FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:貿易戦争への懸念から売り優勢

NYダウは420.22ドル安の24608.98、ナスダックは92.45ポイント安の7180.56で取引を終了した。朝方はパウエルFRB議長の2度目の議会証言を見極めたいとの思惑から前日を挟んでもみ合う展開となった。しかし、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに商務省の提言を上回る25%と10%の輸入関税を賦課する計画を明らかにし、貿易戦争への懸念から一時580ドルを超す下げ幅となった。引けにかけてやや下げ幅を縮小した。VIX指数は19.85から22.47へ大幅上昇した。

 

NY外国為替市場:貿易戦争懸念からリスク回避の円買いに拍車

ドル/円は、米週次新規失業保険件数がほぼ50年ぶり低水準となったほか、2月ISM製造業景況指数も2004年5月来で最高に達しドル買いが一時優勢となった。しかし、トランプ米大統領が、鉄鋼やアルミニウムに大幅な追加関税を課す計画を発表すると、貿易戦争が激化するとの警戒感からドル売り、リスク回避の円買いに拍車がかかった。ユーロ/ドルは、良好な米経済指標が相次いだことで、1月12日以来の安値となる1.2155ドルまで売りが先行した。ただ、『ECBは8日の定例理事会で政策転換はしないものの、緩和バイアスの削除を検討する可能性がある』との報道を受けて買い戻しが優勢になった。

 

NY原油先物市場は続落:供給過多の警戒感から売り優勢

NY原油先物市場は一時60.18ドルまで売られた。供給増加への懸念が高まっていることや、米国株の大幅安と金利先高観などが原油価格の反発を抑制した。原油在庫は短期的にさらに増える可能性があることや、イラクがキルクーク産の原油輸出を近く再開するとの観測も引き続き売り材料視された。

 

NY金・銀先物市場は下落:米金利先高観を嫌気した売り

NY金先物市場は一時1303.60ドルまで売られた。トランプ米大統領が、鉄鋼やアルミニウムに大幅な追加関税を課す計画を発表すると、貿易戦争が激化するとの警戒感からリスク回避の動きに拍車がかかった。そのため、米国株が一時550ドル超安となり米長期金利も低下したが、米国金利の先高観は後退していないことから、安全逃避的な金買いは引き続き縮小した。ただ、通常取引終了後に1322.30ドルまで買い戻された。

 

米国債券市場は続伸:米国株の大幅安で債券需要高まる

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.05%低い(価格は上昇)2.81%で終了した。トランプ米大統領が鉄鋼などに追加関税を賦課する方針を示したことで米国株式市場が大幅安となったことを受け、安全資産とされる債券需要が高まった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ