FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:追加緩和期待後退で材料出尽くし

NYダウは36.78ドル高の28032.38ドル、ナスダックは139.86ポイント安の11050.47ポイントで取引を終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)でのハト派声明を期待して序盤から買いが強まった。FOMCで2023年までのゼロ金利政策維持が明らかになると、指数は370ドル近く上昇した。ただ、パウエルFRB議長が会見で現行の資産購入規模が適切であるとし、「現行のガイダンスは極めて強力」との考えを示すと追加緩和期待が後退した。その後は材料出尽くしとしてハイテク株を中心に手仕舞い売りが持ち込まれ、引けにかけて20ドル超高まで失速した。 VIX指数は25.59から26.04へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMCでのハト派声明を警戒したドル売り先行

ドル/円は、FOMCでのハト派声明を警戒して欧州時間から円高・ドル安が進んだ。ユーロ円など一部クロス円が下落した影響も受けて一時104.74円と7月31日以来の安値を更新した。一方、FOMC結果公表やFRB議長が無難な内容だったことで全般ドル買いが強まると105円台を回復する場面も見られた。 

 

ユーロ/ドルは、バイトマン独連銀総裁がドイツ国内で批判が目立つ欧州中央銀行(ECB)の債券買い入れについて擁護したことが関係者筋の話で分かったほか、デコス・スペイン中銀総裁も『必要に応じてなお追加緩和の余地がある』と述べたことで、ECBが一段の緩和政策を進めるのではとの思惑が高まり、NY序盤から売りが強まった。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)はFFレート誘導目標を0.00-0.25%で据え置き、同時に発表した金利見通しではゼロ金利維持の期間を前回の2022年から2023年まで延長した。声明文では『リスクが生じた場合には適切に金融政策のスタンスを調整する用意』と緩和スタンスを継続する姿勢を示した。一方で、2020年GDP見通しを引き上げたことも分かり、発表後はドルが一進一退の展開となった。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が定例記者会見で経済先行きに慎重な姿勢を示したものの、イールドカーブ・コントロール(YCC)やマイナス金利について言及しなかったため、米10年債利回りの上昇とともにドル高に傾斜し、一時1.1788ドルまで下値を広げた。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:需給ひっ迫を警戒した買い優勢

NY原油先物市場は38.35ドル-40.34ドルのレンジ相場となった。米石油協会(API)が15日引け後に発表した週間の米国内原油在庫は、一部の積み増し予想から大幅な取り崩しとなった。米南部に上陸したハリケーン『サリー』の影響による生産減も嫌気され、原油先物は時間外から買い優勢になった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫でも原油は積み増し見込みから取り崩しに振れ、相場は目立った押しもなく40ドル台を回復した。

 

NY金先物市場は小幅高:FOMCの結果公表を控え売買交錯

NY金先物市場は1957.20-1983.80ドルのレンジ相場となった。8月米小売売上高が前月比で市場予想を下回ったことを受け、安全資産とされる金は買いが先行した。その後、為替相場でドルが対ユーロで反発すると共に上げ幅を縮小するも、米連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和姿勢を強めるとの期待感で金相場の下値は堅かった。アジア市場で1957.20ドルまで下落したが、まもなく反転した。ニューヨーク市場の序盤に1983.80ドルまで買われたが、その後は売買交錯となった。 

 

米国債券市場は続落:FOMCの結果が想定内の範囲内で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.70%で終了した。FOMCがゼロ金利政策見通しを2023年まで延長し、声明文もハト派色の強いものだったが、想定の範囲内として債券は売られた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長から追加緩和について踏み込んだ発言がなかったことも売りにつながった。

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