FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:原油価格の上昇を好感

NYダウは119.19ドル高の24580.89、ナスダックは20.14ポイント安の7692.82で取引を終了した。OPECによる今後の増産が緩やかになるとの見方から原油価格が上昇するとシェブロンなど石油関連株が買われ、指数は一時200ドル超上昇した。しかし、米国と中国及びEUとの貿易摩擦への懸念が強まっており、上値は限られた。VIX指数は12.79から13.77へ上昇した。

 

NY外国為替市場:貿易摩擦懸念で総じてドル安傾向

ドル/円は、欧州市場序盤では110.22円まで上昇したが、200日移動平均線の110.23円がレジスタンスとして意識されるとじりじりと上値を切り下げた。トランプ大統領が『EUからの全ての自動車に対して20%の関税を課す』と発言すると貿易摩擦への懸念から売りが強まり一時109.80円と一押し安値をつけた。その後は109.90円を挟んだもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、欧州時間に1.1675ドルまで買われた後は『ドイツ第2党のドイツ社会民主党(SPD)が総選挙を準備』との一部報道やトランプ大統領の発言を受けて1.1610ドル台まで下押しする場面があったが、下値は堅かった。売り一巡後はオセアニア通貨を中心にドル安が進んだ影響から再び高値圏まで持ち直した。米ベーカー・ヒューズ社が発表した米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比1基減少の862基となった。

 

原油先物市場は上昇:増産が小幅にとどまるとの見方から買い優勢

NY原油先物市場は一時68.97ドルまで上昇した。OPEC総会で減産量を従来目標の日量180万バレルに戻すことが決まった。一部産油国の生産がかなり落ち込んでいたため、減産量を実質的に280万バレル程度まで拡大していた。ただし、市場関係者の間では、実質的な増産幅は日量77万バレル程度にとどまるとの見方が多く、想定していた増産量を下回ることから、原油価格を買い戻す動きが急速に広がった。

 

NY金・銀先物市場は上昇:材料に乏しく方向感のない展開

NY金先物は一時1268.40ドルまで売られた。通商問題を巡る米国と中国、欧州の対立は解消していないことから、世界経済の先行きは不透明であるとの見方が強まり、ポジション調整的な売買が主体となった。株高や米長期金利の下げ渋りは金価格の上昇を抑える要因となった。全般週末を控える中、相場材料に乏しく方向感は出なかった。

 

米国債券市場は横ばい:原油価格上昇からインフレ懸念を嫌気

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前日と同じ2.89%で終了した。原油価格の大幅上昇を受けて先行きのインフレ高が意識され、債券売りが進んだ。利回りは一時2.92%まで上昇する場面があった。ただ、世界的な貿易摩擦への懸念が根強いなか下値も限られた。

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