FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:地政学リスクの高まりで全般様子見

NYダウは9.64ドル安の22349.59、ナスダックは4.23ポイント高の6426.92で取引を終了した。トランプ大統領が北朝鮮への経済制裁強化に踏み切り、同国が水爆実験の実施を示唆して挑発するなど、地政学リスクへの警戒感から売りが先行した。来週に共和党上院が採決を行うとされる新たなオバマケア改廃案に対して、マケイン上院議員が反対を表明したことで、ヘルスケアセクターに買い戻しの動きが広がり、引けにかけて下げ幅を縮小した。新製品を発売したアップルの下落が指数を押し下げた。VIX指数は9.67から9.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は112.00円を挟んでのもみ合い

ドル/円は、一時112.16円まで上げた後、米長期金利が低下幅拡大に伴い111.80円台まで失速した。しかし、米長期金利が低下幅を縮小すると112.15円まで反発した。その後は週末を控えて方向感が出なくなった。全般ポンド絡みの取引が中心だった。NY市場引け間際に米格付け会社ムーディーズが英国の格付けを『Aa1』から『Aa2』に引き下げると発表したことで、ポンドが急落する場面があった。ユーロ/ドルは、しばらく1.1970ドル前後でのもみ合いが続いたが、米長期金利の低下幅縮小につれて1.1937ドルまで下落した。売り一巡後は1.1945ドル前後で値動きが細った。

 

NY原油先物市場は反発:需要改善期待とリグ稼働数減少を好感

OPEC加盟国と非加盟国が22日に合同閣僚閑散委員会を開催し、来年3月末に期限を迎える協調減産の延長を加盟国などに勧告することを見送った。ロシアのノバク・エネルギー相は減産合意の延長について『来年1月までは決定しない』との見解を示した。そのため、減産延長の思惑の後退で売られる場面があったが、需給改善を期待した押し目買いが入ったことで下げ止まった。また、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した国内石油掘削設備(リグ)稼働数が前週比5基減少して744基となったことが相場の下支えとなり反発した。

 

NY金は反発・銀先物市場は続落:地政学リスクの高まりで買い優勢

北朝鮮外相が水爆実験を実施する可能性について言及したことで、米朝間の緊張が急速に高まったことで地政学リスクによる安全逃避の金買いが優勢となった。また、米長期金利がやや低下したことや米国株が伸び悩んだんことも買い材料となった。

 

米国債券市場は反発:地政学リスクの高まりで債券買い

米国債券市場で長期ゾーンは6営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.02%低い(価格は上昇)2.25%で終了した。北朝鮮情勢が緊迫化し安全資産としての債券需要が高まった。ただ、米年内利上げ観測を背景にした売りも根強く伸び悩む展開となった。

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