FITS エコノミックレポート

週末の朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:強い景気回復を好感した買い優勢

NYダウは144.26ドル高の35208.51ドル、ナスダックは59.36ポイント安の14835.76ポイントで取引を終了した。7月雇用統計が予想を上回り労働市場の順調な回復が証明されたため、寄り付きから上昇した。強い景気回復に向けて投資家の楽観的な見方が強まり、NYダウは終日堅調に推移し、史上最高値を更新して引けた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。一方、金利先高感にハイテク株が売られ、ナスダックは下落した。VIX指数は17.28から16.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米雇用統計を受けドル買い優勢

ドル/円は、7月米雇用統計で非農業部門雇用者数が94.3万人増、失業率が5.4%、平均時給が前月比0.4%上昇/前年比4.0%上昇といずれも予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利が急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まり、ドルを買う動きが活発化した。6月米卸売売上高や同月米卸売在庫が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時110.35円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると、週末とあって次第に値動きが細り、110円台前半での小動きに終始した。なお、市場では『7月26日の高値110.58円や23日の高値110.59円、一目均衡表雲の上限が位置する110.68円がレジスタンスとして意識される』との指摘があった。

 

ユーロ/ドルは、良好な米雇用統計をきっかけにドル全面高の展開になると、ユーロドルにも売りが出て一時1.1754ドルと7月21日以来の安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.84まで上昇した。

 

カナダドルは軟調だった。カナダ統計局が発表した7月カナダ雇用統計で、失業率が7.5%と予想の7.4%より弱い内容となり、新規雇用者数が9.40万人増と予想の17.75万人増を下回ったことを受けた。米ドル/カナダドルは一時1.2581カナダドル、カナダドル/円は87.66円までカナダドル安に振れた。

 

NY原油先物市場:米長期金利上昇とドル高を警戒した売り

NY原油先物市場は67.80ドル-70.18ドルのレンジ相場となった。好結果となった米雇用統計発表後は、米国の経済回復期待で原油の需要が高まるとの声もあり小高く推移した。しかしながら、徐々にドルが買われたため、ドルで取引される原油先物は割高感でじり安となった。7月米雇用統計発表後に70.18ドルまで買われたが、長期金利の上昇やドル高を警戒して67.80ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では68ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の387基となった。

 

NY金先物市場:米労働市場の改善から売り優勢

NY金先物市場は1759.50-1807.00ドルのレンジ相場となった。7月の米雇用統計が好結果となったことで米連邦準備理事会(FRB)の早期テーパリング観測が高まったことで米金利が大きく上昇し、ドルが全面高となったことで、金先物価格は大幅に続落した。米国の景気回復により安全資産とされる金からの資金離れの声が高まっている。アジア市場の取引開始後から売りが優勢となり、米雇用統計発表前に節目の1800ドルを下回った。7月米雇用統計は市場予想を上回る強い数字だったことから、指標発表後に金先物は1759.50ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引で1766.70ドルまで戻したが、戻り売りの興味は残されており、1762ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は大幅下落:米FRBの早期テーパリング観測から売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日0.08%高い1.30%で終了した。7月米雇用統計が好結果となったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まると米国債に売りが出た。 

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