FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:ポジション調整による利益確定売り

NYダウ271.73ドル安の29638.64ドル、ナスダックは7.11ポイント安の12198.74ポイントで取引を終了した。新型コロナのワクチン実用化の期待から上げていた金融や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが先行した。月末とあって持ち高調整や利益確定の売りが強まると、一時440ドル超下落した。市場では『NYダウは月間で12%高と1987年以来の大幅上昇となった。月末を迎えて利食い売りなどが出た』との声が聞かれた。VIX指数は20.84から20.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:月末ロンドンフィキシング絡みの展開

ドル/円は、対ポンドなどでドル売りが進んだ影響を受けて一時103.90円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値103.83円がサポートとして意識されると持ち直した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時104.39円と日通し高値を更新した。米国株の下落に伴うリスク回避のドル買いも入った。なお、バイデン前副大統領はこの日、米財務長官にジャネット・イエレン前FRB議長を起用すると発表した。承認されれば、女性では初の財務長官となる。 

 

ユーロ/ドルは、ポンドやカナダドルに対して米ドル売りが先行した流れに沿って、ユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.2003ドルと9月1日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、同日高値の1.2011ドルが重要なレジスタンスとして意識されると失速した。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローも観測されて、一時1.1924ドルと日通し安値を更新した。米国株相場が軟調に推移したこともドル買い戻しを誘った面がある。市場では『1.2ドル台ではユーロ圏要人からユーロ高けん制発言が相次いだ水準だけに、戻り売りなどが出やすいようだ』との声も聞かれた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会での事前原稿で『米経済の不確実性はウイルス次第』『経済活動は引き続き回復しているが、改善ペースは穏やか』『ワクチンのニュースは中期的にとてもポジティブ』との見解を示したと伝わった。 

 

NY原油先物市場は小幅続落:ポジション調整的な売り

NY原油先物市場は44.42ドル-45.80ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)の協調減産協議の不透明感で続落した。OPECはテレビ会議で総会を開き、現行の協調減産を来年1月3カ月間延長することを協議したが、ひとつの国が減産延長に慎重姿勢を示したもようで、決定を持ち越した。1日に予定されていたロシアなどの非加盟国も交えた「OPECプラス」の閣僚級会合は更なる協議が必要ということで3日に先伸ばされた。世界経済の早期正常化への期待は持続しているものの、ウイルス感染の拡大を嫌気して米国株式は下落したことから、ポジション調整的な売りが目立った。

 

NY金先物市場は小幅続落:ワクチン開発期待から安全資産需要後退

NY金先物市場は1767.20-1793.30ドルのレンジ相場となった。バイデン新政権への移行が徐々に始まっていることや、コロナワクチンへの期待感で安全資産の需要が後退した。米バイオ企業のモデルナが欧米で新型コロナワクチンの認可を申請する方針を発表し、米ファイザーに続き、2件目のワクチンが年内に実用化される可能性が浮上した。 米国株式は下落したが、ユーロ安・米ドル高の相場展開となったことを意識して安全逃避の金買いは抑制された。

 

米国債券市場は横ばい:月末絡みのポジション調整で方向感出ず

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ0.84%で終了した。保有債券の残存期間を延ばす月末特有の買いが入った半面、ポジション調整目的の売りが出たため相場は方向感が出なかった。 

 

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