FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ワクチンの早期実用化への期待から買い優勢

NYダウは185.28ドル高の29823.92ドル、ナスダックは156.37ポイント高の12355.11ポイントで取引を終了した。ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことが明らかにしたことで、新型コロナウイルスのワクチン早期実用化への期待が高まったほか、中国の良好な指標を好感し寄り付きから大きく上昇したことで買いが優勢となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会での議会証言で、『米経済回復への道のりは長い』と指摘した。米低金利政策の長期化観測が高まったことも相場を下支えした。また、追加経済対策を巡り、マコーネル共和党上院院内総務が年内の成立の必要性を主張したほか、ムニューシン財務長官とペロシ下院議長が協議することが明らかになったため期待が高まり、終日堅調に推移した。 VIX指数は20.57から20.77へ上昇した。

 

NY外国為替市場:株高によるリスク選好のドル売りが優勢

ドル/円は、株高に伴うクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが出て一時104.58円と日通し高値を付けたものの、対ユーロなどでドル売りが強まった影響も受けたため上値は限られた。一時104.29円付近まで下押しする場面があった。次期米財務長官に指名されたイエレン前FRB議長はこの日、『米国は新型コロナ流行とそれに伴う景気低迷に端を発する歴史的な危機に直面している』などと語り、『迅速に行動することが不可欠』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナワクチンの実用化による景気回復が期待されて、米国株相場が堅調に推移するとリスク選好のドル売りが優勢となった。テクニカル的に重要なポイントとして意識されていた9月1日の高値1.2011ドルを上抜けると、断続的にストップトスを巻き込んで一時1.2077ドルと2018年5月1日以来2年7カ月ぶりの高値を更新した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、米上院銀行委員会で米経済回復の『道のりは長い』と指摘したうえで、『追加の経済対策は景気回復を大きく促進する』と財政支援の必要性を改めて訴えた。ムニューシン米財務長官も『企業に2-3カ月も待つ余裕はない』として、助成金として3000億ドル相当を確保することを提案した。 

 

NY原油先物市場は続落:減産延長への不透明感を嫌気

NY原油先物市場は44.12ドル-45.70ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)の30日会合で現行の協調減産を来年1月から3カ月間延長することを協議したが、一部の国が減産延長に慎重姿勢を示したほか、ロシアなどの非加盟国も交えた『OPECプラス』の閣僚級会合は協議にさらなる時間が必要だと判断し、3日に延期されたことで、協調減産延長への不透明感が原油相場の重石となった。ロンドン市場で45.70ドルまで買われたが、主要産油国による協調減産体制の延長合意は遅れるとの見方が広がり、需給悪化を警戒してポジション調整的な売りが目立った。

 

NY金先物市場は大幅反発:ユーロ高を意識した買い優勢

NY金先物市場は1778.40-1821.10ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことが、金の買いを後押しした。また、ロンドン市場で心理的節目の1800ドルを回復したことで買いが加速した。ニューヨーク市場でも続伸し、一時1821.10ドルまで買われた。株高は意識されなかった。

 

米国債券市場は下落:リスク選好の動きから安全資産売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)0.92%で終了した。新型コロナワクチンが年内に実用化されるとの期待から米国株相場が堅調に推移した。そのため、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

 

 

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