FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:材料に乏しくこう着感が強い

ほぼ横ばいから始まった後、序盤は上値を試しに行って上げ幅を3桁に拡大した。しかし、2万9000円台に乗せたところで天井感が出てきて上値が重くなった。その後は値を消したが、下げに転じるところでは買いが入り、次第に前日終値近辺でこう着感が強まった。結局、前営業日比9円安の2万8874円で終了した。6月18日申し込み時点の信用評価損率はマイナス8.76%と、前の週のマイナス7.9%からマイナス幅が0.86ポイント悪化した。悪化は5週間ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:新規材料乏しく110円台後半でもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、110.85円付近まで上昇した。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、3月31日に付けた年初来高値110.97円が視野入りすると上げは一服した。その後は短期筋による利益確定などのドル売り・円買いが入り110.75円付近でもみ合い相場となった。午後は、新規手掛かり材料に乏しく110.80円前後で小動きになった。ユーロ/ドルは、フランやドイツの6月購買担当者景気指数(PMI)速報値を見極めたいとのムードが広がり、1.19ドル台前半で小動きに終始した。

 

欧米市場では6月マークイットユーロ圏製造業PMIを公表

5月実績は63.1だった。経済活動の正常化によって、新規受注は増加傾向にある。欧州中央銀行(ECB)による大規模な金融緩和策は製造業を支援している。ユーロ圏の雇用情勢を改善しつつあることから、6月は5月実績に近い数値になるとみられている。

 

トルコ中銀の外貨準備高枯渇への懸念がリラの重石

昨日は、為替相場全般に円安の流れが強まり、一昨日は反応鈍かったリラ/円もさすがに追随せざるを得なかった。『米国の早期利上げ』に対する警戒感が緩み、ドル/リラがドル最高値に届かず弱含んだこともリラ/円を押し上げた。しかし、トルコ中銀の外貨準備高枯渇への懸念は依然としてリラを買い難くさせる要因である。先週は中国人民銀行(中央銀行)と通貨スワップ枠の拡大で合意したことが発表されたが、市場は不十分と捉えてリラ買いの反応は限定的だった。今後、他の中銀と通貨スワップ枠を設定できるかどうかが、準備高不足をしのぐためには必要となってくる。

 

南アの6月消費者物価指数が公表:早期利上げの思惑も

南アの消費者物価指数(CPI)はが発表される。市場予想では前年比で2018年以来となる4.9%まで上昇するとされている。昨年がパンデミック禍で困難な状況だったとはいえ、予想通りや予想を上回った場合は、南アのインフレ=早期利上げ期待でランド買いになる可能性がある。ただ、今月は南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)は予定されておらず、次回のMPCは7月22日に開催される。

 

米長期債券に再び資金が流入:米WSJ

米長期債を買い急ぐ動きがここにきて目立ってきた。背景には、インフレ高進を懸念する米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の対応に踏みきり、成長鈍化や長期金利の低下につながるとの読みがある。ここ数日の米国債相場では、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた金利先高観を反映し、短期債の利回りが上昇(価格は下落)した。一方で、長期債の利回りは低下(価格は上昇)した。目先の金利上昇が景気回復を鈍らせ、長期的には金利が低下するとの観測が広がっているためである。これを受け、米国債相場では利回りカーブのフラット化が進んでいる(ただ、21日の市場ではこの流れがわずかに反転した)。

 

米5月中古住宅販売は供給不足で4カ月連続で減少

全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月中古住宅販売件数は前月比‐0.9%の580万戸と、4月585万戸から減少し6月来で最小となった。在庫不足で、販売が伸びず4カ月連続の減少したが、市場予想は上回った。パンデミックの影響で住宅市場がほぼ閉鎖した前年に比べ44.6%増した。在庫不足が引き続き販売を抑えているが、同時に、価格の上昇で、値ごろ感が後退した。最初の住宅購買にも影響を与えている。5月末の在庫は123万戸と、前年から20.6%減。平均の販売ペースは平均で2.5カ月となる。
需要の急増に対して、供給が非常に低く、価格を大幅に引き上げた。中間価格は前年同月比で23.6%増の35.03万ドル(約33万円相当)で統計開始後の最高値を更新した。また、上昇率も過去最高と記録した。

 

米国市場では6月マークイット製造業PMIを公表

5月実績は62.1だった。米国製造業活動の正常化を受けて指数は60超で高止まりとなる可能性があり、市場予想は妥当な水準である。各種経済活動の拡大によって新規受注は良好であり、7月も61程度を維持する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:15   6月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:59.0)
○16:15   6月仏サービス部門PMI速報値(予想:59.4)
○16:30   6月独製造業PMI速報値(予想:63.0)
○16:30   6月独サービス部門PMI速報値(予想:55.5)
○16:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:00   6月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:62.1)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:57.8)
○17:00   5月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比5.2%)
○17:30   6月英製造業PMI速報値(予想:64.0)
○17:30   6月英サービス部門PMI速報値(予想:63.0)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   4月カナダ小売売上高(予想:前月比▲5.0%/自動車を除く前月比▲5.0%)
○21:30   1-3月期米経常収支(予想:2068億ドルの赤字)
○22:00   ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:45   6月米製造業PMI速報値(予想:61.5)
○22:45   6月米サービス部門PMI速報値(予想:70.0)
○22:45   6月米総合PMI速報値
○23:00   5月米新築住宅販売件数(予想:前月比0.4%/87.0万件)
○23:30   EIA週間在庫統
○24:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24日01:00   5月ロシア鉱工業生産(予想:前年比10.5%)
○24日01:00   ラガルドECB総裁、講演
○24日02:00   米財務省、5年債入札
○24日05:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○英中銀金融政策委員会(MPC、24日まで)

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