FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:投資家心理が弱気に傾き下げ幅拡大

米国株安を受けても前日急落の反動で高く始まり、開始早々には上げ幅を200円超に拡大した。しかし、買いは続かず失速してマイナス圏に沈むと、見切り売りが加速して一気に下げ幅を広げた。ハイテク株からの資金流出が顕著になるなか、先物主導で日経平均も下げ幅を拡大した。日本株はこれまで最高値圏にあった米国株と比べて相対的な出遅れ感もあった。しかし、新型コロナウイルスの感染者数が足元でも増加基調にあるうえ、ワクチン普及もままならないとあって、海外勢からの日本株売りが出やすくなっているという指摘もあった。台湾株の下落もあいまって午後に下げ幅を700円超に広げる場面もあった。投資家心理が弱気に傾いたことで、ハイテク株だけでなく海運や石油、鉄鋼といった景気敏感株にも売りが出た。前営業日比461円b安の2万8147円と大幅続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避でも108円台後半でもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、108.90円近辺へじり高となった。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。しかし、前日につけた108.99円が上値の目処として意識されると上げは一服した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、108.85円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、今晩発表される4月消費者物価指数(PMI)を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが一巡すると、1.2120ドル台で方向感に欠ける値動きになった。

 

欧州市場では3月ユーロ圏鉱工業生産が公表

2月実績は前月比∸1.0%だった。資本財、エネルギー、耐久消費財の落ち込みが目立った。3月については反動増が予想されていること、経済活動の部分的な再開などによって鉱工業生産の持ち直しが予想される。

 

ECBの債券購入早期縮小との見方を否定:仏中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は11日、ECBが異例の債券買い入れを早期に縮小し始める可能性があるとの見方は『全くの憶測』だと述べた。ビルロワドガロー氏は、ECBが近いうちに債券購入の縮小を決断できると指摘したECBタカ派メンバーの最近のコメントに反発した。ECBは新型コロナウイルス危機対策のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を少なくとも2022年3月まで継続すると約束している。

 

海外からのトルコへの直接投資は大幅減少:新規感染者減少は好感

2020年世界投資レポートによれば、19年の外国からトルコへの直接投資は840億ドルと前年比35%も減少した。投資減速は『通貨リラの価値低下、インフレの高止まり、トルコ経済の低迷、中東情勢の不透明感』などが主な要因としてあげられ、また世界経済の不確実性もトルコ投資を鈍らせた。 ただ、トルコでは、先月29日から全域でのロックダウン(都市封鎖)が実施されている。その効果もあり、新型コロナウイルスの新規感染者数は1日あたり1万3000人台と4月半ばの6万人台、ロックダウン直前の4万人台から減少してきた。制限措置はまもなく終了予定とされており、エルドアン大統領が目指す5000人前後に近づくことができるか注目される。新規感染者の減少によってトルコリラには、好材料となる。

 

南ア国債へ海外からの投資資金流入

南アからの報道によると、先週の米雇用統計発表後に米金利低下したことで、海外投資家が約52億ランドの南ア債を購入したとされる。この規模は昨年11月以来となるもので、今後も南ア債を購入するフローがでるのではないかと予測され、ランド買いを促しそうである。

 

メキシコ政府と裁判所との対立強まる

昨日にはメキシコ裁判所が炭化水素法の改定案を一時差し止めたとの報道が伝わった。同法案はロペスオブラドール大統領による国営エネルギー企業の保護政策の一環として、国営石油会社ぺメックスへの優遇を強める内容となっており、先月にメキシコ連邦議会が可決していた。メキシコの裁判所は国営電力公社CFEを保護する目的で進められた電力産業法の改正案も3月に差し止める判断を下しており、エネルギー市場での公平性などを巡って裁判所と政府の対立はさらに強まることになる。

 

米国市場では4月消費者物価指数コア指数が公表

各種産業における原材料価格の上昇や、サービス部門における需要は増加傾向にあることから、コアインフレ率は節目の2%を超える可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月英国内総生産(GDP、予想:前月比1.5%)
○15:00   1-3月期英GDP速報値(予想:前期比▲1.6%/前年比▲6.1%)
○15:00   3月英鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%/前年比2.9%)
      製造業生産高(予想:前月比1.0%)
○15:00   3月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:144.00億ポンドの赤字/48.66億ポンドの黒字)
○15:00   4月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.7%/前年比2.0%)
○15:00   1-3月期ノルウェーGDP(予想:前期比▲0.4%)
○15:45   4月仏CPI改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○16:30   4月スウェーデンCPI(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
        コア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.4%)
○18:00   3月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年比11.6%)
○18:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18:05   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   3月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.5%)
○21:00   3月インド鉱工業生産(予想:前年同月比17.6%)
○21:30   4月米CPI(予想:前月比0.2%/前年比3.6%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比2.3%)
○22:00   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:05   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○13日02:00   米財務省、10年債入札
○13日02:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○13日02:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○13日03:00   4月米月次財政収支(予想:2200億ドルの赤字)

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