★日経平均株価:本邦企業決算発表控え様子見ムード
前週末の4月米雇用統計の結果が市場予想を大きく下回ったことで、米金融緩和の長期化観測が買い安心感に繋がった。NYダウ先物がプラス圏で推移するなどが下支えとなった。しかし、週内に主要企業決算や内外経済指標の発表を控え、様子見ムードが強かったほか、国内の新型コロナウイルス感染拡大が重荷になった。結局、前営業日比160円高の2万9518円と3日続伸して終了した。信用評価損率は4月30日申し込み時点でマイナス8.75%と、前の週(マイナス8.71%)からマイナス幅が0.04ポイント悪化となり、2週連続となった。
★東京外国為替市場:108円台後半でもみ合い相場
ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りや米長期金利上昇に支えられ、108.91円付近まで上昇した。日経平均株価の上げ幅が一時300円を超えた超えたこともリスク選好の円売りを誘った。しかし、7日に発表された4月米雇用統計が予想外に低調な数字となり、FRBによる金融緩和政策は長期化するとの観測から上げは一服した。その後は、短期筋による利食いも見られ、108.90円前後でもみ合い相場となった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、108.80円台を中心とした狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。
★前週のFX概況ではドル買い比率は上昇
前週末7日時点の店頭のFX6社合計(週間)の建玉状況によると、FX取引で円に対するドル買いの比率は62.9%と前の週末から7.4ポイント上昇した。4月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、前週末にかけて急速な円高・ドル安が進み、相場の流れに逆らう『逆張り』戦略が多いとされる個人投資家の円売り・ドル買いが増えた。
★トルコでは3月の失業率が公表:ロックダウンの延長の有無にも注目
前回は13.4%と昨年後半から年始にかけての数値から悪化した。パンデミック禍で政府は企業に対し一時解雇の禁止を命じているが、労働市場の悪化を止めることはできていない。若年層(15―24歳)の失業率も2月は27%に迫るなどまったく改善されず、人々の不満は高まるばかりである。また、先月29日からトルコ全域で始まったロックダウン(都市封鎖)措置は17日までとされている。ただ、新規の新型コロナウイルス感染者数は、エルドアン大統領が目標とする1日あたり5000人には程遠い状態である。今週中にもロックダウンを延長するか否かの決定が下されると思われ、政府発表が注目される。
★南アフリカの不安要素:労働交渉と債券格付けの更新
週末に政府と南ア公務員組合(PSA)の労働交渉が行われたが、いまだに話が平行線をたどったままで、ストライキの可能性もあることが南アのネガティブ要素である。また、株価がほぼ一本調子で上昇していることで、若干バブル気味なことを指摘する市場参加者が多くいる。バブルがはじけることにも気を付けておきたい。これらのネガティブ要素が注意深く見ながら、交渉が決裂しない・バブルがはじけないのであれば上値トライが続く可能性がある。また、7日に予定されていた格付け会社ムーディーズ社の南ア債格付け(現在投資適格より2ランク低いBa2)の更新は、デンマークやイタリアなど複数の国同様に発表していない。同社は『更新はされず』という発表だけを通知した。次回の発表は11月19日になるが、同社は信用状況や重大な変更があった場合は、他の日に格付けを発表するとしている。
★メキシコ中銀の金融政策発表には注意:インフレ加速に対する姿勢に注目
今週は日本時間14日3時にメキシコ銀行(中央銀行)の金融政策発表が控えており、注意が必要となる。前週末に発表された4月メキシコ消費者物価指数(CPI)は前年比で6.08%の上昇となり、2017年12月以来の水準まで伸びが加速した。3月の4.67%上昇や中銀のインフレ目標(3%の±1%)上限も大きく上回る結果となり、足もとのインフレ加速に対する中銀の姿勢に注目が集まっている。中銀は今年2月に0.25%の利下げを実施するなど、現状では金融緩和局面にある。3月の会合では金利据え置きを決めたが、中銀はその際にも『(据え置きは)利下げ局面の終了を意味するものではない』との見解を示していた。今週の会合では4.00%での金利据え置きが見込まれているが、同時に公表される声明文で金融政策方針に変化が見られるか注意する必要がある。
★米木材高騰:1年で6倍の衝撃
米国で品不足が原因で木材価格が高騰している。超低金利に新型コロナウイルス禍での在宅勤務普及が重なり米国で住宅ブームが発生した。木材需要が予想外に膨れ上がり、価格は約1年で6倍に高騰した。米国では資材高で新築住宅の価格や家賃が上昇し始めており、日本にも輸入木材の価格高騰や調達困難の形で『ショック』が波及している。
★米ガソリン先物が3年ぶり高値:パイプラインへのサイバー攻撃
米ガソリン先物が9日の取引で3%超上昇し、1ガロン=2.217ドルと2018年5月以来の高値を付けた。米パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインが、サイバー攻撃を受けて操業を全面的に停止したことが材料になっている。ジェット燃料やディーゼル燃料の価格を反映する米ヒーティングオイル先物は、2020年1月以来の高値に上昇した。コロニアル・パイプラインは、メキシコ湾岸の製油所と米東部と南部を結ぶ全長8850キロのパイプラインである。ガソリンを含む燃料を1日250万バレル輸送している。
★半導体不足深刻化で米自動車部品メーカーは減産警告
米国の自動車部品メーカーは、世界的に半導体不足が深刻化する中、自動車大手による追加減産を警告した。半導体不足は、需要が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で打った底から回復しつつあるという、自動車メーカーにとっては不都合なタイミングで起きた。低金利に加え、健康が危機にさらされる中で消費者が個人的な交通手段を好むようになった需要回復の要因である。部品各社はまた、半導体不足による打撃は少なくとも来年まで続く可能性があると警告した。
★欧米市場イベント
○15:00 4月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比3.1%)
○16:00 3月トルコ失業率
○11日03:00 エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○ロシア(戦勝記念日の振替休日)、休場
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