FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好決算銘柄が下値を支える展開

朝方に安く始まった後に持ち直し、プラス圏に浮上した。その後もじりじりと上昇した。ただ、大型連休や重要イベントを控えて模様眺めムードが意識された。決算を発表したファナック、デンソーなどの銘柄が上昇し、相場の下支えとなった。先物に散発的に買いが入り、午後はやや上げ幅を広げた。結局、前営業日比62円高の2万9053円で小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りでも109円を意識

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、108.95円付近へ値を上げた。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、心理的節目の109.00円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向を睨みながら、108.85円前後で取引された。NY時間に予定されている米FOMCの結果発表やバイデン米大統領の施政方針演説を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.20ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米トルコ間の関係悪化の警戒感は緩む可能性:アフガニスタン和平協議

バイデン米大統領が、第一次世界大戦中にオスマン帝国(現トルコ共和国)で起きたアルメニア人への殺害行為を『ジェノサイド(民族虐殺)』と認定したことについて、トルコ議会も強い抗議の声を上げている。エルドアン大統領も、米大統領の認識は両国関係を妨げるものだとし、認定撤回を求めた。ただ、エルドアン大統領は、6月に予定されている米トルコ首脳会談では『全ての意見の相違を話し合い、両国関係の新しいドアを開く』『見解の相違を脇に置き、将来的にどのような対応が取れるか検討しなければならない』と歩み寄る姿勢も示している。 米トルコ間の亀裂の深まりが危惧されているが、『まずは話し合う』という方向性が見え始めたことで過度な警戒感は緩みそうである。米側からも、(米政権が一刻も早く進めたい)アフガニスタン和平協議がトルコ無しでは成り立たないため、トルコへの圧力を強めることはできないとも予想される。

 

南アでは公務員との労働争議が暗礁に乗り上げる

南ア政府と公務員の労働争議も暗礁に乗り上げている。ムチュヌ公共サービス・行政相は、賃金交渉の解決について国民に訴えかけた。これに対し、労働組合は国民に共感を得ようとした大臣の行為について非難するなど、関係が悪化している。交渉がこのまま進まない場合はストライキの恐れがあり、南ア経済活動の停滞が懸念されてランド円の重石になる可能性がある。

 

米疾病対策センターはウイルスを巡る指針を改定

米疾病対策センター(CDC)は27日、新型コロナウイルスを巡る指針を改定し、ワクチン接種を完了した人はマスクを着用せず、散歩などの一部の屋外活動を安全に行えるとの認識を示した。屋外であれば、友人など複数の人との飲食や小規模な集まりも可能となる。同時に、スポーツイベントなどの屋外での大規模な集まりや、美容・理容室、映画館、ショッピングモールや礼拝施設などの屋内では引き続きマスクを着用するよう提言した。米国では先週の新型コロナ感染者数は前週比16%減と、2月以来の大幅な減少となった。

 

米インフレが一過性のものか不明:ジェフリー・ガンドラックCEO

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は米インフレについて、金融当局のエコノミストらが伝達しようとしているように『一過性』のものになるのかは不明だとの考えを示した。新型コロナウイルス流行に起因して低い数字となった2020年との比較を一因に、前年比での伸びは高くなるという米金融当局の見方には一理あるが、当局は自らの無制限な金融政策の影響を過小評価している可能性がある。ガンドラック氏は前年比での物価上昇率は最大4%になる可能性もあると指摘する。『インフレがこの先上昇し、一過性にとどまらず数カ月続くことを示唆する指標は多い。米金融当局がそうした見通しをどのように表現しようとするのか見守ることになろうが、彼らは推測している』と同氏は述べた。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催

FRBはFOMCで大規模な金融緩和を維持する見込みである。また、今年の強い回復を見込む一方で、新型コロナウイルス感染やワクチンで不透明感が強く、FRBの目標である最大雇用や持続的な平均2%のインフレ達成には程遠いと、慎重な姿勢を示す可能性が強い。一方で、ブルーンバーグが実施した調査によると、市場エコノミストの3分の2は、FOMCが予想されていたよりも早く、年内に緩和縮小の初期の警告をすることになると見ていることが明らかになった。一部のエコノミストは早くて、7月、または9月のFOMC、8月末に予定されているジャクソンホールでのFRBの年次シンポジウムでテーパリング計画が示唆される可能性を織り込み始めている。どちらにしても、4月会合以降、夏に向けてのテーパリングへの協議がECBと同様に過熱する可能性が指摘されている。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲3.5)
○15:45   4月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:30   2月カナダ小売売上高(予想:前月比4.0%/自動車を除く前月比3.7%)
21:45   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00   ラガルドECB総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○29日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○29日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○バイデン米大統領が施政方針演説(日本時間29日午前)

 

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