FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米追加経済対策の合意への前進で下げ幅縮小

NYダウは19.80ドル安の28494.20ドル、ナスダックは54.86ポイント安の11713.87ポイントで取引を終了した。欧米で新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大し、景気の先行き懸念が高まると売りが膨らんだ。前週分の米新規失業保険申請件数や10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想より弱い内容となったことも投資家心理を冷やし、一時330ドル超下げた。ただ、トランプ米大統領は追加経済対策の規模について増額を示唆し、ムニューシン米財務長官も民主党に歩み寄る姿勢を示したと伝わると買い戻しが優勢になった。取引終了間際に上げに転じる場面があった。VIX指数は26.40から26.97へ上昇した。

 

NY外国為替市場:欧州通貨に対してドル高推移

ユーロ/ドルは、欧州で新型コロナウイルス感染が再拡大し、各国の主要都市が相次いで行動規制の強化に動いていることから域内景気の先行きを懸念したユーロ売りが先行した。NYダウが一時330ドル超下落したこともリスク回避のドル買いを誘い、一時1.1689ドルと9月30日以来の安値を更新した。ただ、NYダウが一時プラス圏を回復するなど、米国株が底堅く推移したこともあって、NY中盤以降は下げ渋る展開になった。なお、トランプ米大統領は追加経済対策の規模について、ムニューシン米財務長官に1.8兆ドルを超える水準を提案するよう指示したと明らかにした。民主党は2.2兆ドル規模を提案している。ムニューシン氏も民主党に歩み寄る姿勢を示したと伝わっており、市場では『選挙前は困難でも選挙後は支援がまとまる』との楽観的な声が聞かれた。一方、米共和党のマコネル上院院内総務は『より大規模な追加景気対策を拒否する。規模は5000億ドルが適切』と述べ、トランプ氏の提案を一蹴した。共和党内でも意見が割れている。 

 

ドル/円は、対欧州通貨中心にドル高が進んだ流れを引き継いで円売り・ドル買いが進行し、一時105.49円と日通し高値を付けた。ただ、前日の高値105.52円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米国株が底堅く推移したことで、リスク回避のドル買いが後退したことも影響した。 

 

NY原油先物市場は反落:原油在庫の予想外の減少で買い戻し

NY原油先物市場は39.22ドル-41.29ドルのレンジ相場となった。コロナ感染拡大第2波により欧州各国がロックダウンや夜間外出禁止令を行うことで、原油需要を減退させるとの思惑から欧州時間は原油先物は弱含んだ。また、欧州通貨を中心にドルが強含んだことで、ドルで取引される原油先物は割高感から上値が重く推移していた。しかし、EIA在庫統計で原油もガソリンも在庫が取り崩しとなったことをきっかけに買い戻しが入ると、ほぼ前日比で横ばい近辺まで戻した。ニューヨーク市場の序盤にかけて39.22ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引で41ドル台まで戻した。

 

NY金先物市場は小幅高:1,900ドル以下では押し目買い

NY金先物市場は1892.70-1913.20ドルのレンジ相場となった。株価下落により欧州通貨中心にリスク回避のドル買いの影響で、ドルで取引される金先物は割高感から弱含んで取引された。しかし、トランプ米大統領が1.8兆ドル以上の追加支援策も容認する発言をしたこともあり、金先物にも買い戻しが入り小幅ながら続伸して引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1892.70ドルまで下落したが、戻り売りが一巡した後は押し目買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引で1913.20ドルまで買われている。

 

米国債券市場は下落:米国株が底堅く利益確定売り

米国債券市場は長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは、前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.73%で終了した。新型コロナウイルス感染再拡大への懸念から相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、米国株が底堅く推移すると利益確定売りなどが出て下げに転じた。 

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