FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:手掛かり材料難でもみ合い相場

前日の米国株式市場が方向感のない展開となり、日経平均は手掛かりを欠く中でもみ合いが続いた。半導体関連などハイテク株が売られた一方、経済正常化への思惑から業績回復期待銘柄への物色が広がり、底堅さも意識された。また、10日の5月米消費者物価指数(CPI)の発表や週末のメジャーSQ算出などイベントを控えて方向感に乏しい展開だった。結局、前営業日比102円安の2万8860円と続落して終了した。信用評価損率は4日申し込み時点でマイナス8.33%と、前週のマイナス8.82%から、マイナス幅が0.49ポイント縮小した。改善は3週連続となった。

 

東京外国為替市場109.45円前後で方向感に乏しい展開

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.40円台を中心とした狭い値幅で推移した。仲値にかけて本邦実需勢の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。午後に入っても、109.45円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。NY時間に予定されているカナダ中銀の政策金利発表や米10年債入札を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.2180ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となった。

 

ビットコインが米政府が規制強化するとの見方から一時失速

情報サイトコインデスクによると、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインが日本時間9日に一時、1ビットコイン=3万1000ドル台まで下落した。5月初旬に米東海外の燃料パイプラインがランサムウエア(身代金ウイルス)による攻撃を受けた。サイバー攻撃の身代金支払いにビットコインが使われたことで、米政府が暗号資産への規制強化をするとの見方が出た。

 

昨日欧州時間ではシステム障害

欧州時間に世界中のメジャーなウェブサイトに接続できないという事態が発生した。アマゾンやCNN、BBCやNYTなどのサイトが一斉にダウンするという異常事態にリスク回避で反応した。米10年債利回りが一時1.5111%まで急低下したほか、NYダウ先物が下落幅を広げると一時109.27円まで値を下げる場面もみられましたが、アジア時間の安値109.20円にも届かないことを確認した市場は109.51円まで買い戻してNY市場を引けることになりましたね。FBIがパイプラインへのサイバーテロにかかる身代金として支払われたビットコインをダークサイドから奪取したことが話題となったばかりである。市場ではその報復として『再びサイバーアタックされたのでは』との憶測が台頭したのも致し方のないことだったのかもしれない。ただ、結局はファストリーというクラウドサーバーを管理している大元のシステム障害だったことが判明した。すぐにも修復されて事なきを得たといったところである。

 

中国では少子高齢化に伴う国力の低下は大きな脅威

中国が5月に発表した国勢調査によると、2020年の出生数は約60年ぶりの低水準となった。中国は2015年に『一人っ子政策』を廃止し、『二人っ子政策』を導入したが、出生数の減少傾向が続いている。GDPが近い将来に米国を上回り世界一になる可能性が高まっているが、少子高齢化に伴う国力の低下は大きな脅威となっている。中国の少子高齢化は先進国よりも深刻な問題となっており、中国人民銀行(中央銀行)は人口構造の変化に伴って『経済の停滞や物価下落、資産価格のデフレ』の懸念が高まると警告している。2020年の国勢調査では、15-59歳の『生産年齢人口』の総人口に占める比率が63.4%と、10年前の前回調査と比べ6.8ポイント低下した。労働力確保が急務となり、当局は早期の対応が不可欠と判断し、夫婦が3人まで子どもをもうけることを認める方針を示した。

 

トルコリラは原油高で経常赤字の拡大は避けられない

原油価格の高止まりはエネルギーを輸入に頼るトルコにとっては悩みの種である。昨日のNY原油先物は約2年8カ月ぶりの高値で引け、このままでは通貨安に繋がる同国経常赤字の拡大は避けられない。また、エネルギー価格の高騰はトルコ運輸産業の収益を圧迫しかねず、同国株の上昇を鈍らせることにもなる。

 

南アの1-3月GDPは好結果でもランドは利益確定売り

注目された1-3月期国内総生産(GDP)は前期比では市場予想を上回る好結果だったが、指標発表前にランドが買われていたこともあり、指標発表後は僅かにランドが買われた後は利食い売りに押された。なお、GDPは主に鉱業や貿易産業がけん引した。

【昨日の指標結果】        (結果)   (前回) 
1-3月期南アフリカGDP(前期比年率)+4.6%    +2.5%
1-3月期南アフリカGDP(前年同期比)-3.2%    -3.2%

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独貿易収支(予想:163億ユーロの黒字)
○15:00   4月独経常収支(予想:230億ユーロの黒字)
○19:00   4-6月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:37)
○20:00   5月メキシコCPI(予想:前月比0.17%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:0.10%で据え置き)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   5月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.71%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○23:00   4月米卸売売上高
○23:00   4月米卸売在庫(予想:前月比0.8%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○10日02:00   米財務省、10年債入札

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