FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米経済活動規制の動きを嫌気した売り

NYダウは317.46ドル安の29080.17ドル、ナスダックは76.84ポイント安の11709.59ポイントで取引を終了した。米国での新型コロナウイルス新規感染者数が連日で過去最多を更新する中、経済活動規制の動きなどを受けて景気回復の遅れへの懸念が改めて浮上した。シカゴ市長が市民に外出を控えるよう勧告を出すと引けにかけ、下げ幅をさらに拡大した。また、『トランプ米大統領は中国人民軍との関係を理由に中国の一部企業への投資を禁止する』との報道が伝わると、米中関係を巡る懸念も高まり一時500ドル近く下げた。 VIX指数は23.45から25.35へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、10月米消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに予想を下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。『トランプ米大統領は中国人民軍との関係を理由に中国の一部企業への投資を禁止する』との報道を受けてNYダウが500ドル近く下落すると、ドル円にも売りが出て一時105.03円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値105.01円を下抜けるほどの勢いはなかった。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日参加した討論会で、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)で良好な結果が出たことについて『歓迎する』としながらも、『米経済への影響を評価するには時期尚早』と述べ、足もとの感染急拡大で『この先数カ月は厳しい状況になるかもしれない』との考えを示した。ともに参加したラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁も『ワクチンの生産と配布についてはまだ不確実性があるため、熱狂的になることを望まない』などと語った。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場では1.18ドル台前半でのもみ合いに終始した。米インフレ指標が予想を下回ったことで、米長期金利の低下とともにドル売りが出た半面、米国株相場の下落を受けてリスク・オフのドル買いが入ったため、相場は方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は反落:コロナ感染再拡大から売り優勢

NY原油先物市場は40.87ドル-42.19ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫は予想に反して427.7万バレルの積み増しと大幅増となったが、ガソリンと中間留分(含む暖房油)は予想より大幅に減少し、原油相場の反応はまちまちだった。ただ、米国や英国でコロナの新規感染者数が1日で過去最多を記録するなど、コロナ感染再拡大による先行き経済への懸念でリスク資産の原油にも売りが入った。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下を意識した買い優勢

NY金先物市場は1860.70-1883.00ドルのレンジ相場となった。米国や英国でコロナの新規感染者数が1日の最多記録を更新するなど、欧米でのコロナ感染の再拡大が深刻で、経済活動再開の動きが停滞するとの思惑が再燃し、安全資産とされる金に買いが入った。アジア市場で1860.70ドルまで下げたが、まもなく反転した。自律反発狙いの買いは一巡したが、米長期金利の低下や米国の政治不安を意識した買いが入った。

 

米国債券市場は上昇:コロナ感染再拡大などリスク回避の動きから買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い(価格は上昇)0.88%で終了した。新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動規制の動きなどを受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。予想を下回る米インフレ指標や、米中関係を巡る懸念も債券買いを後押しした。 

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