FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米大統領選前の持ち高調整の動き

NYダウは222.19ドル安の27463.19ドル、ナスダックは72.42ポイント高の11431.35ポイントで取引を終了した。10月消費者信頼感指数が、前月からの上昇予想に反して低下したため、経済をけん引する個人消費への懸念が広がり下落して寄り付いた。新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が強まる中、市場では『来週の米大統領選に向けた持ち高調整の売りが出た』との指摘があった。NYダウは序盤小高く推移する場面もあったが、早期の追加経済対策への期待も後退し、次第に売りに押されほぼ安値引けとなった。VIX指数は32.46から33.35へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧米株安や米長期金利低下でドルじり安

ドル/円は、欧州株相場の下落や米国株の失速を背景にリスク回避的な円買い・ドル売りが先行し、一時104.39円と日通し安値を付けた。米10年債利回りが0.7659%前後まで低下したことも相場の重石となった。ただ、21日の安値104.34円が目先サポートとして意識されると104.50円付近まで下げ渋った。この日発表の9月米耐久財受注額や10月米リッチモンド連銀製造業景気指数は予想を上回った一方、10月米消費者信頼感指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1839ドルと日通し高値を付けたものの、NY中盤以降は上値の重さが目立った。欧州中央銀行(ECB)定例理事会を29日に控えて積極的な売買が見送られる中、欧州で新型コロナウイルス感染の拡大が止まらず、行動制限などの規制強化による経済悪化を警戒したユーロ売りが出た。取引終了間際には一時1.1793ドルと日通し安値を付けた。 なお、ベルギー政府高官は『週末までに全土にロックダウン(都市封鎖)措置を再導入するかを決定する』と述べたほか、ショルツ独財務相は『感染拡大抑制に向けて的を絞った、一時的かつ集中した措置を可能な限り全土に導入する必要がある』との認識を示した。また、フランスのマクロン大統領は明日28日にも新たなコロナ対策について発表すると伝わった。

 

NY原油先物市場は反発:ハリケーン接近で買い戻し優勢

NY原油先物市場は38.51ドル-39.83ドルのレンジ相場となった。熱帯低気圧『ゼータ』がハリケーン規模まで拡大し、28日までに石油施設が集まる米メキシコ湾沿岸に到達する見込みが高まった。これを受けて一部の海上石油プラットフォームでは閉鎖の準備が始まり、原油市場では短期的な供給懸念が強まった。NY原油先物は、先週末から弱気な見方が広まり投機的なショートが溜まっていたため、買い戻しが優勢となった。一時39.80ドル台まで上値を伸ばして前日の下げ幅をほぼ取り戻した。アジア市場の終盤に39ドル台を回復したが、ニューヨーク市場の序盤で38.51ドルまで反落。ただ、ハリケーン接近による供給不安で通常取引終了後の時間外取引で39.83ドルまで再上昇しており、上値の重さは払しょくされた。

 

NY金先物市場は上昇:欧米での感染再拡大と景気対策遅延懸念から買い

NY金先物市場は1898.70-1913.80ドルのレンジ相場となった。欧米での新型コロナウイルス感染の再拡大や米景気対策の遅れを受け、安全資産とされる金に投資家の資金が向かいやすかった。9月米耐久財受注額が市場予想を上回ると伸び悩む場面はあったものの、底堅さは維持され、売り一巡後は再び下値を切り上げた。ロンドン市場の序盤で1898.70ドルまで売られたが、ニューヨーク市場で1913.80ドルまで反発。米長期金利の低下を意識した買いが入ったようだ。

 

米国債券市場は続伸:感染拡大懸念と米大統領選控への不安から買い

米長期金利で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.76%で終了した。新型コロナウイルス感染第2波への懸念や米大統領選を巡る不安がくすぶる中、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。 

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