FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:金利先行感を警戒した売り優勢

NYダウは63.07ドル安の34751.32ドル、ナスダックは20.40ポイント高の15181.93ポイントで取引を終了した。8月小売売上高や9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の良好な結果を受けて、景気回復期待が再燃して上昇して寄り付いた。しかし、新規失業保険申請件数の増加で雇用や景気回復への懸念がくすぶったほか、金利先高感を警戒した売りに下落に転じた。ユダヤ教の祭日で参加者が限られる中、押し目買いも強く、引けにかけて下げ幅を縮小した。VIX指数は18.18から18.69へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇からドル買い優勢

ドル/円は、8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より良好な結果となったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行し、一時109.83円と日通し高値を更新した。米国株相場が下落しクロス円が軟調に推移すると、ドル円も109.61円付近まで下押しする場面もあったが、米国株が終盤底堅く推移したこともあって下値は限定的だった。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に全般ユーロ安が進んだ流れに沿って、NY時間に入ってもユーロ売り・ドル買いが先行した。良好な米経済指標をきっかけにドル買いが加速すると、一時1.1750ドルと8月27日以来の安値を付けた。市場では『26日投票の独連邦議会選挙(総選挙)の行方に懸念が広がっている』との声が聞かれた。なお、独総選挙については、中道左派の独社会民主党(SPD)が支持率でリードし、中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が追う展開。注目された12日のテレビ討論会でも社民党の首相候補ショルツ財務相が勝利している。ただ、『欧州中央銀行(ECB)の内部インフレモデルでは2年以内に金利引き上げの可能性が示された』との英フィナンシャル・タイムズ紙の報道が伝わると、一時1.1771ドル付近まで強含む場面があった。

 

NY原油先物市場は横ばい:売り買い材料から方向感のない動き

NY原油先物市場は71.53ドル-72.99ドルのレンジ相場となった。 10月限は夜間取引では方向感のない動きだったが、NY入り後はハリケーン『アイダ』の被害を受けた石油関連施設の操業再開が本格化するとの予想から、原油先物価格は一時前日比で1ドルを超えて下げた。しかしながら、NY午後に入ると根強い原油ひっ迫懸念もあり徐々に下げ幅を削り、一時前日比でプラス圏まで回復するなど行って来いの動きとなった。アジア市場で72.99ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて71.53ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台後半で推移した。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇やドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1745.50-1797.30ドルのレンジ相場となった。欧州通貨やオセアニア通貨を中心にドル買いが優勢だったこともあり、ドルで取引される金先物は割高感から上値が重かった。米小売売上高が市場予想を大きく上回ると、米金利の上昇もあり金先物はさらに下げ幅を広げ、大幅に続落して引けた。アジア市場で1797.30ドルまで買われたが、まもなく反落。主要通貨に対するドル高を嫌気して、ニューヨーク市場の序盤にかけて1745.50ドルまで下落した。その後、1758.90ドルまで戻したが、金先物の上値は重いままだった。通常取引終了後の時間外取引では1755ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:良好な米経済指標受け売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.21%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.34%で終了した。8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より強い内容となったことを受けて、債券売りが広がった。 

 

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