FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策協議継続を好感した買い

NYダウは34.30ドル高の27931.02ドル、ナスダックは23.20ポイント安の11019.30ポイントで取引を終了した。欧州株相場の下落や予想を下回る7月米小売売上高を受けて売りが先行し、一時130ドル超下げた。ただ、トランプ米大統領が『国民や州、地方政府に資金を供給する用意がある』と述べたほか、米政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策協議について『交渉は打ち切らない』との見解を示すと買い戻しが優勢となり、一時80ドル超上げた。VIX指数は22.13から22.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が下げ止まるとドルも持ち直す

ドル/円は、欧州各地で新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が広がるなか、欧州株相場が下落した。投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から円買い・ドル売りが先行した。7月米小売売上高が前月比1.2%増と予想の1.9%増を下回ったことが分かると、『新型コロナ再拡大と財政支援の縮小懸念で米個人消費の勢いが鈍りつつある』との見方が広がり、米長期金利の低下とともにドル売りが加速した。前日の安値106.57円を下抜けて一時106.44円まで値を下げた。『米中は15日に予定されていた貿易合意に関する協議を延期した』との一部報道もドルの重石となった。ただ、トランプ米大統領が会見で『全世帯への現金給付をムニューシン財務長官に指示した』『州や地方政府に資金を供給する用意がある』と述べたほか、米政権と民主党指導部による追加経済対策協議について『交渉は打ち切らない』との見解を示すと、ドル/円にも買い戻しが入り、106.63円付近まで下げ渋った。
 米国と中国は第1段階の貿易合意発効から6カ月の節目に際し、履行状況を点検するための協議を15日に予定していたが、複数のメディアが『ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官と劉鶴中国副首相のビデオ会議は無期限に延期された』と伝えた。なお、この協議については米中両政府ともに公式日程として発表したことはない。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では一時1.1782ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場では底堅く推移した。米小売売上高が予想を下回ったことや米10年債利回りの低下、米中貿易合意の6カ月検証延期が伝わり一時1.1850ドルまでユーロ高・ドル安が進んだ。ただ、NYダウが持ち直し、米長期金利が低下幅を縮めるとやや伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は続落:利食い売りで上値が重くなる

NY原油先物市場は41.62ドル-42.57ドルのレンジ相場となった。15日に予定されていた米中の通商合意履行状況の6カ月検証に関する会合延期を嫌気して、中国などエネルギー消費国の需要後退を懸念するムードを強めた。NY原油先物は一時41.62ドルまで下振れた。ただ、検証を前に中国が米国の原油買い付けを増加する動きも確認されているもようで、懸念を和らげ原油相場は下落幅を縮小して週の取引を終えた。アジア市場で42.57ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで上値は重くなった。ニューヨーク市場で一時41.62ドルまで下落したが、ドル高は一服しており、通常取引終了後の時間外取引で42.25ドルまで戻す場面があった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比4基減少の172基となった。

 

NY金先物市場は反落:急落の反動の戻りが一巡

NY金先物市場は1939.10-1970ドルのレンジ相場となった。11日に2000ドルの節目を割り込んで急速に調整を進めたことに対する反動の戻りが一巡した。ロシアのプーチン大統領が、米・英・仏・中・独・イランとオンラインでの首脳会談開催を提案した。対イランの武器禁輸措置延長を巡り、国連での対立激化を回避するのが狙い。地政学リスクの後退要因とされ、安全資産である金を買い戻す動きを抑制した。アジア市場で1970.00ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。1960ドル以上で戻り売りの興味が残されており、金先物の反発を抑えた。ニューヨーク市場で一時1939.10ドルまで下落した。米長期金利が伸び悩んでいることから、時間外取引で1955.40ドルまで戻したが、上値は重い状態が継続した。

 

米国債券市場は反発:米国株が底堅くなり引けにかけて伸び悩み

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.71%で終了した。欧州各地で新型コロナウイルスの感染再拡大に懸念が広がるなか、欧州株相場が下落すると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。7月米小売売上高が予想を下回ったことも債券買いを促した。ただ、安く始まった米国株が底堅く推移したため、引けにかけて伸び悩んだ。 

 

 

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