FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:複合的なリスクを嫌気した売り優勢

NYダウは234.25ドル安の21753.31、ナスダックは59.76ポイント安の6375.57で取引を終了した。北朝鮮を巡る地政学リスクが高まり、休日明けの米国株は売りが先行した。トランプ大統領がオバマ政権で策定された不法移民の強制送還を免除する政策を撤回する方針を示したことで政権運営への懸念も強まった。さらにハリケーン『イルマ』が5段階で最大のカテゴリー5に発達したことも嫌気され一時280ドル近く下落した。VIX指数は10.13から12.23へ上昇した。

 

NY外国為替市場:全般ドル売り優勢

ドル/円は、北朝鮮を巡る地政学リスクが高まるなか、欧州序盤に109.55円まで上げた後は、上値を切り下げた。米南部に接近中のハリケーン『イルマ』がカテゴリー5に発達したことが明らかになり、米経済への打撃を懸念してNYダウ先物が下落すると売りが強まる展開となった。また、ブレイナード米FRB理事が『低インフレのなかで利上げに慎重になるべき』と発言し、米長期金利が低下したことも売りを促した。NYダウが大幅に下げ、米長期金利も低下幅を広げたことで一時108.63円まで下げ足を速めた。ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1868ドルまで下げたが、米長期金利の低下に伴って買い戻しが優勢となった。ユーロ/円やユーロ/ポンドなどが下落した影響から失速する場面もあったが下値は堅かった。

 

NY原油先物市場は大幅高:製油所の操業再開で買い優勢

ハリケン『ハービー』の影響で操業を停止していた主要製油所やパイプラインの操業が再開されたことが買い材料となった。操業再啓は全面的ではないが、原油需要増大を意識して短期筋などのショートカバーが観測された。米国の原油在庫は引き続き減少するとの見方が多いことや、ドルが総じて主要通貨に対して弱含みとなったことも支援材料となった。

 

NY金・銀先物市場は上昇:安全資産としての買い需要高まる

米朝間の緊張状態がさらに高まり米国株が大幅下落したことや、ブレイナード米FRB理事発言を受けて安全逃避的な金買いが活発化した。ドルが主要通貨に対して弱含んだことも支援材料となった。

 

米国債券市場は反発:米国株安とブレイナード理事発言受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業比0.10%低い(価格は上昇)2.06%で終了した。昨年10月以来の水準を更新した。ブレイナード米FRB理事の発言で追加利上げに慎重姿勢を示したことで債券買いが強まった。また、北朝鮮情勢の緊迫化を嫌気して米国株が大幅に下げたことも買いに拍車がかかった。

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