★米国株式市場は続落:米長期金利上昇で割高感が意識され売り優勢に
NYダウは630.15ドル安の29296.79ドル、ナスダックは420.90ポイント安の10652.41ポイントで取引を終了した。9月雇用統計の強い結果が連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ継続を正当化するとの見方に金利が上昇したため売りが先行し、寄り付き後は下落した。さらに、運送会社のフェデックス(FDX)が年末年始の需要に慎重な見通しを示すと、警戒感からさらに売られた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の低調な決算に加え、パイデン政権が中国向け半導体生産用工具の輸出をさらに制限すると発表したため、同セクターが大きく売られ相場をさらに押し下げた。終日、戻りなく安値を探る商状となり、引けにかけ、主要株式指数は一段安となり終了した。米長期金利が上昇したことで、株式の相対的な割高感が意識されたことも売りを誘い、一時780ドル下げた。VIX指数は30.52から31.36へ上昇した。
★NY外国為替市場:強い米雇用統計結果を受けドル買い優勢に
ドル/円は、9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が26.3万人増と予想の25.0万人増を上回り、失業率が3.5%と予想の3.7%より強い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり、米金利の上昇とドル高が進み、一時145.44円と日通し高値を付けた。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強い中、9月22日に付けた年初来高値145.90円がレジスタンスとして意識されると144円台後半まで伸び悩む場面もあった。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、11月1-2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げ確率が前日の約75%から約82%まで上昇した。さらに12月のFOMCでも0.75%の利上げを決める確率が24%程度(前日は7%程度)まで上がった。
ユーロ/ドルは、しばらくは0.9800ドルを挟んだもみ合いの展開が続いていたが、米雇用統計の結果が伝わると米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、一時0.9726ドルと日通し安値を更新した。24時前には0.9791ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍く引けにかけて再び弱含んだ。
★NY原油先物市場は5日続伸:需給ひっ迫の思惑が強まり売り優勢
NY原油先物市場は88.00ドル-93.31ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の主要産油国による枠組みOPECプラスによる大幅減産を後押しとする上昇が継続した。週を通じて続いた上昇で一時93.26ドルと8月30日以来の高値をつけた。ロンドン市場で88.00ドルまで売られたが、ニューヨーク市場では減産調整による需給ひっ迫の思惑が一段と強まり、節目の90ドルを超えて一段高となった。株安の影響はなく、通常取引終了後の時間外取引で93.31ドルまで買われた。
★NY金先物市場は 下落:米長期金利上昇で売り優勢に
NY金先物市場は1698.40-1722.80ドルのレンジ相場となった。米9月雇用統計が底堅い労働市場の状況を示す結果となり、米連邦準備理事会(FRB)が高金利を維持するとの見方を強めた。金利が付かない資産である金の投資妙味が相対的に低下するとの見方が金相場を重くした。米金利上昇によるドル高も、ドルの代替資産とみなされることもある金への投資価値を低下させたり、ドル建て相場の換算値を押し下げたりした。ロンドン市場で1722.80ドルまで戻したが、米9月雇用統計発表後に売りが強まり、一時1698.40ドルまで反落した。ただ、その後はポジション調整的な買いが入ったことで下げ渋り、1715.00ドルまで戻す場面があった。通常取引終了後の時間外取引では1700ドルをやや上回る水準で推移した。
★米国債券市場は続落:良好な米雇用統計の結果受け売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い4.30%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.88%で終了した。良好な9月米雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まると債券売りが優勢となった。
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