FITS エコノミックレポート

1月3日朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:原油価格の持ち直しを好感

NYダウは18.78ドル高の23346.24、ナスダックは30.66ポイント高の6665.94で取引を終了した。低調な中国経済指標が相次いだことで、世界的な景気減速が懸念されて売りが先行した。米政府機関の一部閉鎖が続いていることも相場の重しとなり、一時400ドル近く下落した。ただ、軟調に推移していた原油相場が急伸すると徐々に買い戻しが優勢になった。トランプ米大統領の米中貿易協議に関する発言も相場の支援材料となり、指数はプラス圏を回復した。なお、トランプ米大統領は『12月の株式市場は少し故障していた』などと述べて、足もとの株安については『一時的な相場調整』との見方も示した。ただ、『アップルは第1四半期の売上高見通しを下方修正した』と伝わると、時間外の米株価指数先物が下落した。VIX指数は25.42から23.22へ低下した。

 

NY外国為替市場:世界的景気減速懸念を嫌気してリスク回避の動き

ドル/円は、中国国家統計局が12月31日に発表した12月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)と2日発表の12月Caixin中国製造業PMIがいずれも好況と不況の分かれ目とされる50を下回ったため、世界的な景気減速懸念が広がった。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの見方が出ていることもリスク回避的な円買い・ドル売りを誘い、一時108.71円と5月31日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げる展開に。欧州株相場が持ち直したことや、一時は400ドル近く下落したNYダウが上げに転じたことでショートカバーが優勢になった。対ユーロなどでドル高が進んだ影響も受けて一時109.46円付近まで値を上げた。もっとも、NYダウが引けにかけて失速するとドル/円の上値も重くなった。株式取引終了後に『アップルは第1四半期の売上高見通しを下方修正した』と伝わると、時間外の米株価指数先物が下落し円買い・ドル売りを誘った。109円を再び割り込んで一時104.82円付近まで下押しした。市場では『年初で市場参加者が少なかったこともあり、値動きが荒くなった』との声が聞かれた。 ユーロ/ドルは、独10年債利回りが一時0.149%前後と2016年11月9日以来の低水準を付けたことで全般ユーロ売りが優勢となった。ドル買いの流れが継続した影響も受けて、一時1.1325ドルと12月17日以来の安値を付けた。

 

NY原油先物市場は続伸:サウジの12月原油輸出の減少を好感

NY原油先物市場は一時47.78ドルまで買われた。安値圏での推移が続いていたが、12月の石油輸出国機構(OPEC)産油国の生産量低下などを手掛かりに買い戻しが優勢となった。ただ、世界経済の減速懸念は依然として根強く、需要動向への懐疑的な見方を持つ市場参加者は少なくない。 また、サウジアラビアの12月の原油輸出(中国、米国、日本向け)が減少していると報じられたことや、米国株式の反転を受けて買いが優勢となった。

 

NY金先物市場は反発:世界的な景況感悪化懸念から底堅い買い

NY金先物市場は一時1291ドルと6月15日以来の高値を更新した。米政府機関の一部閉鎖が続いていることや、官民の2018年12月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)がそろって市場予想を下回り、好不況の分かれ目となる50を割り込んだことが世界的な景況悪化を示唆した。米株の下落が先行するなど、市場のリスク回避姿勢の強まりが、安全資産とされる金の価格を押し上げた。米株はプラス圏へ戻したものの、時折マイナスへ転じるなど不安定に上下した。金相場は底堅さを維持して推移した。 

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)2.62%で終了した。2018年1月26日以来の低水準となった。中国の経済指標が低調となるなど世界的な景気減速が懸念されるほか、世界の株式市場が不安定なことから、安全資産とされる米国債に買いが入った。

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