安心させる額となるかは疑問が残るところである。他では、イスラム教徒が大多数を占めるマレーシアからの協力は得られやすいかもしれない。また、このところ経済・軍事と結びつきを強めつつあるロシアの中銀と締結にこぎ着けられたならば、中銀の規模からしてもトルコにとってはかなりの朗報である。英中銀との話は昨年も出ており、こちらは市場の期待を高めるためのブラフ(はったり)かもしれず、情報には用心深く対応する必要がある。いずれにしても、トルコ中銀の外貨準備高不足は深刻な状況だということが想像できる。
★南アの5月CPIは高止まりとなり今晩の5月のPPI発表に注目
昨日は久々に南アの経済指標でランドが動意づいた。消費者物価指数(CPI)が2018年以来となる高水準になり、南ア準備銀行(SARB)の目標とする3-6%のインフレ・レンジ上限に近づいている。昨年の5月がパンデミック禍で困難な状況だったことを考慮すると、CPIの上昇は予想されていた。しかしながら、一昨日はハンガリーが利上げをし、米国も早期のテーパリングが話題になっていることもあり、SARBに対する利上げ期待も高まる可能性がありランド/円を支える要因となる。本日注目されるのは5月の南ア卸売物価指数(PPI)となる。通常はCPIほどは市場の注目は集まらないが、昨日のCPIのような高インフレの結果となった場合は、再びランド買いになる可能性がある。なお、市場予想は前年比で+7.4%程度と予想されている。
★メキシコ政府はEV投資に消極的
メキシコ経済の主軸となっている自動車産業だが、メキシコ国内でも海外の流れに沿う形で電気自動車(EV)向けの投資が目立つようになってきた。米GMはメキシコ国内にEV製造向けの工場を建設することを発表するなど、大手自動車会社が積極的に事業拡大に乗り出しているが、メキシコ政府はEV投資に消極的であることから、他国と比べて市場拡大が進むかどうかは不透明との声が多い。
★米経済は前例のない強い成長を示唆
マークイットが発表した米国の6月製造業PMI速報値は62.6と、5月62.1から低下予想に反して上昇し、2018年に統計開始以降で最高となった。一方、サービス業PMI速報値は64.8と、5月70.4から予想以上に低下した。また、総合PMI速報値は63.9と、5月68.7から低下した。 マークイットのチーフエコノミストによると、PMIは6月の米国経済がさらに目覚ましい成長を続けたことを示唆しており、第2四半期国内総生産(GDP)の前例のない成長をけん引すると楽観的となった。製造業やサービス業ともに、新規受注のピークは過ぎたが、多くは容量制約が響いているとした。ペースの鈍化は冷え込みつつある経済というよりも需要の急増に対する供給が追い付かないことが依然要因となっていると説明した。第2四半期の経済の成長ペースはピークをつける可能性があるが、インフレがピークをつけるかどうかはあまり保証できないとしている。
★米国市場では5月耐久財受注が公表
4月実績は-1.3%だった。半導体の供給不足が続いている自動車・同部品の受注が主に減少した。ただ、企業設備投資の先行指標となる『航空機を除く非国防資本財』(コア資本財)は2ヵ月連続でプラスとなった。5月については4月に減少した反動で全体の受注額は増える見込みだが、半導体の供給不足はしばらく解消されないことから、市場予想を上回る大幅な受注増となる可能性は低いとみられる。
★欧米市場イベント
○15:45 黒田東彦日銀総裁、あいさつ
○未定 6月月例経済報告
○15:45 6月仏企業景況感指数(予想:110)
○17:00 6月独Ifo企業景況感指数(予想:100.6)
○18:30 5月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比7.3%)
○20:00 英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○20:00 MPC議事要旨
○20:00 5月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.47%)
○20:30 パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30 1-3月期米GDP確定値(予想:前期比年率6.4%)
○21:30 1-3月期米個人消費(確定値、予想:前期比年率11.4%)
○21:30 1-3月期米コアPCE(確定値、予想:前期比年率2.5%)
○21:30 5月米耐久財受注額(予想:前月比2.8%/輸送用機器を除く前月比0.8%
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:38.0万件/347.0万人)
○22:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 ウイリアムズ米NY連銀総裁、討議に参加
○25日00:30 シュナーベルECB専務理事、講演
○25日02:00 米財務省、7年債入札
○25日02:00 ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○25日02:00 カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○25日03:00 メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.00%で据え置き)
○欧州連合(EU)首脳会議(25日まで)
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