FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:市場参加者少なく動意に乏しい展開

NYダウは70.04ドル高の30199.87ドル、ナスダックは33.62ポイント高の12804.73ポイントで取引を終了した。クリスマスイブの短縮取引で参加者が限られる中、新型コロナワクチンの可能性が広がったことや、さらに、英国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)などで最終合意にいたったことが投資家に安心感を与え寄り付きから上昇した。議会可決の追加経済対策案を巡り、トランプ大統領が拒否権行使の可能性を示唆したことを受けた不透明感がくすぶり一時下落に転じる局面もあったが、引けにかけては上げ幅を拡大した。 もっとも、売買は低調で動意に乏しい展開だった。VIX指数は23.31から21.53へ低下した。

 

NY外国為替市場:ポンドは材料出尽くしから一転売り優勢

ポンド/ドルは、難航してきた英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る通商交渉が本日中にも合意に達するとの期待が高まり、欧州時間に一時1.3619ドルまで上げたものの、NY市場では上値が重くなった。英国とEUはこの日、通商協定で正式に合意したと発表した。ただ、交渉合意の期待で事前に買われていただけに、そのあとは『Sell the fact(事実で売る)』の動きとなり、一時1.3524ドル付近まで下押しした。英国では新型コロナウイルス変異種の感染拡大が懸念されており、感染拡大やロックダウン(都市封鎖)による経済への悪影響も警戒された。なお、市場では英EU合意について『単に危機的状況が回避されたに過ぎない。サービス部門を含めた包括的な通商協定ではない。今回の合意が英国のサービス部門に対する問題にならないことが明らかになるまで、楽観的ながらも慎重な姿勢を崩せない』との指摘があった。NY午後には『英労働党の一部議員は英国とEUの通商合意に反対する計画』との英紙報道も伝わった。

 

 ドル/円は、英EU合意期待で欧米株価が上昇すると、投資家のリスク志向が高まり円売り・ドル買いが先行し、一時103.77円と日通し高値を更新した。ただ、一目均衡表基準線が位置する103.82円や21日の高値103.89円がレジスタンスとして働くと伸び悩んだ。103円台後半から104円台半ばにかけては断続的に売りオーダーも観測されており、ドルの上値を抑える要因となった。もっとも、この日はクリスマスの前日で米債券・株式・商品市場は短縮取引だった。閑散取引の中、動意に乏しい展開となり、NY時間の値幅は21銭程度にとどまった。 

 

ユーロ/ドルは、ドル/円の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.2177ドルと日通し安値を付けたものの、クリスマス休暇に入っている市場参加者が多く、商いは低調だった。

 

NY原油先物市場は小幅続伸:方向感欠くも48ドル台回復

NY原油先物市場は47.56ドル-48.62ドルのレンジ相場となった。昨日、米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で、原油とガソリンの在庫が減少したことや、英・EUの通商合意が支えとなるも、コロナ感染拡大による先行きの景気不安や米追加経済対策の早期実施の不透明感が重しとなり、短縮取引のこの日は方向感に欠ける動きとなった。新型コロナウイルスの変異種の感染拡大は引き続き警戒されており、ロンドン市場で47.56ドルまで下げたが、英国と欧州連合(EU)の通商協議は合意に達しており、ニューヨーク市場で原油先物は48ドル台を回復した。

 

NY金先物市場は小幅高:ポジション調整の売買が主体

NY金先物は1873.10-1887.40ドルのレンジ相場となった。利益確定や調整の売りが先行するも、押し目では買いが入り、続伸して取引を終えた。短縮取引で市場参加者は少なく、値動きは限られた。ユーロ売り・米ドル買いは一服しており、金先物は底堅い動きを維持した。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整の買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.92%で終了した。クリスマス休暇を控えて、持ち高調整目的の買いが入った。なお、本日はクリスマスの前日で短縮取引だった。 

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