FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:先物主導で上げ幅拡大

米国株の下落は悪材料視されず、寄り付きから3桁の上昇した。早い時間に28000円台に乗せると、そこからは買いに勢いがついた。投資家心理の一段冷え込みが回避され商品投資顧問(CTA)等が先物に買いを強めて上げ幅は拡大した。また、これまで決算発表に対する警戒感が株価の重石になっていたが、発表シーズンが終了となったことで上ふたが取れる格好となり、好業績銘柄を注視に買いが活発化した。結局、前営業日比582円高の2万8406円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台前半でもみ合う展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅反発がリスク選好の円売りを誘い、109.28円付近まで小幅に上昇した。しかし、前日にクラリダFRB副議長が早期の量的緩和縮小に否定的な見解を示したこともあり、ドル買い・円売りは続かなかった。その後は、原油先物価格の上昇を眺めた資源国通貨やオセアニア通貨に対するドル安が波及、109.10円台へ下落した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.10円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.2165ドルを挟んで小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の実質GDPの年度下げ幅は最大:リーマン危機を上回る下げ幅

内閣府が発表した2021年1-3月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比1.3%減、年率換算で5.1%減となった。大都市圏を中心とする1月の緊急事態宣言発令で個人消費が落ち込み、3四半期ぶりのマイナス成長に陥った。2020年度の実質成長率は4.6%減となり、年度ベースの下げ幅はリーマン危機時を上回り比較可能な1995年度で最大だった。

 

欧州市場では、1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値が公表

速報値は前年比∸1.8%、前期比でもマイナス成長となった。ユーロ圏諸国における経済制限措置が導入されていたことから、個人消費や企業設備投資などは弱含みとなっており、速報値が上方修正される可能性は低いとみられる。

 

トルコの今後の懸念材料

原油相場が堅調推移しているが、トルコは石油を輸入に頼っており、通貨安要因とされる経常赤字の拡大が懸念される。トルコ当局は、19日に燃料価格の上限規制を撤廃すると発表した。今後のインフレ加速に繋がりかねず、リラを買い難くさせている。また、イスラエルとパレスチナの交戦が激化するなか、イスラエル支持を譲らない米国とパレスチナを支援するトルコの関係悪化も危惧される。米国の反対で国連安保理が機能しておらず、国際世論はバイデン米大統領に不信感を持ち始めたようにみえ、そうなるとエルドアン大統領の勢いが増すかもしれない。

 

南アの経済活動のマイナス要因

週末に、南アで話題になったは7つの異なる電力発電所の10台の発電ユニットが故障し、電力制限が再び日曜(16日)から始まり、本日南ア時間22時までステージ2の負荷制限の実施が決定されたことである。今後の経済活動にはマイナス要因となる。なお、いまだに続く政府と南ア公務員組合(PSA)の労使(賃金)交渉だが、週末15日に再交渉が始まった。PSAはこのまま交渉がすれ違いのままの場合は、6月の第2週目からストライキを行うことを示唆している。

 

顧客が米国株を5週ぶりに買い越し:BofAセキュリティーズ

BofAセキュリティーズの18日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は10~14日の1週間に米国株を19億1300万ドル買い越した。5週ぶりに買い越しに転じたことになる。この週は米消費者物価指数(CPI)を受けてインフレ懸念が高まったことで、S&P500 指数が週間で1.38%安となって3週ぶりに下落した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が3億2900万ドルの売り越しで、2週ぶりの売り越し。機関投資家は12億1000万ドルの大幅買い越しで、5週ぶりに買い越しに転じた。個人投資家は8900万ドルの小幅売り越しで、2週連続の売り越しだった。企業の自社株買いは11億2100万ドルで、4週移動平均(8億6100万ドル)を上回って活発だった。

 

米国市場では米5月NY連銀製造業景気指数は11ヵ月連続で活動拡大

米5月NY連銀製造業景気指数は24.3と、4月26.3から低下したものの、予想の23.9は上回った。パンデミックの影響を受けた経済封鎖で昨年3月から6月までの4カ月間、ゼロを割り込みマイナスとなり、活動の縮小を示したあとは、7月以降11カ月連続で活動の拡大を示している。主要項目である新規受注が15年ぶり高水準となり、指数を押し上げた。仕入れ価格は83.5、販売価格は37.1と、過去最高を記録した。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00   1-3月英失業率(ILO方式、予想:4.9%)
○17:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○18:00   1-3月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比▲0.6%/前年比▲1.8%)
○18:00   3月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済187億ユーロの黒字)
○21:30   4月米住宅着工件数(予想:171.0万件、前月比▲2.0%)
         建設許可件数(予想:177.0万件、前月比0.6%)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、ラムスデンBOE副総裁、講演
○19日00:05   カプラン米ダラス連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○欧州連合(EU)財務相理事会

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