FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:追加財政と金融措置への期待から買い優勢

NYダウは248.74ドル高の30218.26ドル、ナスダックは87.05ポイント高の12464.23ポイントで取引を終了した。11月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想の半分の伸びにとどまる低調な結果となったものの、追加経済対策の速やかな成立への議会の取り組みに拍車をかけると期待が高まったほか、新型コロナワクチンの普及期待から、投資家のリスク選好意欲が高まり買いが優勢となった。追加財政・金融措置への期待が根強く終日堅調推移となり、ダウ平均株価は史上最高値を更新した。VIX指数は21.28から20.79へ低下した。

 

NY外国為替市場:NY時間では米長期金利上昇でドル買い戻し

ユーロ/ドルは、一時1.2178ドルと2018年4月以来の高値を付けたものの、11月米雇用統計発表後に米長期金利が大幅に上昇するとユーロドルにも売りが出て一時1.2110ドルと日通し安値を更新した。ポンド/ドルの失速につれた売りや、週末を控えたポジション調整目的の売りも散見された。なお、米労働省が発表した11月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比24.5万人増と予想の46.9万人増を下回った一方、失業率と平均時給が予想より強い内容となった。失業率の改善や賃金上昇を受けて米10年物国債利回りは一時0.9842%前後と3月20日以来の高水準を付けた。 

 

ポンド/ドルは、英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る協議が大詰めを迎える中、神経質な動きとなった。NY市場に入ると、全般ポンド買いが強まり一時1.3539ドルと18年5月以来の高値を付けたものの、買い一巡後は一転売りが優勢に。バルニエEU離脱首席交渉官が『合意に至らず交渉を一時停止した』と明らかにしたことで、一時1.3420ドル付近まで下押しした。なお、ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は進行状況について5日午後に協議する。 

 

ドル/円は、米雇用統計発表後に米金利が大幅上昇すると円売り・ドル買いが優勢となった。一時104.24円と日通し高値を付けた。その後の下押しも104.07円付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は続伸:OPECプラス会合の合意を受け買い優勢

NY原油先物市場は45.61ドル-46.68ドルのレンジ相場となった。3日に、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国も交えた『OPECプラス』の閣僚級会合で、段階的に減産規模を縮小する方針で合意し、当初より緩やかな増産ペースとなったことに安心感が広がった。また、米追加経済対策の成立への期待感やコロナワクチン普及による経済活動正常化期待も原油の買いを後押しした。アジア市場で45.61ドルから46.68ドルまで買われた後、予想を下回る米雇用統計を嫌気して45.66ドルまで売られた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比5基増加の246基となった。

 

NY金先物市場は小反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1832.00-1852.70ドルのレンジ相場となった。この日も為替相場でドル安・ユーロ高が先行し、ドル建ての金は買いが先行したが、米長期金利の上昇でドル売りが後退すると、利益確定売りが優勢となった。ただ、米追加経済対策への期待感も下支えとなり、下値は限定的だった。米雇用統計発表後に1852.70ドルまで買われたが、包括的歳出法案と景気対策の統合が検討されているとの報道を受けて米長期金利は反転したことから、金先物は1832.00ドルまで下げた。その後はおおむね1835ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:米追加経済政策が意識され売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)0.96%で終了した。11月米雇用統計で失業率と平均時給が予想より強い内容となったことを受けて、債券売りが優勢となった。米国株市場で主要3指数が史上最高値を更新したことも相場の重石となった。利回りは一時0.9842%前後と3月20日以来の高水準を付けた。市場では『低調な米雇用者数を受けて、米政府は追加経済政策を来週にも成立させる可能性がある』との声も聞かれた。 

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