FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:自立反発狙いの買いが優勢

前日の米国株高を好感する流れとなったほか、市場では前日に日本銀行が株式ETFを約2ヵ月ぶりに買い入れたことも安心感につながった。前日に953円安と大きく下げたため、自律反発狙いの買いが優勢だった。また、米利上げ前倒し観測による株売りがやや過剰反応だったとの見方から、幅広い銘柄に買い戻しが入った。結局、前営業日比873円高の2万8884円と5営業日ぶりに反発した。

 

東京外国為替市場:ドル/円はNYカットオプションが控えており小動き

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅反発に支えられ、110.47円付近まで上昇した。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドルの押し上げにつながった。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、110.45円前後で小動きとなった。ドル/円上値には、110.50円にドル売りオーダー、超えるとストップロス買い、24日、25日のNYカットオプションが控えている。一方、下値には、110.00円にドル買いオーダー、23日、24日、25日のNYカットオプションが控えており、NYカットオプションが値動きを抑制している。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に上昇した反動から、利益確定や戻り待ちのユーロ売り・ドル買いに押される展開となり、1.1890ドル付近まで下落した。

 

中国ジャンク債市場では利回り上昇:WSJ

中国の投資不適格(ジャンク)債の利回りが、昨年の市場混乱の終盤以来となる高水準に跳ね上がっている。デフォルト(債務不履行)を巡る投資家の懸念の強まりを示す兆候である。ICEバンク・オブ・アメリカの中国ジャンク債(ドル建て)指数の利回りは先週、2020年5月以来初めて10%を超えた。18日の取引は9.93%で終えた。対照的に、世界の投資不適格級の債券から成る同様の指数では、先週の取引終了時点で利回りが4.57%と、その3日前につけた過去最低利回り(1997年以降のデータ)との差はわずか4ベーシスポイント(bp)となっていた。債券の利回りと価格は反比例する。

 

中国人民銀行は金融機関に仮想通貨取引の取り締まり強化

中国人民銀行(中央銀行)は21日、一部の銀行と決済企業に対し、暗号資産(仮想通貨)取引の取り締まりを強化するよう指示した。仮想通貨取引の決済を直ちにできなくするよう求めたほか、仮想通貨に関連したサービスの提供を禁止した。中国農業銀行は人民銀の指導に従って仮想通貨のマイニング(採掘)や取引を取り締まると表明した。国務院(内閣)が先月、仮想通貨を巡る規制を強化する方針を示してして以降、正式な声明を発表したのは大手国有銀行で農業銀行が初めてとなる。最近行われた人民銀との会合を受けて、同行は仮想通貨の採掘と取引に関連した違法行為を根絶するために顧客を調査すると言明した。

 

4月トルコの短期的な対外債務増加:ドル資金手当ての必要性

トルコ中銀が18日に公表したデータによれば、4月トルコの短期的な対外債務は1440億ドルを超えた。4月末時点から12カ月以内に支払わなければならない債務は昨年比約4.5%増加し、特に金融機関を除く企業の債務増が目立っている。米金利の先高感が強まっているため、今後トルコ国内では(返済のために)ドル資金の手当てを早める動きが広がる可能性がある。トルコ経済にとって明るい材料としては、ロシアがトルコ渡航を解禁した。同国からの旅行者はトルコ観光業界にとって最も重要な顧客であり、夏のバカンスシーズンを控えて業績回復のきっかけが見えてきた。外貨獲得にも繋がり、リラ相場の下支えに繋がるかもしれない。 

 

南アフリカ準備銀行総裁は『南アも正常化に向いている』と前向き発言

クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁が、南アについて『(先進国が金融正常化に動いていることもあり)南アも正常化に(の道に)入るだろう』と発言した。また総裁は『経済は昨年よりも脆弱ではない。経常収支は黒字で、財政収支も予想よりも早く回復していることで、財務省の債務の安定にも役に立つはず』と述べている。
経常黒字の要因としては、南ア経済の縮小で輸入が抑制されている反面、コモディティ価格の上昇で輸出が増加していると指摘した。SARBは経常収支の黒字が、今年の国内総生産(GDP)に約1.3%寄与するとしている。 財政赤字については、歳入が上向いていることがポジティブ要因としている。 南ア経済は、いまだに新型コロナウィルスの感染状況が落ち着かないこと、電力不足、公務員のストライキの可能性もあり、様々な問題を抱えたままである。しかしながらSARB総裁の発言を聞く限り、今後は上向き要素も増えそうである。  

 

米国債入札結果次第で為替変動リスク高まる

今週の米国債市場では、22日から24日にかけて2年債、5年債、7年債の入札が予定されている。2年債や5年債は前週、FRBによるFOMCでの金融緩和見直し地ならしにより、債券価格の急落と金利急上昇が見られていた。債券価格面では割安感が出ており、一定の入札需要があると米債価格反発と金利低下により、ドルの下落材料となる。一方でFRBの利上げ時期前倒しのほか、先行き不透明感もあって、今週の入札では『様子見の見送り』が強まる可能性もある。その場合は米債金利の上昇により、全般的なドル高が持続しやすい。ドル/円はドルが下支えされる一方、対ドルでの非ドル通貨の下落により、クロス円では外貨安と円高の圧力が続く余地が残されている。

 

欧米市場イベント

○16:30   5月スウェーデン失業率
○17:30   5月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.1%)
○18:15   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○23:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00   6月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲3.0)
○23:00   5月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.4%/年率換算572万件)
○23:00   6月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:18)
○23:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○24:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○23日02:00   米財務省、2年債入札
○23日02:30   シュナーベルECB専務理事、講演
○23日03:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、議会証言

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