FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ハリケーン被害や地政学リスクを嫌気

NYダウは22.86ドル安の21784.78、ナスダックは4.55ポイント高の6397.87で取引を終了した。ECB金融政策が据え置きを決定したことで買いが先行した。米長期金利の低下を嫌気してGSなど金融株が下落したほか、慎重な利益見通しを示したウォルト・ディズニーが大幅安となった。また、大型ハリケーン『イルマ』による被害や、北朝鮮建国記念日を9月9日に控えた地政学リスクへの警戒感も根強く、一時60ドル超下落した。ただ、引けにかけては買い戻しが入るなど下値も限られた。VIX指数は11.63から11.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、米長期金利が昨年11月10日以来の水準まで大幅に低下するとドル売りが活発化した。4月17日安値の108.13円を下抜けて108.04円と昨年11月15日以来の安値まで売り込まれた。ただ、108円を目前に売り一巡後はショートカバーが進行し、108.70円付近まで持ち直した。ユーロ/ドルは、ECBが予想通り政策の現状維持を発表し、その後の記者会見でドラギECB総裁が『最近のユーロ相場は不確実性のもと』と発言すると1.1930ドル付近まで下げたが、下値は限定的。同総裁が『ECBは秋に政策調整を決定する』『QEに関する決定の大半は10月に下す』と述べると一転して買いが優勢になった。市場が警戒していたほどユーロ高へのけん制が強くなかったとの見方もユーロの買い戻しにつながり1.20591ドルまで急伸した。

 

NY原油先物市場は小幅安:原油在庫積み増しを嫌気

米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した1週間の米原油在庫は前週比458万バレル増となり、市場予想を上回る積み増し幅となったほか、ガソリン在庫が予想ほど減らなかったことから売りが出た。また、テキサス州に大洪水の被害をもたらした大型ハリケーン『ハービー』の影響で製油所の稼働率も約7年ぶりの低水準となったことが明らかになったことも嫌気された。ただ、ドルが主要通貨に対して弱含んだことで下げ幅は限定的だった。

 

NY金・銀先物市場は反発:地政学リスクの高まりとドル安で買い優勢

北朝鮮が米国の圧力に対して『強力な対抗措置で応じる』と表明したことから、リスク回避の動きが強まったことから、安全資産としての金需要が高まった。一時1355.5ドルと昨年9月7日以来の1年ぶりの高値を付けた。また、ドラギECB総裁が定例理事会後の記者会見で、量的緩和の縮小計画を10月にも発表するとの見方を示したことから、ドルが主要通貨に対して弱含んだんことから金の下支えとなった。

 

米国債券市場は反発:ハリケーン被害懸念と独国債につれた買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.06%低い(価格は上昇)2.04%で終了した。利回りは一時2.03%と昨年11月10日以来の水準まで低下した。ドイツ長期国債が買われたことにつれたほか、大型ハリケーン『イルマ』を警戒した買いも入った。

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