FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ハイテク関連株の動向に振れる展開

NYダウ131.06ドル高の27665.64ドル、ナスダックは66.05ポイント安の10853.55ポイントで取引を終了した。ハイテク大手オラクルが前日引け後に発表した四半期決算が予想より良好な内容となったため、他のハイテク関連銘柄にも買いが先行した。前日に売り込まれた銘柄にも買い戻しが入り、一時290ドル超上げた。ナイキなど割安感の強い景気敏感株にも買いが集まり、指数を押し上げた。ただ、NY午後には大手ハイテク株に売りが強まったため、下げに転じる場面があった。VIX指数は29.71から26.87へ低下した。

 

NY外国為替市場:欧州通貨中心でドル/円は蚊帳の外

ドル/円は、予想を上回る8月米CPIを受けて円売り・ドル買いが先行したものの、米10年債利回りが低下すると徐々に上値が重くなり、一時106.04円と日通し安値を付けた。ただ、このところユーロやポンド絡みの取引が中心となっており、ドル/円は大きな方向感が出なかった。市場では『来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合など重要イベントを控えているため、方向感が出にくい』との声も聞かれた。今日の高値は日本時間夕刻に付けた106.26円で1日の値幅は20銭程度と小さかった。

 

ユーロ/ドルは、ビルロワドガロー仏中銀総裁はこの日、『欧州中央銀行(ECB)は為替レートをターゲットにしていない。しかし為替レートは明らかにインフレと金融政策にとって重要』と述べたほか、ヴァシリャウスカスECB理事は『最近のユーロの上昇は歴史的に例外ではない』などと発言した。一方、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストは『最近のユーロ高がインフレ見通しを弱めている』などと述べたと伝わった。市場では『レーン氏以外にユーロ高を強く懸念する声がなかった』との受け止めから、欧州時間に一時1.1874ドルまでユーロ買いが進む場面があった。
 ただ、NY市場に入るとじり安の展開になった。節目の1.1900ドルや前日の高値1.1917ドルをバックに戻りを売る動きが出たほか、週末を控えたポジション調整目的の売りが出て一時1.1826ドル付近まで下押しした。8月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことも相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は横ばい:米国株反発で買い戻し

NY原油先物市場は36.67ドル-37.82ドルのレンジ相場となった。昨日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫が予想外の積み増しとなったことでこの日も売りが先行した。ただ、米国株が反発して寄り付き、同じくリスク資産とされる原油に買い戻しが入った。需給関係のすみやかな改善は期待できないとの理由でニューヨーク市場の序盤にかけて36.67ドルまで下落したが、米国株式の動向を意識して37.82ドルまで反発。ただ、その後は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引で37ドル台前半まで弱含みとなる場面もあった。需要減速懸念で週間では6%以上下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比1基減少の180基となった。

 

NY金先物市場は反落:週末前でポジション調整の売買が主体

NY金先物市場は1944.00-1963.40ドルのレンジ相場となった。買いが先行した米国株の動きも手がかりに安全資産の金は売りに押された。また、為替相場でドルが対ユーロでやや強含みに推移したことも、ドル建ての金の上値を圧迫した。 週末前でポジション調整的な売買が主体となった。ニューヨーク市場の序盤で1963.40ドルまで買われたが、米インフレ鈍化の懸念は後退していることや、米国株式の動向を意識して安全逃避的な金買いは後退した。 

 

米国債券市場は続伸:米追加経済対策協議進まずリスク回避の買い

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.66%で終了した。追加の米経済対策を巡る与野党の協議が進んでおらず、『11月の米大統領選前の成立が困難』との見方が浮上した。相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

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