FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:戻り待ちの売りに上値の重い展開

米国株高の流れを受けて続伸して開始した。半導体関連株などグロース株が買われ、一時2万8500円台後半に上昇した。足元の水準は急落前のレンジの下限付近でもあり、戻り待ちの売りが厚く伸び悩んだ一方、好決算銘柄を中心とする物色が支えとなり、高値圏でのもみ合いが続いた。東京都などで発令中の新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言について、31日までの期限が延長されるとの観測が重荷となり、上値を追う動きが限られた。結局、前営業日比189円高の2万8553円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:持ち高調整のドル売り先行

ドル/円は、前日のNY市場でFRB当局者からインフレについてハト派的な内容の発言が伝わり、米国の金融緩和政策が長期化するとの思惑から、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて108.68円付近まで軟化した。欧州景気の回復を期待したユーロ/ドルのユーロ高・ドル安が波及した面もあった。ただ、21日につけた108.62円が下値の目処として意識されると下げは一服した。その後は、値ごろ感からのドルを買い戻す動きも見られ、108.75円付近までもみ合いとなった。午後は様子見ムードが強まり108.75円付近で方向感に乏しい展開になった。ユーロ/ドルは、夕方に発表される5月独IFO景況感指数を前にユーロ買い・ドル売りは一服、1.2225ドル前後で小動きに終始した。

 

中国金融当局の厳しい禁止措置により暗号資産相場の行方

報道によると、中国金融当局は5月18日、銀行と決済企業による暗号資産関連サービスについて、従来よりも厳しい禁止措置を発表した。この措置が嫌気され、市場関係者によると、暗号資産全体の時価総額は一時的に1兆ドル程度減少した可能性があったとみられている。暗号資産相場の大幅下落は米国株式にも大きな影響を与えた。ただ、一部の市場関係者は『中国当局の措置によって暗号資産市場と中国本土のマイニング活動が大きく妨げられる可能性は低い』と指摘している。市場関係者や専門家の間からは『中国当局は個人投資家を保護するとの理由で規制を強化しているが、銀行が暗号資産関連の取引を特定することは困難であり、暗号資産関連サービスの決済件数を正確に把握することは無理だろう』との声が聞かれているが、中国政府による取り締まり強化に対する警戒感は消えていない。

 

トルコの観光客数の前年比大幅増加も復活に至らず

昨日発表されたトルコの4月外国人観光客数は前年比で3162%増と非常に大きな上昇幅を記録した。ただしこれは、昨年のパンデミック禍で落ち込み度が最大だった時期と比較したためであり、決してトルコ観光業が復活したということではない。実際の人数をみると、先月トルコを訪れた外国人は79万人台であり、3月の約90万人にも届かなかった。最大の顧客ロシアからの航空便が先月半ばから運航停止となったことが痛手になった。パンデミック前を振り返ると2019年4月外国人観光客数は330万人弱であり、トルコ観光業が当時の状態に戻るまではまだ遠い道のりと言える。トルコにとって外貨を獲得するための重要産業のため、その書き入れ時の夏を前にし、新型コロナウイルス感染状況の一日も早い改善が待たれる。昨日発表された1日あたりの新規感染者数は7523人と、先週後半から1万人を下回っての推移は明るい材料である。

 

格付け会社が南アの格付け据え置きでランドの支え

週末にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチの両格付け会社は、南アの格付けを据え置いたこともランドの支えになっている。S&Pは南ア長期外貨建て債を『BB-』で見通しを安定的、ランド建て債格付けを『BB』に据え置き、見通しを安定的とした。また、改革のペースの遅さとワクチン接種の動きが鈍いことが大きなリスクとした。フィッチは『BB-』の格付けと、見通しはネガティブとしました。州財政は大幅改善したことを好感したが、公共部門の賃金据え置きができるかが疑わしいことと、アフリカ民族会議(ANC)のマガシュール書記長の停職など、ANC内の内紛がリスクとしている。

 

チリの氷河保護法案成立なら銅生産は40%減少の可能性も

チリ議会に提出された、氷河の近くでの鉱山操業を制限する法案について、世界最大の銅生産会社であるチリ銅公社(コデルコ)が同社の銅生産量の40%を失う可能性があるとする書簡を議員に送った。地元紙エル・メルクリオが報じた。氷河保護法案は、2018年初頭に初めて議会に提出された。議会委員会で法案が検討され、数週間以内に手続き上の採決を行う見通し。法案賛成派は、同国の氷河はすでに温暖化の影響を受けており、産業活動からの保護が早急に必要と主張している。

 

米国市場では5月CB消費者信頼感指数が公表

4月実績は121.7に上昇した。新型コロナウイルスのパンデミック直前の昨年2月以来の高水準だった。5月については、ワクチン接種進展やサービス産業の営業再開などが好感されそうだが、雇用情勢は大幅に改善されていないことやインフレ進行がやや警戒されており、信頼感指数はやや低下する可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   1-3月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲1.7%/前年同期比▲3.0%)
○15:00   1-3月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲3.3%)
○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:98.2)
○20:00   4月メキシコ貿易収支(予想:15.00億ドルの黒字)
○20:40   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○21:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○22:00   3月米住宅価格指数(予想:前月比1.2%)
       1-3月期米住宅価格指数
○22:00   3月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比12.3%)
○23:00   4月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲4.5%/97.5万件)
○23:00   5月米消費者信頼感指数(予想:119.4)
○23:00   5月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:19)
○23:00   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、米上院銀行委員会で証言
○23:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○26日01:00   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○26日01:00   4月ロシア鉱工業生産(予想:前年比6.5%)
○26日02:00   米財務省、2年債入札
○欧州連合(EU)首脳会議(最終日)

 

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