FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:追加経済対策の早期成立への期待から買い優勢

NYダウは116.26ドル高の30930.52ドル、ナスダックは198.68ポイント高の13197.18ポイントで取引を終了した。次期財務長官に指名されたイエレン前連邦準備制度理事会(FRB)議長は上院指名承認公聴会において、大規模な追加経済対策の必要性を訴えたほか、増税の実施をパンデミック終息後まで先送りする計画を明らかにしたことで安心感が広がり寄り付き直後に一時270ドル超上げた。ただ、この日四半期決算を発表したゴールドマン・サックスが買い先行後、下落に転じたことなどが相場の重石となり、上値の重さも目立った。VIX指数は24.34から23.24へ低下した。

 

NY外国為替市場:全般方向感のない相場展開

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された1月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことが好感されて、NY市場でもユーロ買い・ドル売りが先行した。イタリアのコンテ内閣が議会で信任され、解散総選挙が回避されるとの観測が高まったことも相場の支援材料となり、一時1.2145ドルと日通し高値を付けた。なお、イタリア議会上院はこの日、コンテ内閣を信任したと伝わった。ただ、現物の米国株相場が伸び悩んだうえ、欧州株相場がマイナス圏に沈むとリスク選好のドル売りが後退し、一時1.2116ドル付近まで上げ幅を縮めた。ドイツがロックダウン(都市封鎖)措置を2月14日まで延長したことも相場の重石となった。

 

ドル/円は、次期財務長官に指名されたジャネット・イエレン氏の承認公聴会を控えて、しばらくは104.00円を挟んだもみ合いが続いていたが、一時103.84円付近まで弱含んだ。高く始まった米国株が伸び悩んだうえ、欧州株が失速したことが相場の重石となった。米長期金利が上昇幅を縮めたことも円買い・ドル売りを誘った。なお、イエレン氏は米上院での公聴会で『追加経済対策について積極的に取り組む』と述べたほか、連邦債務の膨張については『パンデミックへの対応が最優先で、債務縮小は将来的な問題』などと指摘した。為替については『ドルおよびその他の通貨の価値は市場によって決定されるべき』『米国は経済的利益のためにドル安を求めない』と語った。もっとも、事前に報道で伝わっていたこともあって相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は反発:経済活動の拡大を期待した優勢

NY原油先物市場は52.11ドル-53.13ドルのレンジ相場となった。次期米財務長官に指名されたジャネット・イエレン氏が大規模な経済対策に前向きな姿勢を示し、経済活動の拡大が期待されて原油先物は買いが強まった。また、バルキンド石油輸出国機構(OPEC)事務局長が21年の原油相場について慎重ながらも楽観視しているとし、昨年の需要減から回復するとの見通しを示したことも支えとなった。新型コロナウイルス変異種の感染拡大が警戒されたことで、アジア市場ではさえない値動きとなったが、ユーロ売りは縮小しており、ニューヨーク市場で原油先物は底堅い動きを見せた。

 

NY金先物市場は反発:インフレヘッジ目的とした買い優勢

NY金先物市場は1831.80-1845.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金先物に割安感が生じて買いが強まった。バイデン新政権のもとで進められる大規模な追加経済対策を背景としたインフレ高への思惑がくすぶる中で、インフレヘッジを目的とした金買いも出ていた。ロンドン市場で1845.00ドルまで買われた後、ニューヨーク市場で1840ドルを挟んだ水準で推移した。また、換金目的の金売りは縮小した。 

 

米国債券市場は反落:50年債など超長期債の発行を検討で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.09%で終了した。次期財務長官に指名されたジャネット・イエレン氏が米上院での公聴会で『追加経済対策について積極的に取り組む』と述べたほか、連邦債務の膨張について『パンデミックへの対応が最優先で、債務縮小は将来的な問題』などと発言すると売りが出た。50年債など超長期債の発行を検討すると述べたことも相場の重石となった。ただ、そのあとは持ち高調整の買いが優勢となり、下げ幅を縮めた。 

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