FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:追加経済対策の前進を好感した買い優勢

NYダウは92.38ドル高の31148.24ドル、ナスダックは78.55ポイント高の13856.30ポイントで取引を終了した。朝方発表された1月の雇用統計は予想を下回ったものの、米上下両院はこの日、バイデン大統領が提案した1.9兆ドル規模の経済対策案の枠組みを定めた予算決議をそれぞれ可決した。追加経済対策が成立に向けて前進したことを好感した買いが優勢となり、一時190ドル超上げた。ハイテクも引き続き強く、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新して終了した。VIX指数は21.77から20.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:米1月雇用統計に失望したドル売り優勢

ドル/円は、米上院が今会計年度予算の大枠となる予算決議案を可決したと伝わると、NYダウ先物が上昇幅を拡大した。米国株高を背景に投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが強まったことで、一時105.77円と昨年10月12日以来の高値を更新した。ただ、1月米雇用統計発表後はドル売りが優勢となり、一時105.34円と欧州時間に付けた日通し安値に面合わせした。非農業部門雇用者数は前月比4.9万人増とほぼ予想通りの結果となったが、今週発表の1月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数の好結果を受けて、米雇用統計への期待が高まっていただけに失望売りが出た。前月の数値が下方修正されたことも相場の重石になった。米10年債利回りが一時1.18%台まで上昇すると買い戻しが入り、下げ渋る場面もあったが戻りは鈍かった。
なお、米下院も上院を通過した同決議案を可決した。下院通過により、バイデン米大統領が掲げる1.9兆ドル規模の経済対策案を今後数週間で民主党のみで可決させることが可能になった。

 

ユーロ/ドルは、1月米雇用統計の結果が伝わるとドルに失望売りが広がり、一時1.2050ドルと日通し高値を付けた。足もとで相場下落が続いたあとだけに週末を控えたポジション調整目的の買いも入りやすかった。 

 

NY原油先物市場は5日続伸:需給引き締まり期待継続

NY原油先物市場は56.43ドル-57.29ドルのレンジ相場となった。需給引き締まりの期待を背景に週を通して原油は堅調な動きとなり、この日は為替市場でのドル安・ユーロ高も追い風にドル建ての原油は一段高となった。また、バイデン政権による追加経済対策への期待が強まっていることも、エネルギー需要回復の思惑を強め、原油買いを後押しした。アジア市場から底堅い動きを見せており、米1月雇用統計発表後に57.29ドルまで買われており、中心限月ベースで新型コロナウイルスの大流行前の水準を回復した。ただ、その後は上げ渋った。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の299基となった。

 

NY金先物市場は反発:ドル安・ユーロ高が進んだことを好感した買い

NY金先物市場は1792.20-1816.00ドルのレンジ相場となった。米雇用統計の結果に対する失望から為替市場でドル売り・ユーロ買いが進んだことが、ドル建ての金の割安感につながり、金は買いが優勢となった。アジア市場で1792.20ドルまで下げた後、反転し、ニューヨーク市場で1816.00ドルまで買われた。

 

米国債券市場は下落:米予算決議案の可決を受けリスク選好の売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.16%で終了した。米上下両院が今会計年度予算の大枠となる予算決議案を可決したことで、バイデン政権の追加経済対策が成立に向けて前進した。米国株相場は上昇し、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。10年債利回りは一時1.1859%前後と昨年3月19日以来約11カ月ぶりの高水準を付けた。一方、2年債利回りは一時0.1013%前後と過去最低を付けた。 

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