FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ウイルスの新たな治療法やワクチンへの期待

NYダウは378.13ドル高の28308.46ドル、ナスダックは67.92ポイント高の11379.72ポイントで取引を終了した。米食品医薬品局(FDA)が新たな新型コロナウイルスの治療法を特別に認可したほか、『米政権は英製薬アストラゼネカなどが開発中のワクチンの緊急使用許可を検討している』と伝わると、コロナの感染拡大が早期に落ち着き、経済活動の再開が進むとの期待から買いが優勢となった。また、フロリダ州の感染件数も6月中旬以来の低水準に改善するなどウイルス感染に鎮静化の傾向が見られることも好感された。アップルが連日で上場来高値を更新し、相場上昇をけん引した。VIX指数は22.54から22.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からドルじり高

ドル/円は、欧州市場で全般ドル売りが進んだ流れに沿って一時105.68円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値105.69円を下抜けることは出来なかった。米10年債利回りが一時0.6558%前後まで上昇すると円売り・ドル買いが優勢となり、一時106.00円と日通し高値を更新した。米株式市場でダウ平均が半年ぶり高値を更新し、S&P500種とナスダック総合が連日で史上最高値を更新したこともドルの支援材料となった。もっとも、ドル円の上昇スピードは緩やかだった。『オンライン形式で開かれる米ジャクソンホール経済シンポジウムを週後半に控えて、様子見ムードが強まっている』との声が聞かれる中、前週末の高値106.07円や一目均衡表転換線が位置する106.08円がレジスタンスとして意識された面があった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に全般ドル売りが進んだ流れを引き継いでNY市場でもドル売りが先行し、一時1.1850ドルと日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じ、上昇幅を広げると全般ドル買い戻しが強まりアジア時間の安値1.1785ドルを下抜けて一時1.1784ドルまで値を下げた。

 

NY原油先物市場は反発:メキシコ湾沿海部の熱帯低気圧を意識した買い

NY原油先物市場は42.23ドル-42.89ドルのレンジ相場となった。米南部のメキシコ湾沿岸部に2つの熱帯低気圧が接近し、発達規模次第では製油所への被害や石油製品精製の遅れが懸念された。エネルギーの先物市場は全般買いが先行し、ガソリン先物などは前週末比で約7%高まで上げ幅を拡大した。原油先物も一時42.89ドルまで上昇後、42ドル台半ばで下げ渋った。もっとも、熱帯低気圧の1つが勢力を緩めたと伝わると、引け後には上値を切り下げている。 

 

NY金先物市場は下落:米国株高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1930.80-1970.20ドルのレンジ相場となった。為替市場でドルがユーロなどに対して弱含むと、割安感がでたドル建ての金先物は1970ドル台まで買いが先行した。もっとも、堅調なままの米国株市場は安全資産とされる金にとっては重しとなり、為替のドル買い戻しにも引きずられて、前週末比マイナス圏まで売り押された。NY市場の序盤にかけて1970.30ドルまで買われたが、株高や米長期金利の反発を意識して伸び悩み、一時1930.80ドルまで反落した。

 

米国債券市場は反落:米国株堅調推移でリスク選好の売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.65%で終了した。新型コロナウイルスの新たな治療法やワクチンへの期待感から米国株が堅調に推移すると、安全資産とされる米国債に売りが出た。 

 

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