FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:方向感を欠く不安定な値動き

NYダウは52.31ドル高の26815.44、ナスダックは39.28ポイント高の10672.27ポイントで取引を終了した。トランプ大統領は大統領選に敗退した場合には、法廷闘争に持ち込み速やかな政権移行に抵抗する可能性を警告したことや、新規失業保険申請件数が前週から予想外に増加したことを嫌気し下落して寄り付いた。しかしながら、マコネル共和党上院院内総務が『政権は整然と移行される』とツィートすると警戒感が後退したほか、8月新築住宅販売件数が減少予想に反し増加し14年ぶり高水準になったことなどが好感され、上昇に転じた。ペロシ下院議長が小規模の財政策に取り組む方針を示すと追加財政策への期待が再燃したほか、主力ハイテク株の一角に買いが入ると持ち直した。指数は一時330ドル超上昇する場面もあった。ただ、引けにかけては再び下げに転じるなど、方向感を欠く不安定な値動きだった。VIX指数は28.58から28.51へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は小幅のレンジ相場

ドル/円は、日本時間夕刻に一時105.14円の日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。前日の高値105.49円を上抜けて一時105.53円まで値を上げた。もっとも、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。なお、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった半面、8月米新築住宅販売件数は予想より強い内容となるなど強弱入り混じる内容となったため、相場の反応は鈍かった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州で新型コロナ感染が再拡大するなか、行動制限の強化による景気回復の遅れが懸念されてユーロ売りが先行した。欧州株相場の下落に伴うリスク回避のドル買いも入り、一時1.1627ドルと7月24日以来2カ月ぶりの安値を付けた。スペインでは新型コロナ感染者数が累計70万人を突破した。感染が首都マドリードを中心に再拡大しており、当局者は『厳しい局面に差し掛かっている』と警鐘を鳴らした。また、フランスでは新型コロナの新規感染者が1万6000人近く報告され、1日あたりの感染者数として過去最多を記録した。ただ、安く始まった米国株相場が持ち直すとリスク回避のドル買いが後退した。次第にユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1687ドルと日通し高値を更新した。足もと下落が続いていた金価格が反発したことで、対資源国通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けた。 

 

NY原油先物市場は小幅続伸:底堅く推移し40ドル台を回復

NY原油先物市場は39.12ドル-40.37ドルのレンジ相場となった。昨日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫発表で原油在庫の取り崩し継続を確認して以降の底堅さを維持した。一方で、コロナ感染拡大を受けた景気減速による需要後退観測は重しで、地合いを強めきれない。米国株式の反発やユーロ安が一服したことが意識された。

 

NY金先物市場は小幅高:ドルインデックスの上昇一服で買い戻し

NY金先物市場は1851.00-1880.90ドルのレンジ相場となった。米国株の売り地合いが続いていたなか、本来はリスク回避先の資産として買いが集まる金だが、株安による損失の穴埋めで売られていたとの見方があった。しかし、本日の金相場は3日続落した後を受け、逆に株価反発のなかでも買われる反動の動きになった。また、ドルインデックスの頭打ちも、対ドルの金相場の割安感につながり、価格を押し上げる手掛かりの1つとなった。

 

米国債券市場は小幅上昇:方向感のない相場展開

米国債券市場で長期ゾーンは小幅上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.66%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった半面、8月米新築住宅販売件数は予想より強い内容となるなど強弱入り混じる結果となったため、相場は方向感が出なかった。7年債入札では堅調な需要が確認されたものの、目立った反応は見られなかった。 

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