FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価指数:明確な材料が見当たらないなか大幅下落

米長期金利上昇への懸念からハイテク株が売られた前日の米国株安の流れを受け、安く始まった後も下げ幅を拡大した。市場では、明確な材料が見当たらない中で下げ過ぎの印象がある一方で、米消費者物価指数(CPI)の発表を12日に控えており、米金利動向への警戒感も根強いとの見方も聞かれた。結局、前営業日比909円安の2万8608円と大幅に反落して終了した。4月第4週の海外投資は184億円の買い越しとなり、3週間ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いもあり108円台後半でもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、108.98円付近まで上昇した。しかし、前日の欧州市場でつけた高値109.05円が意識されると上げは一服した。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたリスク回避の円買いも見られ、108.90円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、108.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。NY時間に予定されているFRB要人による講演や米3年債入札を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは1.2145ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

2020年の中国の国勢調査:人口増加傾向

中国国家統計局は、2020年に実施した国勢調査の結果を発表した。2020年の人口は14億1178万人と、10年の前回調査から5.38%増えた。年平均増加率は0.53%だった。2019年の14億9000万人と比べても増加した。都市部の人口は9億199万人と全体の63.89%を占めた。農村人口は5億978万人だった。10年比で、都市部は2億3641万人増加した一方で、農村人口は1億6436万人減った。

 

スコットランド議会選は独立支持派が過半数:独立への道は険しい

6日のスコットランド議会選はスコットランド政府を率いるスコットランド民族党(SNP)が単独過半数に1議席届かなかったが、独立支持派の緑の党と合わせて議会の過半数を獲得した。英国政府に対して改めて独立の是非を問う住民投票の再実施を求めているが、ジョンソン首相はこれを拒否している。コロナ禍を克服し、関連法案を審議する来年前半にかけて、投票再実施を巡る緊張が再燃しよう。英国政府が投票実施を拒否し続ける場合、スコットランド政府が採り得る手段としては、
1 法廷闘争に持ち込む、 2 諮問的な投票を実施する、 3 法的な裏付けのない投票を強行すること が考えられる。スコットランド独立への道は険しい。

 

トルコの経済指標発表

本日は3月トルコの経常収支と鉱工業生産が発表される。経常赤字は前月から増加することが確実視されており、鉱工業生産も前月比で前回プラスからマイナスに転じると見込まれている。リラの地合いがなかなか強まらない中で、予想から悪化した場合の市場の反応には注意が必要である。

・16:00 3月トルコ経常収支(予想:38.0億ドルの赤字)
・16:00 3月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%)

 

南アフリカのポジティブ材料にランド下支え

堅調な株式市場の動きだけではなく、鉄鉱石先物、銅、などのコモディティ価格の上昇もランド買いを促している。南アの輸出の三分の一がコモディティが占めていることで、ランド高は南ア経済にとっても支えとなる。また、先週末にムーディーズが南アの格付けレビューを行わなかったことで、格下げリスクが当面はなくなったこともランド買いの追い風となっている。一方、政府と南ア公務員組合(PSA)の労働交渉ですが、現時点では交渉成立も不成立の報道も流れていない。

 

銅の強気相場は勢い止まらず:投資熱継続の見込み

1年にわたる工業用金属の強気相場で銅は最高値を更新したが、投資家からの資金流入は続いており、投資熱はすぐには衰えそうにない。『今は買いをやめるな』というのがウォール街からのメッセージで、ゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)などは、新型コロナウイルス禍からの世界的な回復と再生可能エネルギーや電気自動車関連インフラへの支出急増で長期的に相場が上昇するとの見通しから、投資家にポジションを拡大するよう助言している。

 

ベイデン米大統領は職探しの努力を促す:失業給付と雇用の遅れは無関係

バイデン米大統領は10日、ホワイトハウスで演説し、失業者に対する手厚い失業給付がかえって雇用回復を遅らせているとの批判に対し、『それを示す証拠はない』と反論、制度継続の重要性を強調した。ただ『自分に合った仕事のオファーがあれば、給付を受け続けることはできない』と指摘し、失業者に復職や職探しの努力を促した。バイデン政権は同日、州が支給する失業給付に連邦政府が週300ドル(約3万3000円)を上乗せする制度に関し、『適切な仕事』が提示された場合は受給対象から外れる原則を確認した。また、受給者に職探しを続ける義務を徹底する方針を明示した。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   3月トルコ経常収支(予想:38.0億ドルの赤字)
○16:00   3月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.5%)
○18:00   5月独ZEW景況感指数(予想:72.0)
○18:00   5月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:00   4月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.30%)
○23:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○12日00:30   クノット・オランダ中銀総裁、講演
○12日01:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、質疑応答に参加
○12日01:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○12日02:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○12日02:00   米財務省、3年債入札
○12日02:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○12日03:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○12日03:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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